カンボジアの太陽と大地の恵みを満喫! ファームでエコツーリズム

公開日 : 2020年01月05日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
スヴァイチェイク・オーガニックファーム ©Megumi T
スヴァイチェイク・オーガニックファーム ©Megumi T

アンコール・ワットで有名なカンボジアのシェムリアップ。観光の目玉は遺跡巡りですが、100%カンボジアの世界を満喫できる新スポットが誕生しました。その名は、スヴァイチェイク・オーガニックファーム(SvayChek Organic Farm)。南国ならではの魅力的なエコツーリズムを紹介します。

マンゴーバナナ村のオーガニックファーム

マンゴーバナナ村のオーガニックファーム
見渡すばかりの果樹園 ©Megumi T

場所はアンコール・ワットから北方、車で約15分の位置にあるスヴァイチェイク村。スヴァイはマンゴー、チェイクはバナナの意味で、訳せば「マンゴーバナナ村」。まさしく、ファームを開くのにピッタリな地名です。

スヴァイチェイク・オーガニックファームの敷地は42ヘクタール。約20人のスタッフが、無農薬・無化学肥料栽培で年間30種以上の野菜や果物を育てています。ファームの名前にあるマンゴーとバナナは、どちらも約3000本、パイナップルに至っては1万本という規模の大きさです。

一度しか収穫できないバナナの木 ©Megumi T
一度しか収穫できないバナナの木 ©Megumi T

完熟野菜や果物のおいしさが評判になるにつけ見学希望の声が高まり、それに応える形でファームツアー受け入れを始めたのは、2019年2月のことです。

トラクタートレーラー ©Megumi T
トラクタートレーラー ©Megumi T

広い敷地をトラクタートレーラーで探検しながら、ファームの成り立ちや無農薬栽培の難しさなど、スタッフが流暢な日本語で説明してくれます。森のような果樹園、見渡すばかりの大地と空に挟まれて、風と鳥の声を聞き、太陽の恵みを一身に感じる時間は、何よりのデトックスとなること請け合いです。
実際、ファームの気温は市内と比べると5度も低いことがあり、そんなところにも自然の持つ浄化力を感じます。

収穫した野菜たち ©Megumi T
収穫した野菜たち ©Megumi T

ツアーで収穫した野菜やフルーツは、もちろん試食できますし、100%フルーツでできたスムージーもいただけます。
ツアーには、8時半始まりのモーニングツアーと、14時半始まりのイブニングツアーがありますが、どちらも所要時間は約2時間、料金はひとり USD25です。予約は、オンラインで希望日の3日前まで受け付けています。

動物も植物ものびやかに時間をかけて育つ場所

動物も植物ものびやかに時間をかけて育つ場所
トラクターで広い敷地をまわる ©Megumi T

このスヴァイチェイク・オーガニックファームを作ったのは、実は日本人女性、通称マダムサチコで知られる小島幸子さんです。今ではシェムリアップのお土産の定番となったアンコールクッキー社を15年以上前に立ち上げた女性です。

手塩にかけたアンコールクッキー社を後進に託し、ゼロからチャレンジしたのがオーガニックファーム事業。何もない雑木林を開墾することから始まり、土づくりや堆肥作り、害虫対策、植え付ける野菜の選定など。幸子さんは、スタッフたちと心を合わせ、ひとつひとつの仕事に時間と情熱を注いできました。

収穫した人参 ©Megumi T
収穫した人参 ©Megumi T

たとえば、人参一本とってみても粘土質の土を改良し、真っすぐな人参が育つまでにかかった時間は3年。その土作りに役立ったのが鶏糞や牛糞、もみ殻、落ち葉などを混ぜて作った堆肥です。堆肥作りはオーガニックファームの要ともいうべき仕事で、ファームではそのために鶏や牛も飼育しています。きっとファームツアーに行けば、ライム畑でのびのび放し飼いになっている鶏に出合えることでしょう。ちなみに、鶏のエサもファームのバナナの幹を野菜やご飯と混ぜて作った手作りだそうです。

