フィンランド政府観光局が港区で開催するイベント「Happy Day in Finland」に先駆けてインタビューを公開!

公開日 : 2020年11月01日
最終更新 :
フィンランドのヴァッリサーリ島(Vallisaari) ©Visit Finland
フィンランドのヴァッリサーリ島(Vallisaari) ©Visit Finland

Visit Finland(フィンランド政府観光局)は、東京都港区にある駐日フィンランド大使館敷地内にオープンした「メッツァ・パビリオン」で、フィンランドの夏休みのアクティビティを体験できるイベント「Happy Day in Finland」を開催します。2020年11月21日(土)と22日(日)の開催で、入場に関する抽選は公式ウェブサイトで11月6日(金)まで受付中です。イベントに先駆けて、Visit Finlandのエーヴァカイサさんとハピネス・ガイドのユッカさんにオンラインでインタビューしました。

Visit Finlandのエーヴァカイサさん

Visit Finlandのエーヴァカイサさん
エーヴァカイサさん ©Visit Finland

本イベントを担当するVisit Finlandのエーヴァカイサ・モルサ(Evakaisa Mölsä)さんは、「Happy Day in Finland」のおすすめポイントやフィンランドの幸せの秘訣について語ってくれました。

●「Happy Day in Finland」はとても興味深い取り組みです。この企画はどのような思いから生まれたのですか? また、見どころはどこですか?

「“自由な海外旅行がかなわない今、フィンランドを部分的にでも日本に持ってこよう”というのが最初のきっかけでした。飛行機に乗らずにフィンランドの夏休みを日本の皆さんに体験していただこうというのがコンセプトで、フィンランドのいくつかの地域をコーナーに分けて巡っていただき、それぞれに五感で体験できる多様なアクティビティを用意しています。
フィンランドの夏の日照時間は、日によってはほぼ24時間太陽が出ているくらい、とても長いものです。よって、一日中さまざまなアクティビティができるというところが、フィンランドの夏のすてきなところだと思っています」

フィンランドのサウナ ©Visit Finland
フィンランドのサウナ ©Visit Finland

「おすすめは、例えばサウナのアクティビティ。こちらは湖水地方(レイクランド)のコーナーのアクティビティのひとつです。日本でもトレンドになってきていると思いますが、フィンランド人にとってサウナは生活の一部です。本イベントでも、実際に火を入れることはできないのですが本物そっくりに造られたサウナ・ショールームを展示しています。
また、フィンランドのサウナでは直接座ると熱いので、ラウデリーナ(Laudeliina)というサウナリネンをお尻の下に敷きます。そのリネンに記念のスタンプを押して“マイサウナシート”としておみやげとして持ち帰っていただくアクティビティを用意しています。次にフィンランドに来たときに、ぜひそのサウナシートを使っていただきたいです」

リトルミイとムーミン Photographer:Katja Lösönen
リトルミイとムーミン Photographer:Katja Lösönen

「地方ごとのハイライトで言うと、群島エリア(アーキペラゴ)があります。そのエリアには、ムーミンワールドがあるので、本イベントにはムーミンのアクティビティを用意しています。登場キャラクターのリトルミイと一緒にエクササイズができるコーナーです。

そして花冠を作るというのもフィンランドらしいアクティビティのひとつです。夏至祭という夏のお祭りがあり、夏至で一番外が明るくなるときに花冠を作ってお祝いする文化があります。メッツァ・パビリオンで花冠を実際に作るアクティビティを用意しています。

フィンランド人は編み物や指を動かすハンドクラフトがすごく好きなのですが、ヘルシンキのコーナーには、それを実際に体験できるアクティビティを設けます。今回実際に皆さんが指編みしたものを、2021年のヘルシンキビエンナーレというアートの祭典にインスタレーションの一部として出品する予定です」

ヘルシンキの自転車 ©Visit Finland
ヘルシンキの自転車 ©Visit Finland

「そしてフィンランドの自転車ブランド、ヨポ。ヘルシンキの町の特徴は、町自体がとても小さいので自転車や徒歩でいろいろなところに行けるところ。サステイナブルな移動方法としても多くの方が利用しています。本イベントでは、実際にヨポの自転車に乗っていただくコーナーがあります。
食に興味がある方だったら、ライ麦パンやベリーのジュースを体験できるアクティビティもありますし、皆さんお気に入りのアクティビティを見つけていただければと思います。また、ユッカさんをはじめ、ハピネス・ガイドに質問ができるライブセッションもおすすめです」

自然豊かなフィンランド ©Visit Finland
自然豊かなフィンランド ©Visit Finland

●フィンランドは国民の幸福度が高い国として知られます。幸福度が高くなる秘訣はどういったところにあると思いますか?

