ソリアのミシュランレストランでトリュフ尽くしコースに舌鼓

公開日 : 2022年05月30日
最終更新 :

このニュース&レポートで4月1日15日にスペインのソリア産トリュフについて私が書いた記事が公開されていますが、今回はその最終章として実際に味わったトリュフ尽くしのコースのことをお話しします。

トリュフをふんだんに使った特別コースメニュー

トリュフをふんだんに使った特別コースメニュー
コンテストで3位に輝いた“ゴールドブラックリゾット”

カスティーヤ・イ・レオン州の東端に位置するソリア県はトリュフ栽培に力を入れていて、自慢のトリュフを観光や食文化を通してプロモーションしています。もっともトリュフが旬なシーズンにはSORIA&TRUFAという企画があり、複数のレストランでトリュフ尽くしの特別コースメニューを提供。地元の人に限らず、他県や他州からもこれを目当てにやってくる人が大勢いるそうです。

今年は2月と3月にソリア県内計18軒のレストランが参加。私はベルランガ・デ・ドゥエロという小さな町とソリア市内の2軒で前菜からデザートまでトリュフを使ったコースメニューを堪能するという贅沢をしてまいりました。

注目の若手シェフのミシュランレストラン

注目の若手シェフのミシュランレストラン
左がオスカル。右は今年国際トリュフコンクール3位入賞のシェフ

ソリア市内で行ったレストランはミシュラン一つ星を持つBALUARTE(バルアルテ)です。ソリア郊外出身のオスカル・ガルシア・マリーナシェフが2008年に開きました。オスカルは2013年にはカスティーヤ・イ・レオン州の最優秀シェフ、経済紙Expansiónでは注目のスペイン若手シェフベスト20にも選ばれた腕利きの料理人。地元の産物であるキノコ、特にトリュフの扱いに長けているとの評価を得ています。2016年にはじめてのミシュランの星を獲得しました。

トリュフはいろんな食材と相性がいい

トリュフはいろんな食材と相性がいい
レストランは昔の貴族のお屋敷を改装した建物に入っている

さて、このバルアルテのトリュフコースは、9皿の料理と2皿のデザートから構成されていました。もちろんすべてにソリア産のトリュフが使われています。

食べ慣れないトリュフなので、合わせる料理というとパスタやリゾット、目玉焼きくらいしか思い浮かばなかったのですが、トリュフ尽くしのコースを食べているとイカ墨や鱒など意外な組み合わせもあります。それでやっと「トリュフっていろんな食材と相性がいい」ということに気付きました

コンテスト3位入賞のリゾットも堪能

コンテスト3位入賞のリゾットも堪能

では、バルアルテで食べた料理をいくつかをご紹介しましょう。

すぐ上の写真の真っ黒な一品は、日本語だとアクイロウスタケというキノコにイカ墨がかかったものです。存在感のあるトリュフが使われていました。なんとなくトリュフは山の幸に合わせるものだと思っていたのですが、海の幸にも合うのですね。

これは地元のキノコ類を使ったポタージュ。やさしい味でトリュフの風味も良く、とてもおいしかったです。

私が食事に行ったのは国際トリュフ料理コンテストの前日で、バルアルテの厨房ではオスカルと一緒にコンテストに出場するイタリア人シェフが働いていました。この記事の2枚目にある写真はコースの9皿めで、その名も“ゴールドブラックリゾット”。翌日のコンテストで3位に輝いた貴重な一品です。お米への火の通り具合もすばらしく、さすがはミシュラン店!と思いました。

2皿あったデザートで、私の好みだったのがこちら。栗のクリームに紅茶のアイスクリーム。下に敷いてあるクリームはトリュフ風味です。ハーモニーが最高でした。

トリュフコースメニューは非常にコスパ良し

トリュフコースメニューは非常にコスパ良し
シックで上品な雰囲気の店内

最後にこのコースの値段ですが、飲み物別で78ユーロでした。ミシュランレストランで、トリュフ尽くしでこの値段!?と驚きました。前日に行った郊外のレストランも68ユーロでした。この安さはソリアという土地柄もあるのでしょうね。遠方からわざわざ食べに来る人がいることにうなずけます。

マドリードからソリア市内まではバスで2時間半の距離なので、日帰りだって可能です。トリュフが旬のシーズンにスペインにお越しになる方は、ぜひトリュフ料理を食べにソリアに足を延ばしてみてください。

スペイン政府観光局ソリア案内
URL:https://www.spain.info/ja/mokuteki/soria/

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※当記事は、2022年5月1日現在のものです

スペイン・バレンシア特派員 田川 敬子/地球の歩き方編集部

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年4月1日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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