海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP >ニュース&レポート >グルメ >日本 >九州 >長崎 >教会群観光にプラス!五島列島の歴史をもっと深く知る旅 (長崎県)

教会群観光にプラス!五島列島の歴史をもっと深く知る旅 (長崎県)

2018年05月27日

五島福江ゆきのプロペラ機

 世界遺産登録を目指す教会群がある五島列島。教会以外にも見所がたくさんあります。五島は私にとって、長崎国際テレビのアナウンサー時代に何度も訪れた思い出の地。そこで今回は、五島列島の中心・下五島の五島市福江地区で見つけた島の歴史にまつわるスポットを紹介します。まず、五島を訪ねるなら夕方がオススメ。

福岡空港からプロペラ機の旅 最終便限定の五島名物がお出迎え

オレンジ色の五島灘に浮かぶ島影

 動き出したプロペラ機は順調に滑走路で速度を上げ、浮き上がりました。約20分後、待ち受けていたのは、夕陽に染まる五島灘です。実は五島市では毎年8月に「夕やけマラソン」が開催されるほど、夕陽を名物の一つにあげています。本当なら一刻も早く、目的地に向かいたいところですが、ここはあえて最終便のプロペラ機を選んでください。

 席は進行方向に向かって右側。オレンジ色の海に浮かぶ島影が楽しめます。寝ている暇などありませんよ!何せ、福岡~五島福江は所要時間が40分。このうち、五島列島が視界に入っている時間は15分程度でしょうか。瞬きすらもったいなく、「所要時間がのびてもいいので、もう1周してください」と、パイロットにお願いしたいと思うほどの眺め!

 上空から楽しめる、離島ならではの光景が訪れた人への歓迎のプレゼントなのです。

島影が近づくたび胸が高鳴る
五島の玄関 五島福江空港


■五島福江空港
・住所:〒853-0013 長崎県五島市上大津町2183
・URL: http://www.fukuekuko.jp/

牛肉も名物・潮風が育んだ「五島牛」夕食はこれで決まり!魚介類もお忘れなく

ほどよい歯ごたえと豊かな味わいの五島牛

 離島だから魚介類だけ、と思われるかもしれませんが、実は五島は牛の名産地。各方面から高い評価を受けているのが「五島牛」です。その歴史は古く、国内最古の牛にまつわる遺跡からの発掘品があるほどです。気になる味は…やわらかすぎず、硬すぎず。ほどよい噛みごたえがあり、しっかりとした味が口の中に広がります。五島牛が食(は)んできたのは、潮風に吹かれた牧草だとか。

 もちろん、魚介類も自慢です。対馬暖流と世界有数の大陸棚がある東シナ海は、屈指の漁場です。「一度でいいから五島列島で糸を垂れたい」という釣り人もいるほど。イカ、ウニ、マグロ、ブリ、キビナゴなど四季を通じてさまざまな海の幸を楽しめるのも最良の漁場のそばにある島だからです。歯ごたえがしっかりした刺身をいただき、焼酎の水割りもグイグイと進みました。

歯ごたえしっかりの鯛やイサキの刺身


■カンパーナホテル
・住所:〒853-0015 長崎県五島市東浜町1-1-1
・URL: http://campanahotel.com/

街中に石垣が残る「石田城」国内で最後に築城…つまり最も新しい城

趣のある石垣に囲まれた石田城

 五島市福江地区を散策していると、石垣が目立ちます。かつて福江は離島では珍しい城下町だった名残です。築城されたのは幕末の1863(文久3)年、つまり約150年前のこと。黒船の来航に備えたものだそうで、国内で最後、つまり最も新しい城だといわれています。

 完成した当時は、三方が東シナ海に囲まれた、国内唯一の海城でした。現在、本丸などは姿を消しましたが、図書館や博物館、さらに、県立五島高校が建っています。石垣のそばを生徒が歩き、立派な門をくぐる姿も。私が訪れたのはしとしとと雨が降る日。濡れた石垣を見つめていると、ふと、当時の武士が声をかけてきそうな、そんなたたずまいでした。

立派な門をくぐると、そこはもう江戸時代?
味わい深い石垣を眺めていると…
本丸跡にある五島高校 生徒はこの門をくぐり登校


■石田城(福江城)
・住所:〒853-0007 長崎県五島市池田町1-2
・URL: http://goto.nagasaki-tabinet.com/spot/348/

六角形の井戸が住宅街に突如現る 明国が通商を求めた歴史の証人

住宅街に今も残る六角井戸

 1540(天文9)年、当時の明国の商人・王直が通商を求め福江に来航、領主の宇久盛定公は黙約を結んで、福江の高台に居住地を与えました。この井戸は福江に来た中国人たちが飲料水や船舶用の水を確保するため、自ら造ったと言われています。金網越しに今も豊かな水をたたえる様子がうかがえます。六角形はその水面まで続いているそうで、この形の筒が地中に埋まっているイメージだとか。

 当時の歴史を伝える証がもう1か所あります。それは「明人堂」。この井戸から歩いて2~3分のところで、王直らが航海の安全を祈ったという「廟堂」の跡地と言われています。東シナ海に囲まれた島ならではの歴史の1ページを垣間見た気がしました。

六角井戸は今も当時と同じく水をたたえている
中国人が航海安全願った廟堂跡にある「明人堂」
中に入ると古そうな石が置かれていた


■六角井戸
・住所:〒853-0006 長崎県五島市江川町
・URL: http://goto.nagasaki-tabinet.com/spot/61927/

オリエンタルエアブリッジ(ORC)で帰路に 長崎のローカル航空も頑張ってます!

ORCの機体を背にした筆者

 長崎県民にはおなじみの「ORC」。ローカル航空会社のオリエンタルエアブリッジです。長崎県は五島をはじめとした離島の数が日本一(594島)。県の本土を結ぶ重要な手段がこのプロペラ機で、長崎と五島、壱岐、対馬、さらに五島と福岡の間を飛んでいます。

 使われているのは「ダッシュ8」というプロペラ機。39席しかありませんが、揺れも少なく快適です。そして、客室乗務員の方がとてもフレンドリー。一般的な飛行機では飲み物のサービスがありますが、ORCで配られたのは「飴」。しかもよく見ると、ORCの機体をモチーフにした金太郎飴風ではありませんか!話を聞くと、客室乗務員の方がアイディアを出し合い発注をしているとのこと。「お好きなだけどうぞ」という言葉に甘えて、3種類いただきました。その他にも、機内誌、うちわなども。素敵なサプライズで、思い出の地への旅を締めくくることができました。

機内で配られた飴には機体が!


■オリエンタルエアブリッジ(ORC)
・住所:〒856-0816 長崎県大村市箕島町593-2(長崎空港内)
・URL: https://www.orc-air.co.jp/

<様々な表情を見せる五島は何度も訪れたくなる>

 思い入れのある地だけに、久々に見た五島灘の夕陽に感激!さらに、訪れた人を身構えず自然体でもてなす、島の皆さんの親しみやすさに癒されました。教会群、遣唐使、グルメ、釣り、自然、伝統行事などなど。本当に魅力あふれるのが五島列島です。また機会があれば、別角度でご紹介したい…そんな思いを強くした旅でした。

記事:西村正行
※本記事は、「日本の歩き方」内、「おでかけガイド」に2015年7月22日に掲載されたものです。

お気に入り

※この記事が気に入った方はクリック

このニュースに関連する他のニュース

アメリカの現地ツアー

おすすめの記事