冬のパンテオン:懐中電灯を持って、偉人の墓所を訪ねよう(フランス)

公開日 : 2018年01月09日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
スーフロ通りから見たパンテオン©Benjamin Gavaudo / Centre des monuments nationaux – Photo de presse
スーフロ通りから見たパンテオン©Benjamin Gavaudo / Centre des monuments nationaux – Photo de presse

パリに18世紀末建てられたパンテオンは、国の偉人を祀る墓所として知られています。例えば、ヴィクトル・ユーゴー、アレクサンドル・デュマらの文豪、レジスタンス運動指導者の一人ジャン・ムーランらが祀られています。ギリシア建築を模したネオクラシックスタイルは、建築家スーフロによるもので、厳かな雰囲気を漂わせています。
パンテオンを管理するのは、le Centre des monuments nationaux(国立モニュメントセンター)。フランス全国の城や美術館など100点近くの国有モニュメントを管理しています。ここで紹介する展覧会も、この国立モニュメントセンターが開催するものです。

夜のパンテオン見学

夜のパンテオン見学
パンテオン内部 ©Didier Plowy / Centre des monuments nationaux – Photo de presse

昼間ももちろん見学可能なパンテオンですが、この冬は、夜の見学も可能となっています。2月末までの限られた日程ですが、一風変わった体験をしたい方にはお勧めです。懐中電灯をかざしての夜のパンテオン見学。必ずや昼間とは違う雰囲気を感じることができるでしょう。

夜のパンテオン見学
日程は、1月9、16、23日と、2月6、13,20日といずれも火曜日の夜19時から1時間半。開場は18時35分の予定です。
入場料は12ユーロ。一晩180人と人数制限がありますので、予約が必要です。
予約サイトはこちら www.paris-pantheon.fr

マリー・キュリー展

マリー・キュリー展
パンテオンにいる女性、マリー・キュリー展ポスター

また、現在パンテオンでは、今年(2017年)生誕150年を迎えたマリー・キュリー展を開催中です。というのも、ノーベル賞を二度受賞した科学者マリー・キュリー(1867-1934)も、その夫ピエール・キュリーとともにパンテオンに祀られている偉人の一人なのです。

1895年のピエールとマリー・キュリー、Musée Curie (coll.ACJC)提供
1895年のピエールとマリー・キュリー、Musée Curie (coll.ACJC)提供

この展覧会では、まず、ワルシャワで生まれたマリー・スクウォドフスカが、パリに来て、夫となるピエール・キュリーと出会い、科学者として開花していく過程を紐解きます。次に、キュリー夫妻の結婚式、家族との写真などの展示が続いた後は、研究所を率い、ノーベル賞を受けた研究者指導者としてのマリー・キュリーの業績に迫ります。

パリのキュリー研究所で放射能を測定するマリー・キュリー、1923年ごろ。M.Benoit 撮影、Musée Curie (coll.ACJC)提供
パリのキュリー研究所で放射能を測定するマリー・キュリー、1923年ごろ。M.Benoit 撮影、Musée Curie (coll.ACJC)提供
1995年4月20日ピエールとマリーの遺灰をパンテオンに移すセレモニーの様子,Photo C.Gruner, Musée Curie (coll.ACJC)提供
1995年4月20日ピエールとマリーの遺灰をパンテオンに移すセレモニーの様子,Photo C.Gruner, Musée Curie (coll.ACJC)提供

更に、彼女の研究の医学への貢献をまとめ、最後には、パンテオンに最初の女性の偉人として祀られた1995年の様子を振り返ります。

パンテオンでのマリー・キュリー展は、2018年3月4日まで開催。
パンテオン(Panthéon)
住所:Place du Panthéon, 75005, Paris
電話:+33 (0)1 44 32 18 00
URL:www.paris-pantheon.fr

開館時間:10/1~3/31、毎日10時~18時
4/1~9/30、毎日10時~18時半
休館日:1/1, 5/1, 12/25
入館料:9ユーロ
最寄り駅:地下鉄10番(Cardinal Lemoine駅)

研究所の残るキュリー博物館

研究所の残るキュリー博物館
マリー・キュリーの研究室©Jérémy Mathur / Musée Curie提供

マリー・キュリーの生涯を様々な角度から紹介する展覧会は、キュリー博物館共催によるもので、キュリー博物館でも、同時期、特別講演などを企画しています。キュリー博物館は、パンテオンから歩いて5分の距離にあり、マリーが生涯最後の20年を費やし、指導に当たったラボラトリーのある場所です。
マリー・キュリー展を訪れるなら、ぜひキュリー博物館にも立ち寄ってみてください。

キュリー博物館(Musée Cury)
URL: http://musee.curie.fr/
住所:1 rue Pierre et Marie Curie, 75005, Paris
電話: +33 (0)1 56 24 55 33
開館時間:水曜~土曜の13時~17時
休館日:4/17, 5/1, 5/8, 5/25, 7/14, 11/1, 11/11, 8月、クリスマス休暇中
入館料:無料(志の寄付は可能)
最寄り駅:RER B線Luxembourg駅、地下鉄7番線 Place Monge駅、地下鉄10番線Cardinal Lemoine駅

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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