「お江戸深川さくらまつり」和船から眺める桜の花筏、深川めしと門仲歴史探訪のススメ

公開日 : 2019年03月31日
最終更新 :
杉と檜で造られている情緒ある和船
杉と檜で造られている情緒ある和船

春爛漫、暖かな日差しが降り注ぐ都内近郊では桜も満開と報じられ、各地のお花見スポットが連日賑わいを見せています。なかでも、川から眺める情緒あるお花見として話題の「お江戸深川さくらまつり」では、隅田川の運河を和船や動力船に揺られながら楽しむことができる催しです。川面まで伸びた桜を間近で愛でたり、花吹雪、花筏(はないかだ)など開催期間中、どのポイントでも楽しみ方があります。2019年3月23日(土)~4月7日(日)まで開催している「お江戸深川さくらまつり」、江東区観光協会のガイドが案内する深川の歴史探訪「深川門仲ご利益コース」、締めはちょっと贅沢な深川めし。下町情緒溢れる深川(門前仲町)半日周遊コースをご紹介します。

お花見周遊船「和船」で特別な休日を過ごす

お花見周遊船「和船」で特別な休日を過ごす
桜に彩られた水路を和船に揺られながら眺める
ギィコと櫓(やぐら)を漕ぐ音もまた情緒豊か
ギィコと櫓(やぐら)を漕ぐ音もまた情緒豊か

深川の艶やかな桜の花びらが頬を掠めて肩に流れる様を舟(船)から楽しむことができる「お江戸深川さくらまつり」。隅田川の支流、永代通り沿いを流れる大横川では、270本のソメイヨシノが見事に咲き誇っています。ここでの桜の楽しみ方は、期間限定で催されている舟(船)による花見遊覧です。黒船橋から巴橋、地上でいうと門前仲町の駅から富岡八幡宮あたりまでの約1.3kmを、ゆったりと和船に乗って揺られましょう。運航時間は約20分。お一人500円で乗船できます。開催期間中の土日(※一部を除く)では新内流しの三味線の音色も楽しむことができます。

■「お江戸深川さくらまつり」
【和船】3月23日(土)~4月7日(日)の土日。4月3日(水)
黒船橋~巴橋 約20分運航/一人500円
受付時間:9:30~14:30

【動力船】3月23日(土)~4月7日(日)※屋根なし船
大横川周辺+隅田川ミニクルーズ付き
昼のクルーズ:35分 大人2,500円/小人1,500円
夜桜クルーズ:45分 大人3,500円/小人2,500円

お問合せ:深川観光協会(03-3643-0114)


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深川観光協会の石島会長
深川観光協会の石島会長

「川の水もこの20年でだいぶ綺麗になりました」と語るのは、深川観光協会の石島会長。ハゼなどが泳ぐ姿も随所にある橋の上から見ることができるほど、澄んだ川面になったのは比較的最近のことだそう。また、この時期からは桜の花びらが絨毯のように敷き詰められている”花筏”(はないかだ)を満喫できます。今週末あたりはいよいよ桜も散り始めるころ、きっとそのころには、花吹雪も併せて楽しむことができます。散る桜と浮かぶ桜、どちらの風情も堪能してください。また、櫓(やぐら)を漕ぐ時の、木が擦りあう音もまた景観に彩りを与えてくれる重要な要素。流れる景色と時間をゆったりした気分で体験してみてください。

深川っ子が愛する門前仲町の歴史探訪

深川っ子が愛する門前仲町の歴史探訪
昭和の面影を色濃く残す辰巳新道
横綱力士碑と伊能忠敬像がある富岡八幡宮大鳥居
横綱力士碑と伊能忠敬像がある富岡八幡宮大鳥居

船からの景色を堪能した後は、深川っ子自慢の寺町、門仲(もんなか)こと門前仲町を散策します。この地の由来は、1624年(寛永元年)に創建された(旧)永代寺の門前ということから名づけられました。53基の神輿が勢揃いして永代通りを埋め尽くす、3年に一度の深川八幡祭りを代表に、深川は八幡様とお不動様が有名です。

