「庭園での約束(Rendez-vous aux jardins)」6月のヨーロッパでは、庭園を愛でる

公開日 : 2018年05月10日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
バガテル公園 ©Paris Tourist Office - Photographe : Henri Garat
バガテル公園 ©Paris Tourist Office - Photographe : Henri Garat

2018年は、ヨーロッパ文化遺産の年です。ヨーロッパの文化ユニットを再確認する目的で定められ、さまざまな文化イベントが各国で開催されています。そのうち、6月第一週末に催される「庭園での約束(Rendez-vous aux jardins)」というイベントがあります。今回は、フランス・パリを中心に、心身共に癒される庭園・公園の数々を紹介します。

2018年はヨーロッパ10ヵ国で開催

2018年はヨーロッパ10ヵ国で開催
Rendez-vous aux jardinsのポスター ©Chevalvert

「庭園での約束(Rendez-vous aux jardins)」は、フランスにおいて、毎年文化省が各機関の協力を得て主催するものです。去年2017年には、2,300もの公立・私立の庭園・公園が門戸を開き、延べ1,800万人の訪問を記録しました。

今年は、ヨーロッパ規模ということで、フランス以外にも、ドイツ、クロアチア、エストニア、ハンガリー、アイルランド、リトアニア、オランダ、スロヴァキア、ベルギーのワロン地方でも、初めて催されます。今年のテーマはそのものずばり「庭園のヨーロッパ」です。

開催期間は2018年6月1日(金)~6月3日(日)ですが、1日(金)は学校からの訪問に当てている施設が多く、一般客向けの公開は、主に、2日(土)、3日(日)の週末です。

ガイド付きツアーに参加できるだけでなく、場所により多種多様なイベントが予定されています。例を挙げれば、庭師によるノウハウのデモンストレーション、写真や料理、絵、フローラルアートなどのアトリエ、庭園でのコンサートや劇、ゲーム、朗読会、屋外展覧会などなど。なかには、マインドフルネスの瞑想レッスン体験なども企画されています。

普段はあまり目を留めない美術館や博物館の庭園に注目するチャンスです。また通常は一般公開されていない場所、たとえば首相官邸であるマティニヨン館庭園などを鑑賞する稀な機会でもあります。なお、フランスでのイベントは、ほとんどが基本的に無料です。

【チュイルリー公園】

【チュイルリー公園】
チュイルリー公園 ©Paris Tourist Office - Photographe : ©Sarah Sergent

「庭園での約束(Rendez-vous aux jardins)」に参加している庭園・公園は、全エリアで2,000ヵ所以上。パリとイルドフランスだけでも約200ヵ所。パリ中心地に絞っても40ヵ所以上。とてもすべては紹介しきれませんが、パリからいくつかを紹介しましょう。

まず、パリ右岸、ルーヴル美術館とシャンゼリゼ通りの間に広がるチュイルリー公園(Jardin des Tuileries)。22.4ヘクタールの広い庭園は、1564年、カトリーヌ・ド・メディシスの命により作られました。以来、5世紀の間、幾度となく改良を重ねられてきた庭園で、現在はルーヴル美術館が管理しています。このチュイルリー公園では下のようなアクティビティを企画しています。いずれも参加無料です。

・ガイド付きツアー(所要時間1時間)
日時:2018年6月2日(土)、6月3日(日)10:30、13:30、14:30、15:30
場所:チュイルリー公園、ルモニエ(Lemonnier)の入り口

・プラスチック蓋を利用したお花のハンドクラフト
日時:2018年6月2日(土)、6月3日(日)14:00~17:00
場所:エクセードル(Exèdres)池

・養蜂箱の説明
日時:2018年6月2日(土)、6月3日(日)10:00~17:00
場所:エクセードル(Exèdres)池

【シャン・ド・マルス公園】

【シャン・ド・マルス公園】
シャン・ド・マルスと軍人学校 ©Paris Tourist Office - Photographe : Fabian Charaffi

シャン・ド・マルス公園は、エッフェル塔から、軍人学校までを占める広い公共の敷地です。こちらでは、ポリフォニーの歌によるコンサートと、マイケルジャクソン風ダンスのコンクールが予定されています。

・コンサート
日時:2018年6月2日(土)16:00~18:00

・マイケルジャクソン風ダンスコンクール
日時:2018年6月3日(日)14:45~16:45

【ジョルジュ・ブラッサンス公園】

【ジョルジュ・ブラッサンス公園】
ジョルジュ・ブラッサンス公園 ©Paris Tourist Office - Photographe : Marc Bertrand

観光客があまり行かないような公園でも、イベントは行われます。たとえば、15区のジョルジュ・ブラッサンス公園では、土曜はクラリネットのコンサート、日曜はアイルランド伝統音楽のコンサートを、午後に楽しめます。いずれも無料です。

・クラリネットコンサート
日時:2018年6月2日(土)15:0016:30

・アイルランド伝統音楽コンサート
日時:2018年6月3日(日)15:00~16:30

【バガテル公園】

【バガテル公園】
バガテル公園 ©Paris Tourist Office - Photographe : Marc Bertrand

パリ西部、ブーローニュの森にあるバガテル公園は、1775年、マリー・アントワネット王妃とアルトワ侯爵の賭けがきっかけでバガテル城と共に建設されました。19世紀には中国パゴダも建てられ、木陰や人工の滝なども点在し、市民の憩いの場となっています。1,200種、10,000本の花が咲くバラ園としても知られています。

【フローラル公園】

【フローラル公園】
フローラル公園 ©Paris Tourist Office - Photographe : Christian Boyer

パリ東部ヴァンセンヌの森にあるのは、フローラル公園。こちらは20世紀に作られたもので、花の植物園といった様相で、子ども連れの散策にもピッタリな場所です。

【シテ島】

【シテ島】
ジャンXXIII広場からみたノートルダム寺院 ©Paris Tourist Office - Photographe : Sarah Sergent

パリのど真ん中シテ島でも、「庭園での約束(Rendez-vous aux jardins)」のイベントが企画されています。シテ島にあるノートルダム寺院の庭園は、2018年6月2日(土)15:00から18:00までの間、歴史的説明ガイドツアーのほか、庭師による手入れのデモンストレーション付きで公開の予定です。入場は無料です。

■ジャンXXIII広場(Square Jean-XXIII)
・住所:Ile de la Cité 75004 Paris France

【フランス古文書博物館】

【フランス古文書博物館】
フランス古文書博物館 ©Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont

マレ地区のフランス古文書博物館は、2006年までフランス歴史博物館と呼ばれていました。この歴史ある建物の庭も無料で公開されます。

・ガイド付きツアー(1時間30分)
日時:2018年6月2日(土)、6月3日(日)14:00、16:00、17:30

いかがでしたか。公式サイトでは、地図から場所検索ができます。お近くの公園を選んで、ちょっとスペシャルな庭園遊びをしてみませんか。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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