「幸せの秘訣というと大層なものに思われがちですが、実はまったく特別なことはなく、毎日の小さな出来事から幸せを感じているのです。フィンランド人は、地に足がしっかりついているような気質の人、性格が落ち着いている人が多いです。
また、日常生活では自然が大好きです。自然のなかで過ごすことで幸せを感じる人が多くいます。森のなかで歩いたり、サウナに入ったり、自転車で町を散策したり、カフェテリアで友人と話したり……そういった毎日の習慣、シンプルなデイリールーティンから幸せを見つけるのが上手な国民なのだと思います」

サウナやスパがついたホテルも ©Visit Finland
サウナやスパがついたホテルも ©Visit Finland

●観光目的の渡航が可能になったら訪れてほしい、フィンランドのおすすめスポットや体験はありますか?

「おすすめのアクティビティはたくさんありますよ。
フィンランドには、湖のサマーコテージで過ごす文化があります。湖水地方の湖の数は18万8000ほど。サマーコテージも多くあり、サウナが湖の近くに建っていて、サウナで体を温めて湖にドボンと飛び込むのがおすすめです。フィンランドはサマーコテージを所有している人が多いのですが、ホテルタイプもあるのでレンタルもできます。ホテルはサマーコテージ風の、自分で朝食を作ったり、サウナがついていたりするところもあるので旅行者でも十分楽しめると思います。
特におすすめなのはムーミンワールドです。日本人はムーミンが大好きだと思いますが、ムーミンワールドは子供だけでなく大人も楽しめる場所になっています。ムーミンはフィンランド人にとって人生の哲学を学べるような存在。ムーミンワールドもぜひ訪れてください」

トゥルク ©Visit Finland
トゥルク ©Visit Finland

「世界最大の群島があるフィンランド。昔、フィンランドの首都だった、群島地方にあるトゥルク(Turku)もおすすめです。」

ファッションショー ©Visit Finland
ファッションショー ©Visit Finland

「ヘルシンキはぜひ訪れてください。2021年にはヘルシンキビエンナーレもありますし、アートやデザインがとても有名な町です。マリメッコやイッタラなどの人気ブランドのお店もあります」

オーディ・ヘルシンキ中央図書館 ©Visit Finland
オーディ・ヘルシンキ中央図書館 ©Visit Finland

「オーディ・ヘルシンキ中央図書館(Helsinki Central Library Oodi)はよく造られた図書館で、観光スポットとして有名です。ヘルシンキは首都ですが、非常にリラックスした時間が流れており、自転車で巡れるコンパクトな町です。パブリックサウナ(公衆サウナ)もたくさんあるので旅行者でも楽しみやすいと思います」

メッツァ・パビリオン ©Visit Finland
メッツァ・パビリオン ©Visit Finland

●メッツァ・パビリオンは2021年末までの期間限定のオープンとなりますが、今後もこのようなイベントの開催予定はありますか?

「直近では、11月23日(月)にイベントを予定しています。近日中に公式ウェブサイトで発表予定です」

■フィンランドを体験しよう!
・開催日: 2020年11月23日(月)
・URL: https://www.businessfinland.fi/ja-jp/ajankohtaista/tapahtumat/2020/open-house-event-experience-finland/

フィンランドのハメーンリンナ(Hämeenlinna) ©Visit Finland
フィンランドのハメーンリンナ(Hämeenlinna) ©Visit Finland

●日本の方にメッセージをお願いします。

「Happy Day in Finlandにたくさんの方が応募していただけたらうれしいです。本イベントを通じて、フィンランド人のライフスタイルや幸せのあり方に触れていただけるかと思います。今すぐには難しいですが、渡航が解禁されたらぜひフィンランドに遊びに来てください!」

ハピネス・ガイドのユッカさん

ハピネス・ガイドのユッカさん
ユッカさん ©Visit Finland

幸せの見つけ方ガイドとしてVisit Finlandのグローバルキャンペーンに協力しているハピネス・ガイドであり、起業家のユッカ(Jukka)さん。「Happy Day in Finland」では、来場者とオンラインで会話をするライブセッションを予定しています。ひと足先にフィンランドでの過ごし方について聞きました。

●コロナ禍で、フィンランドの人々の生活はどう変わりましたか? また、コロナ禍の生活でどのように過ごすことが重要だと思いますか?

