世界のスイーツ大集合!ポルボロン、セムラ、パブロバって知ってますか?

公開日 : 2020年04月05日
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世界各地に伝わる、その国生まれの見ても食べてもうれしいスイーツを集めました!  起源や言い伝えなど、気になる情報も満載です。今、世界を旅することは叶いませんが「あそこに行ったら本場のこれ食べよう」と思いをめぐらせながら品定めを。

“王妃が愛したアルザス伝統のスイーツ” クグロフ(フランス)

 “王妃が愛したアルザス伝統のスイーツ” クグロフ(フランス)
上にチョコレートやクリームをかけるのも一般的(イメージ) ©iStock

●Kouglof
王冠のような形をしたクグロフは、フランスのパティスリーやベーカリーでよく見かける定番お菓子。専用のクグロフ型に、ナッツやリキュールで香りつけをした干しぶどうなどを練り込んだ生地を流し込み、ふっくらと焼き上げます。古くから伝わるフランス東部のアルザス地方では、日曜の朝食のために家庭で作る習慣があるそう。起源は諸説ありますが、マリー・アントワネットがオーストリアからフランスへ嫁ぐ際に持ち込んだともいわれています。

“願いが叶う!?幸せの味” ポルボロン(スペイン)

“願いが叶う!?幸せの味” ポルボロン(スペイン)
見た目よりも甘すぎず食べやすい(イメージ) ©iStock

●Polvoron
スペイン南部のアンダルシア地方の伝統菓子ポルボロン。古くは修道院で作られており、小麦粉、アーモンドプードル、ラードなどを使って作り、仕上げには粉砂糖をたっぷりとまぶします。ほろほろとした食感と素朴でやさしい味わいが特徴で、クリスマスやお正月の祝い菓子として親しまれています。口に入れてから溶ける前に「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と3回唱えることができれば、幸せになれると信じられています。

“ほんのり苦い大人のお菓子” ティラミス(イタリア)

 “ほんのり苦い大人のお菓子” ティラミス(イタリア)
カプチーノとの相性も抜群(イメージ) ©iStock

●Tiramisu
1960年代の北イタリアで生まれたスイーツ。エスプレッソとリキュールをたっぷりと染み込ませたスポンジに、マスカルポーネチーズと卵黄ベースのザバイオーネを合わせた濃厚なクリームを重ね合わせて作ります。冷やして固めたあとにココアパウダーを振りかけ、ほろ苦く仕上げます。ティラミスの名前はイタリア語で「ティーラ(引っ張る)」「ミ(私)」「スー(上へ)」の3文字の組み合わせ。「私を引っ張り上げて=元気づけて」という意味があります。

“イタリアのアイスといえばこれ” ジェラート(イタリア)

“イタリアのアイスといえばこれ” ジェラート(イタリア)
旬のフルーツやチョコレート、ミルクなどフレーバーはいろいろ(イメージ) ©iStock

●Gelato
イタリア語で「凍った」を意味するジェラートは、イタリアにおける氷菓子の総称。新鮮なフルーツやミルク、ときには野菜やハーブなどを混ぜて作られ、本場イタリアには600近い種類があります。イタリアのローマを舞台とした映画『ローマの休日』でオードリー・ヘプバーンが食べているジェラートは、テルミニ駅近くにある「パラッツォ・デル・フレッド/Palazzo del Freddo」のもの。同店は世界で一番古いジェラテリアといわれています。

“優雅なティータイムに欠かせない” スコーン(イギリス)

“優雅なティータイムに欠かせない” スコーン(イギリス)
ふんわりサクッとした食感がGood(イメージ) ©iStock

●Scone
イギリスのティータイムに欠かせないスコーンは、19世紀のスコットランドを発祥とするパン菓子です。もともとは上流階級がアフタヌーンティーで食べるパンとして流行しました。ベーキングパウダーで膨らんだ生地を、オーブンで表面がカリッとなるまで焼き上げて完成。ほんのり塩味があり、中はやわらかくしっとりとしているのが特徴。イギリスではナイフは使わず、手でちぎって食べるのが一般的です。ジャムやバター、クリームを塗っていただきます!

