「ラトリエ・デ・リュミエール」でクリムトの官能世界をもう一度!(フランス・パリ)

公開日 : 2019年07月16日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
L'exposition immersive Gustav Klimt - Atelier des Lumières ©Culturespaces/ E. Spiller
L'exposition immersive Gustav Klimt - Atelier des Lumières ©Culturespaces/ E. Spiller

2018年4月、パリ11区に新世代ミュージアムとして登場した「ラトリエ・デ・リュミエール(L’atelier des lumières)」。広い空間の壁や床すべてをスクリーンとして、音と映像で観客を魅了する施設です。2019年のテーマは、ファン・ゴッホ。けれども、2018年のテーマであったクリムトの世界を惜しむ声があまりに多いため、とうとう夜の再演が決まりました。

360度3,300平方メートルのスクリーン

360度3,300平方メートルのスクリーン
Atelier des Lumières ©Culturespaces / E. Spiller

19世紀の旧鋳造所を改築してできた「ラトリエ・デ・リュミエール(L’atelier des lumières)」には、1,500平方メートルの大ホールと、160平方メートルのステュディオのふたつの上映場所があります。

ホールでは、著名なアーティストの世界を描く長めのデジタル映像と、より現代に焦点を当てた短めの映像が交互に上映されます。一方、ステュディオは、新進気鋭のデジタルアーティストによる現代作品上映の場です。

2019年の大きなテーマはファン・ゴッホ。

ホールでは、ゴッホの光と影を扱った『ファン・ゴッホ、星月夜』と、ゴッホが夢見た日本を映像にした『夢に見た日本、浮世絵』が上映されています。また、ステュディオでは、宇宙を扱う現代作品『ヴァース』が鑑賞できます。

ラトリエ・デ・リュミエールのもっとも大きな特徴は、名画の世界に入り込み、自由に散策できることです。『ファン・ゴッホ、星月夜』も好評で、訪問者は後を絶ちません。

9ヵ月で120万人以上を動員したグスタフ・クリムトの世界

9ヵ月で120万人以上を動員したグスタフ・クリムトの世界
L'exposition immersive Gustav Klimt - Atelier des Lumieres ©Culturespaces / E. Spiller

ところで、「ラトリエ・デ・リュミエール」のオープンした2018年のテーマは、19世紀のウィーン美術とグスタフ・クリムトの世界でした。

まばゆいほど豪華な金箔と色彩が画面から溢れる一方、抒情的な気配が濃厚なクリムトの絵は、描かれた人物もどこか気だるげに見えます。世紀末の雰囲気は、かくありなんと思わせる独特の魅力があり、世界的に人気の高い画家のひとりです。

Gustav Klimt “La Vierge”
Gustav Klimt “La Vierge”

そんなクリムトの世界を歩けるのですから、2018年4月から2019年初めまでの上映は人気の上に人気を呼び、9ヵ月でなんと120万人以上の入館者を数える成功を収めました。

そうして、今もなお再上映を望む声は少なくなく、とうとう、2019年夏から秋にかけて、夜だけ『クリムトの夕べ』が催されることが決まったのです!

『クリムトの夕べ』再上映

『クリムトの夕べ』再上映
L'exposition immersive Gustav Klimt - Atelier des Lumières ©Culturespaces / E. Spiller

再上映の日時は、以下のとおりです。

●『クリムトの夕べ』
・上映日時:2019年8月1日(木)~8月24日(土)、10月25日(金)~11月2日(土)の日曜以外 18:30~21:30
・入場料:大人14.5ユーロ、5~25歳9.5ユーロ、シニア(65歳以上)13.5ユーロ

L'exposition immersive /Hundertwasser, sur les pas de la sécession viennoise - Atelier des Lumières ©Culturespaces / Eric Spiller
L'exposition immersive /Hundertwasser, sur les pas de la sécession viennoise - Atelier des Lumières ©Culturespaces / Eric Spiller
©Ouchhh
©Ouchhh

同時上映のショートプログラムは、色の洪水のような作品が特徴のフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)によるものです。

また、ステュディオでは、スタジオOuchhhの作品 『POETIC_AI』が上映されます。

いかがでしたか。「ラトリエ・デ・リュミエール」のデビューを飾った作品群を紹介しました。2018年に見逃した方も、そうでない方も、2019年夏秋にフランス・パリへ行くなら、ぜひ、19世紀末のウィーン絵画の世界へ足を踏み入れてみてください!

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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