「私はアウトドアや自然が好きで、それはコロナ禍のなかにおいても変わることはありません。ソーシャル・ディスタンスを保ちながら自然のなかで楽しむようにしています。フィンランドはもともと人口密度が低く、国土の総面積は日本と同じくらいですが、人口は北海道民ほどです。もともとソーシャル・ディスタンスを保つという文化はあるのですが、コロナ禍になってさらに気をつけています。特にお年寄りは感染のリスクが高いので、お年寄りに対してソーシャル・ディスタンスを取ることは強く意識するようになりました」

フィンランドのヴァッリサーリ島(Vallisaari) ©Visit Finland
フィンランドのヴァッリサーリ島(Vallisaari) ©Visit Finland

「それ以外は、今までのライフスタイルと変わらず、こんな時だからこそ自然のなかでリラックスしたり、心を落ち着けることが大事になってくるでしょう。やはり海外のニュースなどを見ていると心配になるようなこともあります。フィンランドに関しては感染の状況は比較的落ち着いているのですが(2020年10月20日時点)、できるだけ心配しすぎないようにしてリラックスするのがとても重要だと思います」

フィンランドのサマーコテージ ©iStock
フィンランドのサマーコテージ ©iStock

●アウトドアがお好きとのことですが、「モッキ」と呼ばれるサマーコテージについて、
アウトドアでの生活について具体的に教えてください。

「“モッキ”というのは英語でいうとサマーコテージでしょうか。フィンランドでは多くの方がセカンドハウスのように使うサマーコテージを持っています。フィンランド人は1ヵ月くらいの長い夏休みをとるのですが、その時期はだいたい皆サマーコテージで過ごします。
私は夏以外もサマーコテージで過ごすことが多いです。私のサマーコテージはソーラーエネルギーで動いていて、暖炉にも自分で火をくべます。自然に帰るというか、まるで100年前の生活をしているようなすごくシンプルなライフスタイルで過ごしています。サウナを自分で温めたり、火を自分で起こしてコーヒーや食事を作ったり、フィンランド特有の自然享受権によってベリーを摘みに行ったり、湖で魚を釣ったり、自然のなかでのシンプルなライフスタイルをモッキに泊まりつつ行なっています。都市のライフスタイルとは異なりますが、好きなアウトドアの過ごし方です」

フィンランドの森 ©Visit Finland
フィンランドの森 ©Visit Finland

●森に行くときには電話や時計を置いていくとのことですが、そういった電子機器から離れて生活することで、心理的にはどのような変化がありますか?

「スマートフォンや時計を置いて出かけるというのは実はほとんど毎日のことで、例えば犬の散歩に行くときにはほとんどスマホは置いて出かけます。やはりスマホなどの電子機器を持ち歩いていると、どうしてもSNSをチェックしてしまったり、メールの通知が入ったり、時計を気にしたり……。こうした習慣は中毒性があるものだと思います。
電子機器を家に置いていくことで、本当に何も気にせず自然のなかに“いまここにいる”ことに集中できる、そういった心理的効果があります。1週間ほど、電子機器なしで休暇を過ごしたことがあるのですが、心からリラックスできました。日々の連絡やSNSから離れて、“いまを生きる”ことに集中することは、心配事を忘れられる効果があり、心理的にとてもいい効果があるのではないかと個人的に思っています」

木造のサウナ ©iStock
木造のサウナ ©iStock

●サウナがお好きとのことですが、フィンランドの皆さんもとてもお好きだと思いますがサウナの魅力について教えてください。

「サウナはフィンランド人にとって本当に欠かせないものです。私は1週間に2、3回はサウナに行きますし、自宅にもサウナがあります。自宅にサウナがあるフィンランド人は多いです。
サウナの種類はおもに3種類。一般的なのはスモークサウナで、煙をいぶして、室内に煙をためて温めて入るようなサウナです。伝統的な木造のサウナは、熱した石を使って常に内部の空気・蒸気を温めるような構造になっています。最近だと電気のサウナもありますが、私は伝統的なサウナが好きです」

