チームラボ:パリで大規模な展覧会「teamLab : Au-delà des limites」開催中

公開日 : 2018年07月14日
最終更新 :
teamLab : Au-delà des limites
teamLab : Au-delà des limites

東京お台場でも開催している光のイベントでも注目を集めるチームラボは、2018年9月9日(日)まで、日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018」の公式企画として、フランス・パリのラ・ヴィレット(La Villette)にて、大規模な展覧会「teamLab : Au-delà des limites」(意:境界のない世界)を開催しています。2017年にオープン2日目にして全日のチケットが埋まった、PACE LONDON(ロンドン)での個展「teamLab: Transcending Boundaries」のコンセプトを拡張させ、約2000平米の巨大な会場に、ロンドンとは全く異なるデジタルアート空間を展開します。

境界のない体験と世界を実現

境界のない体験と世界を実現
境界(大きさや場所)のない作品

本展の作品は、その境界(大きさや場所)が明確ではありません。作品は、他の作品とコミュニケーションし、それぞれの展示空間から自ら動き出し、他の作品がいない場所へと移動します。そして、その場に合った形に変容したり、他の作品と混ざり合ったり、影響を与えたり、他の作品のために自ら場所を空けて出て行ったりします。本展においてチームラボは、展覧会名「teamLab : Au-delà des limites」の示す通り、境界のない体験と世界を実現することを試みています。

■展覧会Webサイト
https://www.teamlab.art/jp/e/lavillette/

展覧会コンセプト

展覧会コンセプト

【展覧会コンセプト】
人は自らの身体で自由に動き、他者と関係性を持ち、身体で世界を認識しています。そして身体は時間を持ち、脳内で考えは、同じ脳内の他の考えと境界が曖昧なまま影響を受け合い、時には混ざり合っています。

アートも定位置に留まらず自ら動き出し、人々と関係性を持ち、身体と同じ時間の流れを持とう。そして、作品は独立し続けたまま、他の作品と境界は曖昧で影響を受け合い、時には混ざり合う。そのような作品群による、境界のない1つの世界。

人々は、その世界に迷い込んでいきます。そして、その境界のない作品群は、人々の存在によって変化していきます。その1つの世界に他者と共に身体ごと没入し、溶け込んでいくことで、自分と他者との曖昧な境界、そして私たちと世界との境界のない新しい関係を模索していくのです。

世界は暗闇から始まるが、それでもやさしくうつくしい

世界は暗闇から始まるが、それでもやさしくうつくしい

【展示作品】
世界は暗闇から始まるが、それでもやさしくうつくしい / Born From the Darkness a Loving, and Beautiful World

人々が文字に近づくと、その文字がもつ世界が表れ、世界を創っていく。そして、世界の中で互いに影響し合う。

また、他の作品の影響も受ける。例えば、カラスが飛ぶことによって、文字から文字がもつ世界が表れる。また、「蝶」の文字から出現した蝶は、この作品世界を超えて、他の作品の中へ自由に飛びわまっていく。蝶はこの作品世界を超えた後は、人々が触ると死んでしまう。

投影された世界の裏側には、360度広がる空間があり、文字から生まれたものたちは、空間上のそれぞれの位置や、それぞれが持つ知能や関係性、物理的な影響などによって、互いに影響を受け合いながら、空間上でリアルタイムに計算され、複雑かつ自然な世界をつくっていく。例えば、風が吹けば、風の物理的な影響を受け、蝶は火が嫌いで離れるが、花は好きで近づいていく。自然の景色に同じ瞬間がないように、同じ瞬間は二度となく、常に初めて見る景色を創り出す。

漢字が亀の甲羅や牛や鹿の骨、青銅器に刻まれていたころ、漢字の一文字は、ひとつの世界を持っていた。漢字を通して人々が呼び出した世界は、連続し、互いに相互作用を与えながら、世界は創られていく。

Au-delà des limitesに降り注ぐ憑依する滝

Au-delà des limitesに降り注ぐ憑依する滝
幻想的に表現された滝

Au-delà des limitesに降り注ぐ憑依する滝 / Universe of Water Particles on Au-delà des limites

他の作品の境界を越境し、時には他の作品に影響を与えながら、 Au-delà des limitesの展覧会に降り注ぐ、巨大な滝。

水は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算している。そして、水の粒子の挙動によって、空間上に線を描く。その線の集合をチームラボが考える「超主観空間」によって平面化し滝を描いている。

