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家族をひとつにしてくれたのは、骨になった母でした。沖縄、粟国島に残る風習を映画化『洗骨』

2019年02月05日

沖縄に残る風習を映画化した『洗骨』

最愛の人を失くすのは誰しも悲しい。しかし数年後、その人にもう一度会える神秘的な風習、それが“洗骨”です。死者の骨を洗い、祖先から受け継がれた命の繋がりを感じる沖縄の粟国島に古くから伝わる伝統的な儀式。短編映画祭で絶賛を受けた、照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督の短編映画『born、bone、墓音。』を原案に、長編映画として新たに生まれた『洗骨』は、2019 年1月18日(金)より シネマ Q、シネマライカム、ミハマ 7 プレックス、 サザンプレックスにて沖縄先行公開、2月9日(土)より丸の内 TOEI 他全国公開。新城優子役を演じた主演女優、水崎綾女さんのインタビューも交え、レポートします。

『洗骨』ストーリー

『洗骨』ストーリー
新城信綱役には、奥田瑛二さん

【ストーリー】
洗骨───。
今はほとんど見なくなったその風習だが、沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っているとされる。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになる。

沖縄の離島、粟国島・粟国村に住む新城家。長男の新城剛(筒井道隆)は、母・恵美子(筒井真理子)の“洗骨”のために、4年ぶりに故郷・粟国島に戻ってきた。

実家には、剛の父・信綱(奥田瑛二)がひとりで住んでいる。生活は荒れており、恵美子の死をきっかけにやめたはずのお酒も隠れて飲んでいる始末。そこへ、名古屋で美容師として活躍している長女・優子(水崎綾女)も帰って来るが、優子の様子に家族一同驚きを隠せない。様々な人生の苦労とそれぞれの思いを抱え、家族が一つになるはずの“洗骨”の儀式まであと数日、果たして 彼らは家族の絆を取り戻せるのだろうか?

というストーリーです。

■ 洗骨 (せんこつ)
URL:http://senkotsu-movie.com/
2019年1月18日(金)よりシネマQ、シネマライカム、ミハマ7プレックス、サザンプレックスにて沖縄先行公開/2019年2月9日(土)より丸の内TOEI他全国公開
©『洗骨』製作委員会 
配給:ファントム・フィルム

奥田瑛二
筒井道隆 水崎綾女 / 大島蓉子 坂本あきら
山城智二 前原エリ 内間敢大 外間心絢 
城間祐司 普久原明 福田加奈子 古謝美佐子
鈴木Q太郎 筒井真理子

監督・脚本:照屋年之
音楽:佐原一哉
主題歌:「童神」(歌:古謝美佐子)

『洗骨』の舞台となった、粟国島ってどんなとこ?

粟国島ってどんなとこ?

粟国島は、沖縄本島の那覇から北西約60kmの海上に位置する、面積7.65km、周囲12.8kmの小さな島です。島の南側には、ダイビングスポットとして海外からの観光客にも話題の慶良間諸島、島の海岸から天気が良ければ見える距離には、渡名喜島(となきじま)があります。島の主な産業は農業で、サトウキビやもちきびなどの生産のほか、製塩業、黒毛和種牛(子牛)の生産も盛んです。かつて粟国島の由来にもなった、”粟”(あわ)の産地として知られ、また、過去に植えられた染料にもなるソテツが多く残っているため、「ソテツの島」という別名もあります。

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『洗骨』とは

骨を海水や酒などで洗い、再度埋葬する葬制

洗骨とは、一度土葬あるいは風葬を行い遺体が骨となった後、その骨を海水や酒などで洗い、再度埋葬する葬制。その風習は全世界で確認され、北米先住民族、アフリカやインド洋諸島、東南アジア、オセアニア
など広く分布、実施されていました。日本では、沖縄県や鹿児島県奄美群島などで、その風習があったとされています。なぜそのような風習を行うのか?死者を一時埋葬しただけでは、死霊のままで子孫の役に立たないどころか病や死をもたらす危険な存在とされ、洗骨によって第2の葬儀をすることにより、子孫に幸福と豊穣をもたらす祖霊となると考えられていたようです。沖縄においては、洗骨される前の遺体、死者は穢れていて神仏の前に出られないので、骨を洗い清めて初めて神仏の前に出られ成仏できる、という信仰が伝わっていた為とされています。

新城優子役「水崎綾女」さんへインタビュー

本作で、島を出て名古屋で美容師として働く長女・優子役を演じた、水崎綾女さんに作品や粟国島の魅力、沖縄のみどころにいたるまで、インタビューをおこないました。

■本作の役作りのこだわりは?

水崎さん「優子は妊婦の役です。過去に何度か妊婦役を演じたことはあったのですが、今までは”妊娠”という状況があまり重要ではなかったことに対し、本作『洗骨』では、わたしの妊娠が家族の重要事項につながるのでとても大事でした」。作品中、父・信綱からの「どうした、その腹は」に対し、「食べ過ぎた」という掛け合いもある優子の妊娠について、「シリコンで妊娠しているように見せているのですが、オフの時もずっとつけていたんです。現地でご飯を食べにいっても本当の妊婦さんに思われて、少なめで注文してもいろいろと大盛りで出てきました(笑)妊婦は栄養とらないとって」と、撮影中のエピソードも披露。

■粟国島には行ったことはありましたか?

