【絶景】岩礁に立つ神磯鳥居!茨城県大洗町
大洗町(おおあらいまち)は、茨城県の太平洋側のほぼ中心にあり、首都東京からは約100kmの距離に位置しています。大洗港からはフェリー「さんふらわあ」が北海道・苫小牧港との間を運航しているほか、北関東自動車道や常磐道の全線開通により、群馬・栃木・宮城・福島などとダイレクトに結ばれ、茨城空港とあわせニューゲートウェイとしての発展が期待されています。穏やかな気候に恵まれた観光・保養の地であり、日本三大民謡のひとつ「磯節」でも謳われる白砂青松の景勝地です。豊かな自然に溢れ、観光資源に恵まれた地ですが、今回は絶景スポットや歴史について紹介します。
絶景の日の出スポット【大洗海岸の神磯鳥居】
平安時代(856年)に海岸の岩礁に神が降り立ったと言われる地・神磯に立つ鳥居は、海岸沿いの高台にある大洗磯前神社の鳥居の一つです。
鳥居が朝日に照らされ、太平洋の荒波が岩礁に当たり白く砕ける瞬間は、まさに神々しい光景です。
徳川光圀公がこの神社を参拝したときに、あまりに神々しいこの景観を称え「あらいその岩にくだけて散る月を一つになしてかへる月かな」と詠んだとか。
なお、現地は滑りやすい岩場となっていて、過去には海に転落するなどの死亡事故も発生しています。見学の際は、現地に掲示されている注意書きなどの指示に従うようにしましょう。
■神磯鳥居(大洗磯前神社)
・住所: 〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890(大洗磯前神社)
・URL: http://oarai-isosakijinja.or.jp/jinja/kamiiso.html
茨城県指定文化財【大洗磯前神社】
大洗山にあり、大己貴命(おおなむちのみこと)・小彦名命(すくなひこなのみこと)の2柱を祀った神社です。県指定文化財の本殿・拝殿をはじめ関東有数の大鳥居がよく知られており、古くから家内安全・海上交通の守り神として信仰を集めています。境内には高浜虚子三大句の碑や海洋博物館があります。
■大洗磯前神社
・住所: 〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890
・URL: http://oarai-isosakijinja.or.jp/index.html
歴史に結びついた石碑を巡る「巌船の夕照(いわふねのせきしょう)」
水戸藩主徳川斉昭(烈公)が水戸八景のひとつとして選定した「巌船の夕照(いわふねのせきしょう)」です。願入寺のうしろ、眼下に那珂川と涸沼川が合流し、はるかに筑波山を望む景勝地です。天保5年「巖船夕照」と自筆し寒水石の碑を建てました。
こちらは「日本三大民謡」の一つとして大洗で生まれた「磯節」の発祥地を記念した石碑です。水戸出身の名横綱「常陸山」の付き人である「関根安中」が巡業中に歌い広めたとされています。
明治、大正時代の児童文学者・山村暮鳥は、海への憧れから晩年大洗に住み、愛するこの地で文学活動の幕を閉じました。碑には「雲」の一節が刻まれています。
近代日本の夜明けを学ぶ「幕末と明治の博物館」
幕末から明治に活躍した人々をビデオやジオラマで紹介していて、幕末から明治期の書画や遺品も多く、激動の時代を体感することができます。
■大洗町幕末と明治の博物館
・住所: 〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8231-4
・URL: http://www.bakumatsu-meiji.com/
海を臨む観光・保養の地として歩みを進めてきた大洗町。古くは海での塩湯治や温泉などで体を癒しながら新鮮な海の幸を堪能するため、多くの著名人も訪問していたとか。現在でもさまざまな観光施設が立ち並び、茨城県内随一の観光地として人気を集めていますが、港町の風景や歴史に触れることで新たな一面を楽しめることだろう。
※本記事は、「日本の歩き方」内、「おでかけガイド」に2016年1月14日に掲載されたものです。
筆者
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