ピーター・ラビット好き必読!イギリス湖水地方お手軽周遊ガイド

公開日 : 2015年09月17日
最終更新 :
ニア・ソーリー村内
ニア・ソーリー村内

イングランドの中でも高い人気を誇る湖水地方。国立公園の面積としてもイギリス最大級で、夏を中心に多くの観光客で賑わいます。文学の舞台としても有名で、ロマン派の詩人ウイリアム・ワーズワースはその生涯をここ湖水地方で送り、『ピーター・ラビット』の作者ビクトリアス・ポターは、16歳の時に湖水地方を家族で訪れて以来、77歳で亡くなるまでこの地を愛しました。国立公園内は小さな村々が点在し、見所も満載! 今回はピーター・ラビット・ファンための、お手軽周遊コースを紹介します。

湖水地方の玄関口、ウィンダミア

湖水地方の玄関口、ウィンダミア
オクセンホルム・レイク・ディストリクト駅

湖水地方の玄関口はウィンダミアです。ロンドンから北上して湖水地方にアクセスする時や、エジンバラなどスコットランド方面から南下する際は、幹線鉄道上にあるオクセンホルム・レイク・ディストリクト駅から列車を乗り換え、ローカル線でウィンダミア駅に入ります。


ウィンダミア駅
ウィンダミア駅

ウィンダミア駅前からは各方面にバスが出ています。駅のすぐ隣には大きなスーパーマーケットもあり便利です。バス乗り場には、切符売りの係員がいるため、その人に行き先を告げ切符を購入しましょう。いない場合はバスの運転手から購入します。駅前を出発した後、バスはウィンダミアの街中を通りボウネスへ向かうため、途中からの乗車も可能です。

今回は「ウィンダミア~ボウネス~ニア・ソーリー(ヒル・トップ)~ホークスヘッド」と、ピーター・ラビットの聖地を巡る予定ですから、ボウネス方面のバスに乗り込みます。

ウィンダミアの街中
ウィンダミアの街中

ボウネスの町には「ビクトリアス・ポターの世界」という、ビクトリアス・ポターにより書かれた物語のシーンを再現した施設があります。まずここを訪れても良いですが、ニア・ソーリーにあるビクトリアス・ポターの家(ヒル・トップ)は入場制限があり、そちらを優先するため、往路は直接ウィンダミア湖のフェリー埠頭・ボウネス・ピアへ向かいます。

ボウネス・ピア

ボウネス・ピア
ボウネス・ピアとウィンダミア湖

ボウネス・ピアからはウォーターヘッドへ北上する航路と、レイクサイドへ南下する航路、そしてニア・ソーリー方面に湖をフェリー・ハウスという場所まで横切る3航路あります。ニア・ソーリーへ向けて進むため、ここではフェリー・ハウス(ニア・ソーリー方面)行きの切符を買いましょう。

ボウネス・ピアに停泊する船
ボウネス・ピアに停泊する船

ボウネス・ピアからは10分でフェリー・ハウスに到着します。埠頭にはニア・ソーリー方面へ行くバスが止まっているため、これに乗り込みます。バスに揺られながらしばらく行くと、ニア・ソーリーに到着です。

まずはヒル・トップのチケット売り場へ

まずはヒル・トップのチケット売り場へ
ヒル・トップのチケット売り場

村に着いたら、まずヒル・トップの入場券を求めにチケット売り場へ。売り場はヒル・トップ内にあるのではなく、離れた場所にあるため注意が必要です。チケットは時間指定制。その時間になったらヒル・トップへ行き、館内を見学します。

ヒル・トップ館内入口
ヒル・トップ館内入口

ビクトリアス・ポターは77歳で生涯を終えるまで、ここヒル・トップに住んでいました。建物内は生前の様子そのままに、家具や絵などが保存されています。日本語で書かれた説明も置いてあるため、英語がわからなくても詳細を知ることができます。日本人の解説員がいる時もあり、いろいろ教えてくれます。

バックルイート
バックルイート

村内はヒル・トップの他にも、道路沿いに見所が並んでいます。『こねこのトムのおはなし』に登場する石垣と木戸や、『あひるのジマイマのおはなし』に出てくるパブ、タワー・バンク・アームス、『こねこのトムのおはなし』『パイがふたつあったおはなし』のモデルとなったコテージ、バックルイートなど、物語を読んだことがある人には見覚えある風景が連なります。


村内の郵便ポスト
村内の郵便ポスト

ニア・ソーリーの村を堪能したら、バスでホークスヘッドへ向かいます。バス停は、行きにフェリー・ハウスから着いた時と同じ、タワー・バンクス・アーム近くです。

ホークスヘッドも大きな町ではありません。町のバス停から真っ直ぐ先にあるのがホークスヘッド・グラマースクール。町の中へ入っていくと、ビクトリアス・ポター・ギャラリーやセント・マイケル・アンド・オール・エンジェルス教会があります。

ニア・ソーリーの村の次はホークスヘッドへ

ニア・ソーリーの村の次はホークスヘッドへ
ホークスヘッド・グラマースクール

ちなみにグラマー・スクールとは当時のエリート養成校。ラテン語、ギリシャ語、科学などを教えていました。時間割は夏の場合、朝6時から11時、昼の休憩を挟んで13時から17時まで、冬は朝7時から11時、そして3時半から16時だったそうです。夏は1日9時間、冬は7時間半も授業があります! また学生(もちろん未成年)は、喫煙や飲酒、闘鶏などを嗜んだといいます。今回はピーター・ラビットを巡るコースですが、ワーズワースも通ったこのグラマースクールに立ち寄っても、興味深いと思います。

学校内
学校内

ホークスヘッドの町を回ったら、今来た道を戻り、ボウネスにあるビクトリアス・ポターの世界を見学しましょう。すでに見終わっているなら505番のバスで、ホークスヘッドからウィンダミアまで直接戻ることもできます。

これら行程は1日あればこなせます。『地球の歩き方 湖水地方&スコットランド』でも紹介しているこのコース、湖水地方巡りの1つの目安にしてみてはいかがでしょうか。


筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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