香港の新たな魅力を発見!路線図を使った散策コース「runtheMTR」

公開日 : 2021年03月29日
最終更新 :
Disneyland Resort内も散策(画像提供:runtheMTR)
Disneyland Resort内も散策(画像提供:runtheMTR)

香港政府観光局がおすすめする香港在住のカナダ人親子が発信している電車の路線図を使ったランニングでの香港散策コースを紹介します。香港のディズニーランドからグルメスポット、見晴らしのいい観光スポットまで、そのコースはさまざまです。

【はじめに】2021年3月25日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、「近い将来に旅したい場所」として、世界の観光記事の発信を2020年6月以降、再開することにいたしました。
世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。

香港在住の親子が考えたおすすめ散策コース

香港在住の親子が考えたおすすめ散策コース
香港の町並み(画像提供:香港政府観光局)

旅行の計画を立てるときに限られた時間のなか、どこでどれだけの時間を使うかというジレンマに悩まされることがありませんか? 観光名所を訪れるのはもちろんですが、何か違った刺激的なことをしてみたいと思うこともあるでしょう。

もし香港への旅行が選択肢にあるならばもう迷う必要はありません。香港在住のカナダ人、マージ(Marj)さんとジリアン・プリチャード(Gillian Pritchard)さん母娘は通常の観光ルートから外れて、香港の町を探索する斬新な方法を考案しました。それは、彼らのウェブサイト「runtheMTR」(http://runthemtr.hk/)に掲載されています。
ふたりが提案する香港のライフラインである公共交通機関「MTR(電車)と一緒に町を探索する魅力的な方法」を紹介します。

MTRに沿った散策ルート(画像提供:runtheMTR)
MTRに沿った散策ルート(画像提供:runtheMTR)

「MTR(電車)と一緒に町を探索する魅力的な方法」といっても、チケットを買って電車に乗るのではありません。地上の道路をMTRの路線に沿って走り、町を横断し、その土地の景色や音、匂いを楽しむのです。

runtheMTRは、母の日にマージさんとジリアン・プリチャードさんが、プレゼントを渡す代わりに、「Island Line Run」 (港島線ランニング)を計画したことからスタートしました。
そのルートは、MTRの人気路線の港島線(Island line)の端から端まで、香港島の西側の堅尼地城(Kennedy Town)駅から東側の柴湾(Chai Wan)駅までを風光明媚なハーバーフロントに沿って走るというものでした。これが大成功したので、ふたりは「香港のMTR全線を自分の足で走れるのではないか」と考え、runtheMTRが誕生しました。

この方法で旅行者が香港を探索することの最大の利点は、いい運動になることと、さまざまな発見があることです。それでは、runtheMTRのロードトリップの様子を見ていきましょう。

最も簡単なルート「Disneyland Resort Line」

最も簡単なルート「Disneyland Resort Line」
ランニングでの散策(画像提供:runtheMTR)

Disneyland Resort Line(迪士尼線)は、MTRの路線の中で最も短く、2駅しかありませんがそのぶん目新しさがあります。きれいに整備されたディズニーランドの敷地内を走ると、幻想的な雰囲気を味わうことができます。MTRの路線上を走るオンロードの「ミッキー・ルート」と、ふたつの駅の距離をカバーするためにいくつかの小道に入るオフロードの「グーフィー・ルート」のどちらかを選ぶことができます。

欣澳(Sunny Bay)駅から始まる3.5kmの「ミッキー・ルート」は、平らな舗装道路に沿って進みます。ウォームアップが終わったと思う頃に、香港ディズニーランドの緑のアーチが見えてきます。ここからは、お気に入りのディズニーソングを口ずさみながら、廸士尼(Disneyland)駅までのラスト1kmを走ります。ディズニーの噴水を背景に写真撮影を楽しむこともおすすめです!

Disneyland Resortの入口(画像提供:runtheMTR)
Disneyland Resortの入口(画像提供:runtheMTR)

マラソンルートだけでなく、風水の要素が取り入れられたテーマパークでの1日とランニングを組み合わせ、オリジナルのプランでテーマパークを巡りましょう。ミッキーマウスやその仲間たちとの出会いは、何歳になっても飽きることはありません。

また、もしあなたが冒険好きなら、ディズニーランドで初めてのマーベル作品をモチーフにした乗り物を体験してみてください。3Dモーションシミュレーションでアイアンマンと一緒に町を守りましょう。
静かに過ごしたいという方には、静寂につつまれたインスピレーション・レイクの周りを散歩するのがおすすめです。

■Disneyland Resort Line(迪士尼線)のコース
・URL: http://runthemtr.hk/route/disneyland-resort

最も困難なルート「West Rail Line」

最も困難なルート「West Rail Line」
ローカルエリアを散策(画像提供:runtheMTR)

52.6kmのマラソンに匹敵する距離を誇るWest Rail Line(西鐵線)は、最も挑戦しがいのあるルートです。
屯門(Tuen Mun)駅をスタートし、ゴールである紅磡(Hung Hom)駅までの区間はほとんど平坦ですが、錦上路(Kam Sheung Road)駅と荃湾西(Tsuen Wan West)駅の間には、大欖郊野公園(Tai Lam Country Park)を通る480mの上り坂が待ち構えています。

