【劇場招待券】ジャーナリスト菅谷明子さんが語る!映画 『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

公開日 : 2019年05月20日
最終更新 :

アメリカ映画界の“生ける伝説”と称されるフレデリック・ワイズマン監督作品! 世界最大級の知の殿堂であるニューヨーク公共図書館の舞台裏に迫った3時間25分の長編ドキュメンタリー映画が5月18日(土)より岩波ホールほか全国順次公開されます。本記事では、同じテーマの著書をもつ在米ジャーナリスト菅谷明子さんが語る図書館や映画の魅力、劇場招待券情報などをお伝えします。

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』について

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』について
ニューヨーク公共図書館本館 @istock

<ニューヨーク公共図書館とは>
ニューヨーク・マンハッタンの中心に本館を構える、壮麗なボザール建築で有名な大型図書館。地球の歩き方ガイドブックにもおすすめの見どころとして掲載している人気スポットで、世界中から訪れる観光客のためにほぼ毎日無料の見学ツアーが開催されています。よく知られている本館に加え、研究目的のために公開されている4つの研究図書館、地域密着型の88の分館をあわせた92の図書館から成っています。

読書室「ローズルーム」(本作品の場面写真より)
読書室「ローズルーム」(本作品の場面写真より)

<どんな映画?>
本作品は、ドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマン監督がこれらの本館・分館で12週間を過ごし、撮影したさまざまなリアルシーンをつなぎあわせて構成されています。利用者からのありとあらゆる質問に答える“人力Google”とも崇められる司書たち、ボランティアスタッフが子どもたちの教育を行う特別プログラム、図書館の未来を考え、予算獲得に奔走する幹部たちの会議、そのすべてのベースに流れるスタッフたちの情熱。3時間25分という長編ながら、シーンを重ねるごとに新たな発見や感動が生まれるドキュメンタリーです。

在米ジャーナリスト菅谷明子さんが、図書館と本作品を語る!

在米ジャーナリスト菅谷明子さんが、図書館と本作品を語る!
在米ジャーナリストの菅谷明子さん

フレデリック・ワイズマン監督と同じくニューヨーク公共図書館の舞台裏に着目して取材を重ね、2003年に著書『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』を出版した在米ジャーナリストの菅谷明子さん。今回、同じテーマの映画が公開されるにあたり、あらためてニューヨーク公共図書館の魅力について語ってくれました。

図書館の利用方法を学ぶ高校生たち(本作品の場面写真より)
図書館の利用方法を学ぶ高校生たち(本作品の場面写真より)

「アメリカの公共図書館は他国と比べて市民サービスが充実していますが、なかでもニューヨーク公共図書館は独自路線を採り、先進的な図書館を目指しています。ニューヨーカーたちは知ることにとっても貪欲ですし、積極的に図書館と関わろう、図書館を利用しようとします。それに応えるスタッフたちもまた、社会的に必要とされていることにやりがいや楽しさを感じ、どうすればより市民生活に貢献できるのかを日々模索しながら働いていますね。ニューヨーク公共図書館には88の地域分館があるのですが、各館、地域に住む人の特性に合わせてサービス内容を変えています。より充実したサービスを追求し、多くの人に知ってもらうために、マーケティングの部署だってあるんですよ。」

ホームレス問題を議論する幹部会議(本作品の場面写真より)
ホームレス問題を議論する幹部会議(本作品の場面写真より)

「ニューヨーク公共図書館は社会問題の解決にも積極的に取り組んでいますね。アメリカ、特にニューヨークは多様性に富む街で、政府など大きな力に身を委ねるより、自分が何を信じ重要視するのか、という個人の価値観が尊重されています。映画でも描かれていたように、民間企業が社会貢献活動の一環として積極的に寄付を行ったり、図書館が社会問題に取り組んだりするのも、この街ではごく自然なことです。」

図書館敷地内の公園で読書をする人々(映画の場面写真より)
図書館敷地内の公園で読書をする人々(映画の場面写真より)

「映画を観ていただくとわかるのですが、ニューヨーク公共図書館は、日本でいうところの市役所、区役所、児童センター、ハローワーク、文化施設などの一部機能もあわせもっています。市の中心部にあって夜まで開館しているため、ニューヨーカーに重宝されています。さらに、図書館自身を「人が集まる場」として演出することにも長けていて、映画にも出てきたようなコンサートや、講演会、上映会などが日常的に催されています。支援者向けに、婚活的なイベント企画だってあるんですよ。」

返却された本が、定位置へと戻されます(本作品の場面写真より)
返却された本が、定位置へと戻されます(本作品の場面写真より)

「市民だけでなく、旅行者のみなさんも図書館を楽しむことができます。最も有名なのは、ほぼ毎日開催されている本館の建築ツアー。そのほか、リンカーンセンターの舞台芸術図書館に行ってみるのもおすすめです。コレクションが面白いのは言うまでもなく、有名アーティストもよく来るので、もしかすると館内で会えるかもしれませんよ。一般に開放されているコンサートなどもありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。」

菅谷 明子(すがや あきこ)
在米ジャーナリスト、ハーバード大学財団役員。米ニュース雑誌「Newsweek」日本版、経済産業研究所を経て、ハーバード大学フェローとしてメディア・イノベーションとジャーナリズム、創作文芸における表現の可能性等を研究。2014年ハーバード大学ニーマン・ジャーナリズム財団役員就任。NYコロンビア大学院修了、東京大学博士課程満期退学。主著に『未来をつくる図書館 ~ニューヨークからの報告』『メディア・リテラシー ―世界の現場から―』(ともに岩波新書)Twitter@AkikoSugaya

劇場招待券プレゼントのお知らせ

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全国共通特別鑑賞券を抽選でプレゼント!

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』2019年5月18日(土)より岩波ホールほか全国順次公開を記念して、この記事をご覧いただいた方の中から抽選で2組4名様をご招待!この記事の「お気に入り」をクリック、タップしてからご応募ください。

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※応募期間:2019年5月20日(月)~6月5日(水)
※ご当選者の発表は招待券の発送をもって代えさせていただきます。

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≪作品データ≫
監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン 
原題:Ex Libris - The New York Public Library|2017|アメリカ|3時間25分|DCP|カラー
配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ
© 2017 EX LIBRIS Films LLC – All Rights Reserved
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地球の歩き方編集部 保理江ゆり

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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