ゆく夏を見送る京都・嵯峨野の「愛宕古道街道灯し」(京都府京都市)

公開日 : 2018年08月21日
最終更新 :
筆者 : Akio
陸橋から見る愛宕街道
陸橋から見る愛宕街道

夏も終わりが近づく2018年8月23日(木)から8月25日(土)、京都府京都市右京区の嵯峨鳥居本(さがとりいもと)地区では、過ぎゆく夏を送る行事として、「愛宕古道街道灯し(あたごふるみちかいどうとぼし)」が行われます。街道灯しとは、古い町並みの嵯峨鳥居本の街道に沿って、夕暮れ時から、約800基の行燈に灯りがともる伝統行事です。灯りは、代々続く鮎茶屋・平野屋のある嵯峨鳥居本から始まり、「嵯峨釈迦堂清凉寺」までの旧愛宕街道約2キロメートルにおよびます。夏の終わりに、幻想的な風景が広がる「愛宕古道街道灯し」へ出かけてみてはいかがでしょうか。

古い町並みが残る愛宕街道の歴史

古い町並みが残る愛宕街道の歴史
陸橋から見る愛宕街道・嵯峨鳥居本方面

嵯峨鳥居本地区は、嵯峨野の最北に位置し、江戸時代に愛宕山の頂にある愛宕神社の門前町として発達しました。「愛宕山愛宕神社」は、古くから火伏の神として信仰を集めています。京都市民の台所には、火伏の神である愛宕神社の「阿多古祀符火廼要慎」というお札がしばしば貼られています。

愛宕街道は重要伝統的建造物群保存地区

愛宕街道は重要伝統的建造物群保存地区
歴史ある「嵯峨鳥居本町並み保存館」

一の鳥居前から「化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)」を経て、「二尊院」、「嵯峨釈迦堂(清凉寺)」あたりまでの、昔の町並みが続く愛宕街道は、文化庁の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

一の鳥居の近くには、明治初期の町屋が復元された「嵯峨鳥居本町並み保存館」があり、愛宕街道のジオラマ模型などが展示されています。

また、愛宕街道から坂道を少し上ると、清滝街道があります。清滝街道のすぐ近くの「曼荼羅(まんだら)山」は、毎年8月16日に行われる五山送り火で「鳥居形」が燃えあがります。

来訪者を迎えるための灯篭の灯り

来訪者を迎えるための灯篭の灯り
嵯峨鳥居本の灯篭

「愛宕古道街道灯し」の始まりは、「化野念仏寺」の千灯供養への来訪者を迎えるためと、地域の地蔵盆を盛りあげるために、古い町並みが残る愛宕街道沿いに小さな灯籠の灯りを点したのが始まりでした。

800基もの行灯が並ぶ優しい和の灯り

800基もの行灯が並ぶ優しい和の灯り
手作り灯篭の数々

その後、「愛宕古道街道灯し」の灯りは年々大きくなり、今では子供からお年寄りまで、多くの方々が作る行灯が、大小800基ほど一斉に並びます。それぞれの行灯に描かれた絵や文字。一つひとつの和の灯りが、街道を幽玄に灯します。

高さ10メートルにもなる愛宕街道の灯り

高さ10メートルにもなる愛宕街道の灯り
淡い光が街道に灯ります

百年後も続くお祭りである様にとの願いを込めた行灯……。大小さまざまな行灯が、夏風に揺れながら淡い光を放ち、来訪者の目を楽しませます。大きな行灯は、なんと高さ10メートル近くにもなるそうです。

街道にともる幽玄な灯り
街道にともる幽玄な灯り

いかがでしたか。過ぎゆく夏を見送る「愛宕古道街道灯し」を紹介しました。夏の終わりに、幻想的な行灯の風景が広がる「愛宕古道街道灯し」へ出かけてみてはいかがでしょうか。

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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