日本三大桜のひとつ「山高神代桜」を愛で、「眞原の桜並木」を歩きませんか?
日本三大桜のひとつ「山高神代桜」は、山梨県北杜市の「実相寺(じっそうじ)」の境内にあります。樹齢1,800年とも2,000年ともいわれるエドヒガンザクラで、日本で最古、最大級の巨木として、 大正時代に国指定天然記念物第1号となりました。悠久の時を超え咲き続けるさまは、見る人に明日へのチカラをそっと差し出してくれているかのようです。すぐ近くには「眞原(さねはら)の桜並木」もあり、桜の時期に訪れたいスポットとなっています。
「山高神代桜」は長寿種エドヒガンザクラ
エドヒガンザクラは、野生種の桜のひとつです。彼岸の頃、ソメイヨシノよりも早く花を咲かせることから、その名がついたといわれています。長寿種であり、花を多く咲かせることから、たくさんの種類の桜の母種となっていて、ソメイヨシノの片親でもあります。
そのなかでも、日本一長く咲き続けているのが「山高神代桜」です。
樹齢は、推定で2,000年ほどだといわれています。調べることも難しいほど、長く咲き続けているのだそうです。1990(平成2)年には、新日本名木百選にも選ばれました。
1948(昭和23)年には、「3年以内に枯死する」との宣告を受け、再生事業が行われました。樹は息を吹き返し、2006(平成18)年に再生事業は完了。その後も大切に大切に守られてきました。
人には知ることのできない時を超えて花を咲かせ続ける神代桜。その姿は、見る人それぞれに何かを感じさせてくれることでしょう。
「山高神代桜」を守り続ける「実相寺」
日蓮宗の「実相寺(じっそうじ)」は、「甲斐の虎」と恐れられた名将武田信玄が、川中島の合戦の際、武運長久の祈願をしたといわれるお寺です。
創建以来、2度の火災に遭い歴史的建造物などは残っていませんが、境内の神代桜に被害はなく、桜の花は毎年咲き続けているそうです。神代桜は、「実相寺」に守られているのかもしれません。
「実相寺」には、神代桜だけではなく、境内に30本ほどのソメイヨシノのほか、全国各地の名桜の子桜も花を咲かせています。10万株の水仙のやわらかな黄色と桜、そして雪を頂いた南アルプス連峰の青と白。「実相寺」の境内からは、コントラストも鮮やかな春の風景を目にすることができます。
750メートルの桜のトンネル「眞原の桜並木」
「山高神代桜」よりは1週間ほど開花時期が遅れますが、「実相寺」から車で5分ほどのところにも、桜を楽しみたいスポット「眞原(さねはら)の桜並木」があります。約200本のソメイヨシノが美しい花を咲かせ、750メートルに渡り桜のトンネルが続きます。木漏れ日と桜のシャワーを浴びながら歩けば、日常の喧騒を忘れリフレッシュできることでしょう。
その桜並木からは、南アルプス連峰の雄々しくのびやかな姿を望むことができます。
「眞原の桜並木」は車でも通行できますが、一方通行になっていますので進入方向にご注意ください。
桜並木の西側には、「しだれ桜の里」があります。桜並木をゆったりと歩き、しだれ桜を愛でつつ、のんびりと散策するのも楽しいでしょう。
お花見をするにあたり
「実相寺」、また「眞原の桜並木」の周辺には露店が出ていますが、敷物をしいて食事をする宴会タイプのお花見はできません。マナーを守り、楽しくお花見をしましょう。
いかがでしたか。悠久の時を超え咲き続ける神代桜の神々しい姿。そして、桜降りそそぐ桜並木のトンネル。この春は、山梨へ桜を愛でに行きませんか。
筆者
山梨特派員
水月
2000年に山梨県北巨摩郡明野村(現 北杜市明野町)に移住。田舎暮らしを始めました。3人の子育て経験や女性ならではの視点、食いしん坊の資質を生かして、山梨の魅力を発信していきたいと思っています。
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