■辰巳新道(たつみしんどう)
清澄通りから赤札堂 深川店の路地を入ってすぐにある辰巳新道。ここは昭和の面影を色濃く残す居酒屋や小料理店が軒を連ねる路地です。深川が江戸市街から見て「辰巳」(東南)の方角にあたることから、この名が付けられました。当時は遊興地として栄えていました。ドラマの撮影などに使われることも多く、趣ある景観が特徴です。

■深川不動堂(MAP)
正式名称は「成田山 東京別院 深川不動堂」といい、節分の豆まきで有名な千葉県成田市にある成田山新勝寺の東京別院です。1703年(元禄16年)以降、永代寺境内の富岡八幡宮で度々行われた成田山新勝寺の出開帳を起源とします。

■富岡八幡宮(MAP)
清和源氏、桓武平氏など全国の武家から武運の神として崇敬を集めた八幡神(やはたのかみ)を祭神とする神社を八幡宮と呼びます。ここ富岡八幡宮は「江戸最大の八幡様」といわれていました。敷地内には、角界で名を馳せた大関力士碑と横綱力士碑が並び、そのすぐ後ろには江戸中期に実測による日本地図を作成した、ここ深川に住んでいた伊能忠敬の像があります。

無料まちあるきガイドサービスを活用しよう!
無料まちあるきガイドサービスを活用しよう!

今回の散策は、江東区文化観光ガイドの区内の無料まちあるきガイドサービスを利用しました。当時の貴重な写真や江戸時代の浮世絵などを片手に当時と今の違いも含めて懇切丁寧に解説をいただいたのは、同ガイドの市川さん。『深川門仲ご利益コース』からの紹介です。このコース以外にも希望を伝えればお好みのコースで案内をしてくれるかも?ぜひご活用ください。

■江東区文化観光ガイド
~まちあるきガイドサービス~
江東区文化観光ガイド事務局(江東区観光協会内):03-6458-7410
受付時間:9:00~17:00(土日・祝日・年末年始を除く)
※2名様より、2週間前までに申し込み。

■深川東京モダン館
~江東区の観光・まちあるき案内所~
住所:江東区門前仲町1-19-15
電話:03-5639-1776
開館時間:10:00~18:00(金・土は19:00迄)
休館日:月曜(祝日の場合翌営業日)・年末年始

締めは伝統の『深川めし』アサリと”ネギマ”

締めは伝統の『深川めし』アサリと”ネギマ”
味噌と浅利をご飯にかけたいわゆる「ぶっかけ飯」

『深川めし』『深川丼』と呼ばれるものは、その多くはアサリやハマグリ、アオヤギなどの貝類の煮込みを米飯にかけたものや、炊き込んだものを指します。江戸の頃、深川のあたりでは潮干狩りができた土地だったため、伝統料理になったといわれていますが、古くはアサリではなく、バカガイ(アオヤギ)を用いていました。漁師がサッとかき込む”漁師飯”の一つが大衆化して今に伝えられています。味噌の風味もさることながら、アサリのアッサリした味わいが米によく合い、サラサラと何杯でも食べられそうです。

葱と鮪のトロ部分を関東風に煮込んだ”ネギマ”鍋
葱と鮪のトロ部分を関東風に煮込んだ”ネギマ”鍋

こちらは焼き鳥屋で聞く”ネギマ”ではなく、葱と鮪を用いていることから付けられた『葱鮪鍋』です。醤油ベースの鰹出汁が効いたスープに、白菜や豆腐などの具、たっぷりの鮪のトロの部分を入れて、葱を添えた鍋はその香りも鼻孔を擽ることながら、ホロホロと口の中で崩れる鮪の風味豊かな味わいが絶品。永代通り沿いの居酒屋で一杯飲んだ後や、冬の寒い日にも重宝しそうです。実際、『葱鮪鍋』は俳句では冬の季題にもなっています。深川っ子のみならず、江戸の町で好まれた鍋料理、深川探訪の締めに味わってみてください。

■日本料理 ふか川 一穂(いっすい)
住所:〒135-0042 東京都江東区木場2-8-8(MAP)
電話:03-3643-2255

筆者

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