マージさんとジリアン・プリチャードさん母娘(画像提供:runtheMTR)
マージさんとジリアン・プリチャードさん母娘(画像提供:runtheMTR)

このルートは、にぎやかな商店街から美しい都市公園やウォーターフロントの遊歩道まで、香港のさまざまなな側面を見ることができます。出発前に、屯門(Tuen Mun)にある青松觀(Ching Chung Koon)の道教寺院、純陽寶殿(Palace of Pure Brightness)で宗教的建築物を見たり、有機農場で有名な元朗(Yuen Long)へ向かうMTRのルートに沿って、頭上を横切る列車の数を数えたりなど、いろいろな楽しみ方があります。

錦上路駅を過ぎると電車はトンネルを通過するため、マラソンルートは迂回をして大欖郊野公園(Tai Lam Country Park)を登ります。ここでは、電車の代わりに猿が荃錦公路(Route Twisk)まで一緒に登ってくれます。

荃錦公路(Route Twisk)を登ったあと、ルートから外れてマクリホース・トレイル(麦理浩径)から、大帽山道(Tai Mo Shan Road)を散歩することもおすすめです。香港で一番高い山である大帽山には、飲茶レストランの端記茶楼(Duen Kee Chinese Restaurant)があり、雲の上での食事を堪能することができます。空いているテーブルを見つけてお茶を注ぎ、厨房から出てきたばかりのおいしい点心に舌鼓を打つのが、このローカル食堂での過ごし方です。

暑い日には、下り坂の途中にある小さな売店のフローズンパイナップルを食べましょう! 天気がいい日には、大帽山を背景にすばらしい写真を撮ることができます。

■West Rail Line(西鐵線)のコース
・URL: http://runthemtr.hk/route/west-rail

■純陽寶殿(Palace of Pure Brightness)
・URL: https://www.discoverhongkong.com/ca/interactive-map/ching-chung-koon.html

■マクリホース・トレイル(麦理浩径)
・URL: https://www.discoverhongkong.com/ca/explore/great-outdoor/maclehose-trail-stages-1-and-2.html

最も変化に富んだルート「The South Island Line」

最も変化に富んだルート「The South Island Line」
高台からの見晴らし(画像提供:runtheMTR)

The South Island Line(南港島線)は、わずか11.4kmの中にすべてが詰まっています。このルートは、世界で最も人口密度の高い島のひとつである香港島の金融街の中心である金鐘(Admiralty)駅から出発し、鴨脷洲(Ap Lei Chau)の海怡半島(South Horizons)駅がゴールです。市街地、都市公園、水辺のトレイルが融合したこのルートを走れば、香港がいかに対照的なものが混在する町なのかがわかるはずです。

スタート地点の金鐘駅では、ビジネスウェアに身を包んだ人がちらほら。少々場違いな感じがするかもしれませんが、すぐに野生のイノシシと出合えるアバディーンカントリーパーク(香郊野公園)にたどり着きます。餌を与えたりせず、安全な距離を保って観察してください。

香港で最も古く、伝統的な産業のひとつである魚市場のアバディーン(香港仔)に寄り道をするのもおすすめ。小さな漁船がゆらゆらと出入りする様子はとても魅力的で、タイミングがよければとれたての海鮮を入手できます。街市とよばれる市場にあるフードコートや鴨脷洲街市及熟食中心(Ap Lei Chau Cooked Food Market)に立ち寄って、出店で手頃な食事を楽しむこともできます。

このルートの特徴は、アバディーンカントリーパークの300mの登り道、利東(Lei Tung)駅と海怡半島駅の間の50mの短い登り道、そしてアバディーン貯水池(香港仔水塘)のすばらしい景色が見られる金夫人馳馬徑(Lady Clementi's Ride)に沿って走るトレイルのセクションです。
また、山に彫られたオーシャンパーク(海洋公園)のタツノオトシゴのトピアリーも必見です。

■The South Island Line(南港島線)のコース
・URL: http://runthemtr.hk/route/south-island

散策ではすてきな出会いも(画像提供:runtheMTR)
散策ではすてきな出会いも(画像提供:runtheMTR)

runtheMTRは、香港を理解するための最もユニークな観光方法のひとつです。各ルートのコースをダウンロードして、自分のフィットネスデバイスで見ることもできます。

■runtheMTR
・URL: http://runthemtr.hk/

■香港政府観光局
・URL: https://www.discoverhongkong.com/jp/index.html

次回の香港旅行ではruntheMTRを使って町を散策してみてはいかがですか。

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※当記事は、2021年3月25日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年3月25日現在、香港への日本からの観光目的の渡航はできません。渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』のメディアサイト『地球の歩き方web』を運営しているチームです。世界約50の国と地域、160人以上の国内外の都市のスペシャリスト・特派員が発信する旅の最新情報をお届けします。

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