葉っぱが赤くなり紫の花をつけるパイナップル ©SvayChek Organic Farm
葉っぱが赤くなり紫の花をつけるパイナップル ©SvayChek Organic Farm

また、私も初めて知りましたが、パイナップルの実は18ヵ月もかけてできるものだそうです。まず、葉が中ほどから赤くなり、紫の花をつけ、ようやくパイナップルの実は成長するのです。ホルモン剤などを一切使わないファームのパイナップルは、じっくり18ヵ月かけて成長し熟しきったもので、とびきり甘いと高い評判を得ています。

市内でも味わえます! ファームのおいしいメニュー

市内でも味わえます! ファームのおいしいメニュー
どれも食べたくて困ってしまうサラダバー ©SvayChek Organic Farm

滞在期間が短くて、ファームツアーに行く時間が取れない! という方には、2019年5月オープンしたばかりのスヴァイチェイク・オーガニックファーム・ショップのレストランへの訪問をおすすめします。

牛車が目印のショップ ©SvayChek Organic Farm
牛車が目印のショップ ©SvayChek Organic Farm

カンボジアの農業に欠かせない牛車が目印となるすてきな店舗では、新鮮な野菜や卵、自家製ドライフルーツ、ピクルス、ドレッシングなどの購入も可能です。

メニューには、目移りしてしまいそうなサラダバーのほか、スムージーボウルやホームメイドケーキが並びます。ケーキに使うのは、スヴァイチェイク・オーガニックファームのサトウキビから作ったブラウンシュガー。白砂糖は一切使っていません。

ドラゴンフルーツのピンク鮮やかなスムージーボウル ©SvayChek Organic Farm
ドラゴンフルーツのピンク鮮やかなスムージーボウル ©SvayChek Organic Farm

ビューティーボウル(Beauty Bowl)と名付けられた色鮮やかなスムージーボウルはシュガーフリー。材料となるファームのフルーツが完熟で、糖度の高いものであるからこそ可能なメニューです。

飲み物は、フレッシュジュースやスムージー、ホームメイドジンジャーエールなど冷たいものだけでなく、ハーブティも置いています。特にファームで採れたバタフライピーの青い花で作ったバタフライピー・ティーは、目を見張るほど鮮やかな青紫! 一度は飲んでみたいハーブティーです。

鮮やかな色のバタフライピー花とお茶
鮮やかな色のバタフライピー花とお茶

ところで、ファームのプロジェクトは、途切れることなく展開しています。今一番熱いのは、聞くだけでワクワクしてしまうマンゴー・スパークリングワインの製造でしょう。多くの試行錯誤を繰り返して、ようやく2020年4月の仕込み開始が決まったところですが、2019年12月16日に開始したクラウドファンディングでは、たった12時間で目標額の半分を超える応援が集まる人気を見せています。
マンゴー・スパークリングワイン完成の暁には、ファームやショップで売り出されるそうですから、これまた楽しみなことです。


魅力の大地、カンボジア。アンコール・ワット遺跡見学のあとは、マンゴーバナナ村のオーガニックファームで、この国の自然の恵みを感じてください。

スヴァイチェイク・オーガニックファーム・ショップ ©SvayChek Organic Farm
スヴァイチェイク・オーガニックファーム・ショップ ©SvayChek Organic Farm

■スヴァイチェイク・オーガニックファーム(SvayChek Organic Farm)
・住所: SvayChek Village, Angkor Thom District, Siem Reap, Cambodia
・URL: https://www.svaychekorganicfarm.com/
・アクセス: トゥクトゥク半日チャーターで約USD20

■マンゴー・スパークリングワイン・プロジェクト
・URL: https://camp-fire.jp/v2/projects/209244#menu

■スヴァイチェイク・オーガニックファーム・ショップ(SvayChek Organic Farm Shop)
・住所: Home No-639 Kandal village, Central Market St. Krong Siem Reap
・URL: https://www.svaychekorganicfarm.com/shop


(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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