「ラトリエ・デ・リュミエール」でクリムトの官能世界をもう一度!(フランス・パリ)
2018年4月、パリ11区に新世代ミュージアムとして登場した「ラトリエ・デ・リュミエール(L’atelier des lumières)」。広い空間の壁や床すべてをスクリーンとして、音と映像で観客を魅了する施設です。2019年のテーマは、ファン・ゴッホ。けれども、2018年のテーマであったクリムトの世界を惜しむ声があまりに多いため、とうとう夜の再演が決まりました。
360度3,300平方メートルのスクリーン
19世紀の旧鋳造所を改築してできた「ラトリエ・デ・リュミエール(L’atelier des lumières)」には、1,500平方メートルの大ホールと、160平方メートルのステュディオのふたつの上映場所があります。
ホールでは、著名なアーティストの世界を描く長めのデジタル映像と、より現代に焦点を当てた短めの映像が交互に上映されます。一方、ステュディオは、新進気鋭のデジタルアーティストによる現代作品上映の場です。
2019年の大きなテーマはファン・ゴッホ。
ホールでは、ゴッホの光と影を扱った『ファン・ゴッホ、星月夜』と、ゴッホが夢見た日本を映像にした『夢に見た日本、浮世絵』が上映されています。また、ステュディオでは、宇宙を扱う現代作品『ヴァース』が鑑賞できます。
ラトリエ・デ・リュミエールのもっとも大きな特徴は、名画の世界に入り込み、自由に散策できることです。『ファン・ゴッホ、星月夜』も好評で、訪問者は後を絶ちません。
9ヵ月で120万人以上を動員したグスタフ・クリムトの世界
ところで、「ラトリエ・デ・リュミエール」のオープンした2018年のテーマは、19世紀のウィーン美術とグスタフ・クリムトの世界でした。
まばゆいほど豪華な金箔と色彩が画面から溢れる一方、抒情的な気配が濃厚なクリムトの絵は、描かれた人物もどこか気だるげに見えます。世紀末の雰囲気は、かくありなんと思わせる独特の魅力があり、世界的に人気の高い画家のひとりです。
そんなクリムトの世界を歩けるのですから、2018年4月から2019年初めまでの上映は人気の上に人気を呼び、9ヵ月でなんと120万人以上の入館者を数える成功を収めました。
そうして、今もなお再上映を望む声は少なくなく、とうとう、2019年夏から秋にかけて、夜だけ『クリムトの夕べ』が催されることが決まったのです!
『クリムトの夕べ』再上映
再上映の日時は、以下のとおりです。
●『クリムトの夕べ』
・上映日時:2019年8月1日(木)~8月24日(土)、10月25日(金)~11月2日(土)の日曜以外 18:30~21:30
・入場料:大人14.5ユーロ、5~25歳9.5ユーロ、シニア(65歳以上)13.5ユーロ
同時上映のショートプログラムは、色の洪水のような作品が特徴のフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)によるものです。
また、ステュディオでは、スタジオOuchhhの作品 『POETIC_AI』が上映されます。
いかがでしたか。「ラトリエ・デ・リュミエール」のデビューを飾った作品群を紹介しました。2018年に見逃した方も、そうでない方も、2019年夏秋にフランス・パリへ行くなら、ぜひ、19世紀末のウィーン絵画の世界へ足を踏み入れてみてください!
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。