トランスジェンダーの少女ララが夢見るのは、バレリーナ。ベルギー映画『Girl/ガール 』

公開日 : 2019年06月10日
最終更新 :
ベルギー映画『Girl/ガール 』
ベルギー映画『Girl/ガール 』

「Girl/ガール」は、2009 年にベルギーの新聞に掲載されたバレリーナになるために奮闘するトランスジェンダーの少女の記事に心を動かされたルーカス・ドンが、必ず彼女を題材にした映画を撮る、という強い思いからアプローチを重ね、約9年の歳月を経て誕生した映画です。“性別を超越した美しさ”と絶賛された主演は、現役のトップダンサー。、今世界が最も注目する新鋭監督の映画『Girl/ガール 』は、7月5日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、 Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショーです。

『Girl/ガール 』ストーリー

『Girl/ガール 』ストーリー
『Girl/ガール 』ストーリー

【ストーリー】
15歳のララの夢はバレリーナになること。

しかしそれは簡単なことではなかった。彼女は男の体に生まれてきたから。

それでも強い意志と才能、娘の夢を全力で応援してくれる父に支えられ、難関のバレエ学校への入学を認められる。

夢の実現のためララは毎日厳しいレッスンを受け、血のにじむような努力を重ねていく――
だが、初めての舞台公演が迫る中、ライバルから向けられる心ない嫉妬、思春期の身体の変化により思い通りに動けなくなることへの焦りが、徐々に彼女の心と体を追い詰めていく――

夢に向かって刹那的に今を生きるララと今にも壊れてしまいそうな娘を必死に支える父。

交錯した2人の想いがたどりつくエモーショナルなクライマックスが観るものの心を激しく揺さぶり、そしてその先に待つ光輝くラストに涙が溢れる――

という、実在するトランジェンダーでバレリーナの少女をモデルにしたストーリー。

主演は本作がデビューの現役トップダンサーのビクトール・ポルスター

主演は本作がデビューの現役トップダンサーのビクトール・ポルスター
現役トップダンサーのビクトール・ポルスター

■ビクトール・ポルスター 略歴
2002 年ベルギー・ブリュッセル生まれ。幼少期に演劇クラスに通ったのち、バレエの道に進むことを決意。ベルギーのアントウェルペンにあるロイヤル・バレエ学校に入学。ギリシャのバンド、ベガスのミュージックビデオに出演後、ロイヤル・フランダース・バレエ団と、ディオールからのオファーを受ける。また、数々のダンスコンペティションでも優れた成績を残す。 本作が映画デビューとなる。

主人公となるララ役を探すのに”苦労することになる”と思っていたと語るルーカス・ドン監督。500人もの若者が集まったオーディションでも、演技力とダンス技術を持つ人がみつからなかったところに、奇跡のようにララのクラスメート役のオーディションに彗星のように登場したというビクトール。

「彼はまるで天使のようだったよ。彼の踊りを見て、僕は『彼しかいない』と確信したんだ」。と語っています。

LGBTQ キャラクターをめぐる ハリウッド論争

LGBTQ キャラクターをめぐる ハリウッド論争

ここ数年、ハリウッドを中心としたエンタメ界で LGBTQ に関する議論が活発化しています。とくに、トランスジェンダー役をシスジェンダー(身体的性別と性同一性が一致している人)の俳優が演じることに対する意見の相違が、大炎上の発端となっている。本作もトランスジェンダーの主人公をシスの少年が演じていることで、トランスジェンダーや一部批評家たちから強い非難を浴びせられ、監督のルーカス・ドンに批判の矛先が向けられました。

しかし、これに対して『ガール』のモデルとなったノラ・モンセクールは、米インディワイヤーにこう語っています。

「私の物語は、シスジェンダーの監督が生み出したファンタジーなんかじゃない。ララの物語は私の物語なの」。「ドン監督は人間として私に大いなる興味を抱いてくれたの。トランジェンダーであることはもちろんだけど、それ以上にダンサーとしての私、そして私の人生について知りたいと思ってくれた。トランスジェンダーとしての私よりも、一人の人間としての私を気にかけてくれる人がいるというのは、とても嬉しかったわ」。

そして配役に関しては「ルーカスには最初に、『演じる俳優が男性でも女性でもトランスジェンダーでもレズビアンでもゲイでも私は構わない』と言ったの。ララを演じる人が愛にあふれ、役に感情移入ができて、ダンスが上手であることが私にとって重要だった」。そして実際にララ役に決まったビクトール・ポルスターと会ったとき、「私は彼を“トランス役を演じる男優”だとは思わなかった。それよりもこの役に息吹を吹き込む、私の物語を尊敬をもって語ってくれる唯一の人だと思ったの」

公開情報

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15 歳にして「本当の自分自身でいること」を選び生きていく。そんなヒロイン、ララ。全力で支えてくれる父のため、そして自身の夢のために― イノセントな彼女がたどり着く、 映画史上最も鮮烈でエモーショナルなクライマックスを見届けてください。

■『Girl/ガール 』
7月5日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、 Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー
URL:http://girl-movie.com/
配給:クロックワークス、STAR CHANNEL MOVIES
© Menuet 2018

筆者

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