水崎さん「粟国島は初めてでした!石垣島や、竹富島には行ったことがあります。那覇は撮影で訪れたことがあります」と沖縄経験について触れ、「那覇市内よりも建物などがないぶん、自然と一体化していて、竜宮城にいるみたいな時間の流れを、粟国島で体感しました」と、最近冬キャンプ趣味に目覚めたという自然好きな水崎さんが粟国島の魅力について披露しました。

沖縄県の郷土料理のひとつ「中身汁」

self [GFDL or CC BY-SA 3.0], from Wikimedia Commons

■水崎さんがおすすめしたい沖縄料理は?

水崎さん「”中身汁”(なかみじる)っていう、ホルモンのスープです!郷土料理なので、沖縄の各家庭やお店の味があるんですが、なかでも那覇に行ったときに訪れた”高良(たから)食堂”さんの中身汁が絶品です!」とおすすめのお店も教えてくれました。水崎さんイチオシの高良食堂は、ゆいレール、県庁前駅から松山公園を目指した先にありますので、実際に訪れて絶品の中身汁をご賞味ください。

・高良食堂
住所:〒900-0031 沖縄県那覇市若狭1-7-10
電話:098-868-6532

洗骨ポスタービジュアルと記念撮影

■照屋監督との撮影について

水崎さん「照屋監督は映画愛がとても深いです。頭で描いているものは細かいけど、1から10まで説明せず、台本読んで受け取った共通認識みたいなものが一致していて、相性が良かったです。巨匠監督みたいにカット数が少なくて、ブレが一切ないです」と、照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督について語りました。現場では、家族構成上の役割とおなじように長男の剛(筒井道隆)と、父・信綱(奥田瑛二)(役作りの上での)板挟みにあっていたという水崎さん。

優子を追いかけて粟国島までやってくる、神山亮司役の鈴木Q太郎さんのコミカルな天然ぶりも和むという本作『洗骨』は、2019 年1月18日(金)より シネマ Q、シネマライカム、ミハマ 7 プレックス、 サザンプレックスにて沖縄先行公開、2月9日(土)より丸の内 TOEI 他全国公開です。

「洗骨」という風習を通して 家族の絆と命のバトンをユーモアと感動で描いた 珠玉のヒューマンドラマ、劇場でご覧ください。

舞台になった粟国島にいこう!

作中の重要なシーンに登場する粟国島のブランコ

『洗骨』の舞台は、物語冒頭のシーンにあるように沖縄県の粟国島。撮影のすべてがおこなわれたわけではありませんが、作中の印象的なシーンの数々が、実際の粟国島に点在しています。映画をご覧になった方は、あのシーンがどこで撮影されたのか?そんな聖地巡礼的な楽しみも合わせて、訪れてみてください。

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粟国島航空写真:Paipateroma [GFDL or CC BY 3.0], from Wikimedia Commons

公開直前試写会舞台挨拶(1/17)

公開直前試写会舞台挨拶(1/17)

第40回モスクワ国際映画祭、上海映画祭、ハワイ映画祭など世界各国の映画祭でも話題を呼んでいる映画『洗骨』の公開直前試写会が2019年1月17日(木)に東京・有楽町の丸の内 TOEI で開催。上映前に照屋監督をはじめ、奥田瑛二さん、筒井道隆さん、水崎綾女さん、坂本あきらさん、鈴木 Q 太郎さん、筒井真理子さん、古謝美佐子さんが登壇しました。

照屋監督は「(洗骨の風習について)3年前まで沖縄出身の僕さえ知らなかったです」と明かし「え? いまのこの時代にミイラ洗ってんの? 怖いな…って最初は思ったけど、話を聞いて、実際の映像を見ると、全く怖くなくて。命を繋いでくれたご先祖にいまの自分があるのを感謝するというとても美しい行為だったので、映画にしたいと思った」と明かし、奥田さんは、これから映画を見る観客を前に「これだ
けは断言します。損はさせません。みなさんを裏切ってみせます! 以上です」と自信満々。

古謝美佐子さんが歌う「童神」

上映終了後、エンドロールが終了すると再度登場した照屋監督とキャスト陣。そして、古謝美佐子さんが三線を手に披露されたのは、主題歌である「童神」。古謝さんの、強い生命力を感じるような力強く美しい歌声が響く渾身のパフォーマンスに場内のお客様のみならず、舞台上でともに聞いていた奥田瑛二さん、水崎綾女さんが思わず涙をぬぐう場面も。

照屋監督は最後に「みんな 100%の自信なんて持てない人がほとんどだと思う。不安やおびえ、コンプレックスを持った人を描きたいと思ってきました。そんなこといっても明日は来るから、一歩を踏み出してみようと映画にしたいと思いました。人に会いたくなる映画になれば」と語り、大きな拍手とあたたかな空気に包まれて舞台挨拶は終了しました。

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