世界から集まった8人のシェフのトリュフ料理コンテスト。優勝者は誰?

公開日 : 2022年04月01日
最終更新 :
コンテスト会場の様子。料理している手元も映し出されました。
コンテスト会場の様子。料理している手元も映し出されました。

皆さんは世界の『三大珍味』をご存じですか? 一般に『フォアグラ』、『キャビア』、『トリュフ』と言われています。日本ではあまり知られていませんが、実はスペインでは近年トリュフ農園の努力により、トリュフの収穫量が増え、前よりも身近な存在になりました。さる3月5日にトリュフ産地のひとつであるソリアで国際トリュフ料理コンテストがあり、私も観覧する機会がありました。今回はこのコンテストについてお話しいたします。

世界から腕自慢のシェフが8人勢ぞろい

世界から腕自慢のシェフが8人勢ぞろい
会場となった劇場の前の広場には巨大なトリュフのオブジェが

ソリアはあまり日本人には貼馴染みのない町でしょう。カスティーヤ・イ・レオン州(マドリードの北西に接する州)の一番東にあるソリア県の県都です。

今回で第3回を迎えたcocinando con trufa(コンクールの名称です。トリュフを使って料理、の意味)には、スペイン、エクアドル、タイ、メキシコ、アメリカ、イタリア、スロベニア、フランスと世界8か国から腕自慢のシェフが集まりました。面白いと思ったのは、8人のシェフは事前にソリア入りして地元のレストランに行き、そこのシェフと一緒にコンクールに出すメニューを完成させるのです。コンテスト前後の4日間にいずれかのレストランに行くと、コンクールに出すトリュフメニューが味わえました。地元のレストランの集客にもなるすばらしいアイデアですね。

地元の子ども達も審査員として参加

地元の子ども達も審査員として参加
真剣に試食をするちびっこ審査員たち

さて当日は、15分ごとにコンクール参加シェフが地元シェフとコンビを組んで登場し、80グラムのトリュフを使い1時間でとっておきの料理を作り上げていきます。料理ができあがると、食のプロフェッショナルからなる審査員グループと、地元の子ども達で編成されたちびっこ審査員グループが試食して採点していきます。トリュフはソリアの貴重な産物なので、ここで未来を担う子ども達を参加させることもとてもいい試みだと思いました。ちびっこ審査員がコメントするたびに会場がほっこりしました。

奥が深いトリュフテイスティングの世界

奥が深いトリュフテイスティングの世界
トリュフ鑑定家が使うテイスティングシート

全8品の調理と審査が終わり、結果の発表前に興味深いトリュフテイスティングの説明がありました。すぐ上の写真のようなテイスティングシートがあるのです。

トリュフにはフルーツや土、革、茹でたじゃがいも、マッシュルーム、バター、キャベツ、干し草などの香りがあるそうです。テイスティング用のトリュフを嗅いでみましたが、私は3つしか感知できませんでした。ほかには触感や見た目で評価するとのこと。奥が深いですね。

試食のトリュフは香りが飛ばないようにこんな箱に入っていました。
試食のトリュフは香りが飛ばないようにこんな箱に入っていました。

どれもおいしそうな8品のうち入賞したのは・・・

どれもおいしそうな8品のうち入賞したのは・・・
8人のシェフが腕を奮ったトリュフ料理

さて、いよいよ結果の発表です。表彰されるのは1位から3位、そしてちびっこ審査員賞の4人。

ちびっこ審査員賞を受賞したのはスペイン代表のJuan Carlos Benitoシェフで、料理のタイトルは“トリュフエッグの豚足と豚のモーロ(顔の部分)エビのグラッセ、トリュフ添え”(写真下段左から2つめ)。豚の脚やモーロを使うあたりがスペイン人らしいですね。地元の子ども達も食べられた食材をおいしく感じたのかもしれません。

第3位に選ばれたのはイタリアのGiuseppe D’erricoシェフの“ゴールドブラックリゾット”(写真下段右から2番め)。見た目はどこか和を感じさせる黒と食用金箔のです。

続いて第2位はスロバギア代表のJure Dretnikシェフで、“黒麹のニョッキのセロリ、カブ、トリュフ添え”(写真上段左端)。日本の発酵食品が使われていることに驚きました。

1位に輝いた料理はトリュフとフォアグラを使った贅沢な一品

1位に輝いた料理はトリュフとフォアグラを使った贅沢な一品
発表の瞬間は紙吹雪が舞い盛り上がりました。

そして見事1位に輝いたのは、タイから来たAnthony Burdシェフ。料理は“トリュフと牛肉のラビオリ、トリュフとキノコのソースとフォアグラ添え”でした。世界の三大珍味の2品を使った贅沢な一品でした。味見したかったな・・・というのは私の心の声です。

真剣なまなざしで料理に集中するAnthony Burdシェフ
真剣なまなざしで料理に集中するAnthony Burdシェフ
1位に輝いたトリュフ料理をアップでどうぞ。
1位に輝いたトリュフ料理をアップでどうぞ。
入賞者の皆さん、おめでとうございます!!
入賞者の皆さん、おめでとうございます!!

Cocinando contrufaはトリュフの魅力を身近に感じることができる楽しいイベントでした。次回の開催は2024年の予定。コンテストの前後数日間はソリアのあちこちのレストランでトリュフ尽くしのコースメニューが食べられますので、思い切り食べてみたい!!という方はぜひ足をお運びください。

スペイン政府観光局ソリア案内
・URL: https://www.spain.info/ja/mokuteki/soria/

※ソリアで生産されるトリュフの多くが黒トリュフなので、ここで言うトリュフとは黒トリュフを指します。

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

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・URL: https://hon.gakken.jp/book/2080128500

※当記事は、2022年4月1日現在のものです

スペイン・バレンシア特派員 田川 敬子/地球の歩き方編集部

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年4月1日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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