“サクサク生地の甘い菓子パン” デニッシュペストリー(デンマーク)

“サクサク生地の甘い菓子パン” デニッシュペストリー(デンマーク)
デンマークの朝食といえばペストリーで決まり!(イメージ) ©iStock

●Danish Pastry
薄く引き延ばしたパン生地にたっぷりのバターを何層にも織り込み、トッピングとしてチョコレートやフルーツジャムをのせて焼き上げる菓子パンです。デンマークの定番として知られますが、現地では「ヴィナーブロード(ウィーンのパン)」と呼ばれています。一説によると、オーストリアのウィーンが発祥で、その後デンマーク国内全体に広まっていったといわれます。

“春を告げる伝統のお菓子” セムラ(スウェーデン)

“春を告げる伝統のお菓子” セムラ(スウェーデン)
店によっては通年メニューに出しているところも(イメージ) ©iStock

●Semla
ショウガ科の香辛料カルダモンを混ぜたパンでたっぷりの生クリームをサンドした、スウェーデンの伝統スイーツ。甘さとちょっぴりスパイシーなアクセントが利いており、大人から子供まで大人気です。元々は復活祭(イースター)の45日前の謝肉祭に食べられたものとされ、現在は春の到来を祝うスイーツとして親しまれています。スウェーデンではお茶の時間のことを「フィーカFika」と呼んでとても大事にしていますが、そのフィーカのお供として欠かせないのが、このセムラなのです。

“日本でもおなじみの味” ベルギーワッフル(ベルギー)

“日本でもおなじみの味” ベルギーワッフル(ベルギー)
ベリーやチョコレートをトッピングして食べよう(イメージ) ©iStock

●Belgian Waffle
格子状の凹凸模様がかわいらしいワッフル。本場ベルギーでは、軽くてふわふわなブリュッセルタイプと、表面にパールシュガーをまぶしジャリッとした食感が楽しいリエージュタイプの2種類があります。ワッフルのルーツは古代ギリシア時代へと遡り、もともとは薄くて堅いゴーフレットのようなものであったとされます。17世紀のベルギーで、ビール酵母を使って生地を膨らませるレシピが考案され、ふんわり生地のワッフルになったといわれます。

“クセになるもっちりスイーツ” ロクム(トルコ)

“クセになるもっちりスイーツ” ロクム(トルコ)
マーケットなどでも販売しており、おみやげとしても人気(イメージ) ©iStock

●Lokum
「喉の癒し」を意味するアラビア語が由来のロクムは、もちっとした食感の甘いキューブ型のお菓子。英語では「ターキッシュ・デライト(トルコ人の喜び)」と訳され広く知られています。デンプンと砂糖を混ぜた生地の中にナッツや果汁、チョコレートなどを入れ、味も大きさもさまざま。ルーツは15世紀のオスマン帝国時代。皇帝が菓子職人に命じて作らせたのがはじまりとされていて、以降、宮廷ではよく出されるようになったとか。

“NZの家庭の味” パブロバ(ニュージーランド)

“NZの家庭の味” パブロバ(ニュージーランド)
記念日にお母さんが作る家庭の味(イメージ) ©iStock

●Pavlova
クリスマスや誕生日など、特別な日によく食べられるニュージーランドの伝統菓子。メレンゲの土台に生クリームをとフルーツをトッピングします。1926年にロシア人バレリーナ、アンナ・パブロバがオセアニアを訪問した際に考案されたのがはじまりとされますが、いつしかオーストラリアと発祥の地論争が繰り広げられることに。その後、最古のレシピがニュージーランドで見つかったため、元祖はニュージーランドとなっています。

“丸いわっかの王道スイーツ” ドーナツ(アメリカ)

“丸いわっかの王道スイーツ” ドーナツ(アメリカ)
カラフルなドーナツは、SNS映えも抜群!(イメージ) ©iStock

●Donut
ドーナツと聞けば、誰もが想像するリング状のあの形。しかし、ドーナツのルーツとされるのは、オランダ生まれのクルミ入りの揚げ菓子で、もともとは真ん中に穴はなかったそう。穴があいたのはアメリカに伝わってからとされますが、なぜそうなったのかは諸説あり、アメリカではクルミが手に入らないから真ん中に穴をあけたとか、放った矢が真ん中に命中して穴があいたなど……。いろいろ想像してみるのもおもしろいですね。

“ゴマ香るまんまるお菓子” チーマーチュウ(中国)

“ゴマ香るまんまるお菓子” チーマーチュウ(中国)
アツアツのままほおばるのがおすすめ(イメージ) ©iStock

●芝麻球
日本ではゴマ団子、中華団子と呼ばれるチーマーチュウ。作り方は黒ゴマとゴマ油を混ぜ込んだ小豆あんを白玉だんごで包んでまるめ、表面に白ゴマをまんべんなくまぶし付けて油でこんがりキツネ色になるまで揚げます。旧暦で新年のお祝いをする中国。春節の最終日すなわち新年最初の満月の夜である「元宵節」に、チーマーチュウをはじめとする満月の形をした丸いお餅をお供えし、一家団欒の願いを込めて食べる風習があります。

TEXT: グルーポ・ピコ
PHOTO: iStock

※当記事は、2020年4月3日現在のものです。

筆者

地球の歩き方書籍編集部

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