熱した石に水をかけるロウリュ ©iStock
熱した石に水をかけるロウリュ ©iStock

「サウナの効能としては、自然のなかで過ごすことと同じように心からくつろげます。
身体的にも、筋肉をリラックスさせたり、心臓の働きや血行をよくする効果があります。心臓にもよいというデータは科学的にも実証されています。
サウナのあとにフィンランド人は、よく冷たい湖に飛び込みます。これをアイススイミングといいます。私もアイススイミングが大好きで、友達と2020年の冬は100回アイススイミングをすると決めていて、すでに7回行なっています。サウナで体を十分に温めたあとに湖に飛び込むと本当に気持ちがいいですし、血行の促進にもつながります。毎週サウナに行くと、健康にも非常によい影響があるというデータがあります。サウナは冬の太陽のようなものだと思います」

ヌークシオ国立公園 ©iStock
ヌークシオ国立公園 ©iStock

●観光目的の渡航が可能になったら訪れてほしい、フィンランドのおすすめスポットや体験はありますか?

「ヘルシンキの近くにも、実は雄大な自然があります。ヌークシオ国立公園(Nuuksio National Park)は、誰でも入ることができる国立公園で、ヘルシンキからバスで30〜40分のところに位置します。そこには、都心から近いとは思えないほどの豊かな自然があります。
そしてパブリックサウナもおすすめです。旅行者の方でも気軽に利用できますし、そこでローカルの方と話すなどのカルチャー体験ができます」

サヴォンリンナ ©iStock
サヴォンリンナ ©iStock

「私の母は、湖水地方のフィンランドで最も大きな湖であるサイマー(Saimaa)湖周辺の出身です。そこは最も美しい景色が見られる場所のひとつと言われています。湖の中央にあるサヴォンリンナ(Savonlinna)という地域でカヤックをしたり、釣りをしたり、さまざまなアクティビティが体験できます。固有種のアザラシがいるのもおすすめするポイントです」

フィンランドのベリー ©Visit Finland
フィンランドのベリー ©Visit Finland

●メッツァ・パビリオンのイベントでは、ライブセッションでユッカさんへの質問を受け付けていますが、ユッカさんが日本の方に特にお話ししたいことはありますか? また、日本の方にメッセージをお願いします。

「個人的にフィンランド人と日本人は似ていると思います。フィンランドにいらっしゃる日本人旅行者はポジティブな感想を残してくださいますし、すごく親和性がある国だと感じています。なので、考え方やライフスタイルについて、自然についてなど、いろいろな思いを交換できればいいですね。もし近い将来にフィンランド旅行を考えている方がいれば、おすすめスポットの紹介やアドバイスができればと思っています。皆さんと、メッツァ・パビリオンで行われるHappy Day in Finlandでお話しできることをとても楽しみにしています」

Happy Day in Finland

Happy Day in Finland
メッツァ・パビリオン ©Visit Finland

「Happy Day in Finland」に応募して、フィンランドの魅力を五感で体験してみませんか。

■Happy Day in Finland
・開催日時: 2020年11月21日(土)・22日(日) 10:00~16:00
・場所: 東京都港区南麻布3-5-39 駐日フィンランド大使館敷地内のメッツァ・パビリオン
・参加申し込み方法: 新型コロナウイルス感染拡大防止のため入場制限があり、入場者は抽選で選ばれます。詳細は下記のウェブサイトを確認してください。
・URL: https://www.visitfinland.com/ja/kiji/metsa-pavilion/
・URL(参加登録): https://www.businessfinland.fi/ja-jp/ajankohtaista/tapahtumat/2020/visit-finland-open-day/
・申し込み期間: 受付中~2020年11月6日(金)23:59
・抽選結果発表: 2020年11月9日(月)~13日(金)内にメールでお知らせ

※主催者は、イベントの内容を変更する権利を有します。会場内では、人数制限やスタッフ・来場者全員のマスク着用(マスクなしの場合は入場不可)、体温チェック(37.5℃以上の登録者は入場不可)、手指消毒(パビリオン内と入口付近に消毒液を設置)を実施するなど、日本政府による新型コロナウイルス感染症に関する指示を厳守します。すべての来場者は入場登録が必要です

■Visit Finland(フィンランド政府観光局)
・URL: https://www.visitfinland.com/ja/

≫≫≫(関連記事)フィンランド政府観光局が東京のメッツァ・パビリオンで体験型イベントを開催。抽選参加申し込み受付中!

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★最新情報を確認してください
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、上記記事内で紹介したイベントにおいて、内容や開催日時の変更、延期・中止の可能性があります。最新情報は、公式ウェブサイト(URL)などで確認してください。
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※当記事は、2020年10月29日現在のものです

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

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