人が作品の上に立ったり、作品に触れると、水の流れを遮る岩のように、その人自身が障害物となり、水の流れが変化していく。作品は、人々のふるまいの影響を受けながら、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

そして、水は、他の作品に影響を与える。

花と人、コントロールできないけれども、共に生きる

花と人、コントロールできないけれども、共に生きる
作品はコンピュータによってリアルタイムで描かれ続けている

花と人、コントロールできないけれども、共に生きる - A Whole Year per Hour / Flowers and People, Cannot be Controlled but Live Together - A Whole Year per Hour

一時間を通して、一年間の花々が咲いては散り、変化していく。

花は生まれ、成長し、咲き、やがては散り、枯れていく。誕生と死滅を、永遠と繰り返し続ける。 花は、人々がじっとしているといつもより多く生まれ、人々が花に触ったり、歩きまわると、いっせいに散っていく。

作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、鑑賞者のふるまいの影響を受けながら、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

そして、他の作品に影響を与えたり、他の作品の影響で散ったりする。

春、国東半島に訪れた際、山の中の桜やふもとの菜の花を見ているうちに、どこまでが人が植えたものなのか、どこまでが自生している花々なのか疑問に思った。そこは多くの花に溢れ、非常に心地よい場所だった。そして、花が多いということは、その自然が、人の営みの影響を受けた生態系であることを感じさせる。どこまでが自然で、どこからが人為的なのか、境界が極めてあいまいなのだ。つまり、自然と人間は対立した概念ではなく、心地良い自然とは、人の営みも含んだ生態系なのであろう。そして、近代とは違って、人間が自然を完全に把握することができない、完全にコントロールすることができないという前提で、自然のルールに寄り添った人の長い営みこそが、この心地良い自然をつくったのではないだろうか。この谷間の人里は、近代以前は海路によって栄えたが、陸路中心に変わった近代以降、長らく陸の孤島となった。そこには、近代以前の自然と人との関係が、ほのかに残っているように感じられ、コントロールできないという前提の下での、自然への人為的な行為とはどのようなものなのか考えさせられたのだ。

花の精霊

花の精霊
花の精霊 / Spirits of the Flowers

一年間を通して、刻々と咲いていく花々が移り変わっていく。

花々は、生まれ、成長し、つぼみをつけ、花を咲かせ、やがて散り、枯れて、死んでいく。つまり、花は、誕生と死滅を永遠に繰り返し続ける。

人々が花にふれると、ゆれ、散っていく。

そして、他の作品に影響を与えたり、他の作品の影響で散ったりもする。例えば、「Walk, Walk, Walk」の肖像群が歩いて来るといつもより咲きやすく、また、花々が咲いた場所は、他の作品世界を覆い隠したりする。


などなど、チームラボが送る、幻想的な世界をパリで体験してみましょう。

開催概要

開催概要

【開催概要】
teamLab : Au-delà des limites
https://www.teamlab.art/jp/e/lavillette/
#Audeladeslimites, #teamLab, #teamLabLaVillette
会期: 2018年5月15日(火)~2018年9月9日(日)
会場: ラ・ヴィレット・グランド・ホール / Grande Halle de La Villette(211 Avenue Jean Jaurès, 75019 Paris, フランス)
時間: 火曜日~木曜日・日曜日 10:00〜19:00、金曜日・土曜日 10:00~22:00
休館: 月曜日
アクセス: メトロ5号線「Porte de Pantin」、バス75・151・PC 2・PC 3「Porte de Pantin」
主催: 国際交流基金、ラ・ヴィレット
メディア協力: encore B、TF1
後援: Fimalac Entertainment、BFM Paris、RATP、madame FIGARO、France Inter

【料金】
当日券: 一般 EUR 14.90、26歳以下 EUR 12.90、ラ・ヴィレットカード EUR 10.90
*その他チケット情報はHPを御覧ください。
*料金は予告なく変更される場合がございます。
チケット購入: https://lavillette.com/evenement/teamlab/、www.fnac.com、www.ticketmaster.fr

チームラボ
2001年設立のアートコレクティブ。
2018年6月21日に、森ビルとチームラボがお台場・パレットタウンに1万㎡のデジタルアート美術館「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: teamLab Borderless」をオープン。

【ジャポニスム2018】
日仏友好160周年にあたる2018年、パリを中心にフランスにおいて日本文化を大規模に紹介する大型文化行事。
https://japonismes.org/

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』のメディアサイト『地球の歩き方web』を運営しているチームです。世界約50の国と地域、160人以上の国内外の都市のスペシャリスト・特派員が発信する旅の最新情報をお届けします。

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