香港のウェルネスシーン【サステイナブル編】レストラン、工芸、ファッションなど

公開日 : 2020年09月28日
最終更新 :
サステイナブルに関する賞を受賞したレストランAmberの料理長であるRichard Ekkebus氏
サステイナブルに関する賞を受賞したレストランAmberの料理長であるRichard Ekkebus氏

香港政府観光局がおすすめする香港のウェルネスシーンを紹介してきました。最後となる第3弾は、ホテルやレストラン、アート、ファッションなどの分野でのサステイナブルな取り組みについてです。 この数年間で、環境保護やサステイナビリティーが香港の生活のなかに浸透し、多くの人がこれまでより環境に優しいものを求めるようになっています。企業にも広がるその取り組みを紹介します。

【はじめに】2020年9月24日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、2020年5月31日で「期間限定の電子書籍読み放題サービス」が終了したこともあり「近い将来に旅したい場所」として、世界の現地観光記事の発信を2020年6月以降、再開することにいたしました。

世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。

脱プラスチックなどに取り組むホテルやレストラン

脱プラスチックなどに取り組むホテルやレストラン
Roganic香港が提供する地元のWah Keeファームの豚肉を使ったメニュー

地域にあと押しされる形で多くの香港企業が環境フットプリントを見直し、より明るい未来に向けて取り組んでいます。環境に配慮した宿泊施設も増えてきており、ホテルアイコンや香港海洋公園マリオット・ホテル、ザ・マレー香港などは、使い捨てプラスチックの使用禁止やオーガニックやナチュラルなトイレタリー製品の使用、電気自動車による送迎などにより二酸化炭素排出量を削減する取り組みを進めています。

■ホテルアイコン
・URL: https://www.hotel-icon.com/icon-edit/sustainability-in-hotel-icon

■香港海洋公園マリオット・ホテル
・URL: https://www.marriott.com/hotels/travel/hkgop-hong-kong-ocean-park-marriott-hotel/

■ザ・マレー香港
・URL: https://www.niccolohotels.com/hotels/hongkong/central/the_murray/index.html

飲食業界でも、Sohoに店舗を構えるMANA! やマンダリンオリエンタルホテルのAmber、コーズウェイベイ(銅鑼湾)のRoganic、セントラル(中環)にあるSohofamaなどで率先した取り組みが行われています。特に、料理長のRichard Ekkebus氏が率いるAmberは「2020年アジアのベストレストラン50」で「サステイナブルなレストラン賞」を受賞。各レストランでも食材を信頼できる業者から調達し、食品ロスを削減し、プラスチックの使用を避け、植物ベースの料理を重視しています。

■MANA!
・URL: https://www.mana.hk

■Amber
・URL: https://www.mandarinoriental.com/hong-kong/the-landmark/fine-dining/restaurants/contemporary-cuisine/amber

■Roganic
・URL: https://www.roganic.com.hk

■Sohofama
・URL: https://sohofama.com

伝統工芸家と現代職人のコラボで残す文化遺産

伝統工芸家と現代職人のコラボで残す文化遺産
Crafts on Peelに展示されているアーティストのLam Duen Shan Mingの陶器作品「Liberty of the Wind」

文化遺産保存の取り組みでは、香港の起業家たちが伝統工芸や伝統文化に対する革新的なアプローチを試みています。例えば創造的で体験的な場を提供するブティックCrafts on Peel。1月に設立されたこの革新的な非営利団体は、世代を超えたコラボレーションを促進することにより、香港の「サンセットサバイバー(日没後の生き残り)」と呼ばれる伝統的な工芸職人界にサステイナブル・エコシステムを構築。竹細工や鳥籠、銅器、磁器の絵付けなどの伝統技法に新しい生命が吹き込まれ、ハイブリッドな作品が生まれています。

Yama Chan氏
Yama Chan氏

Crafts on Peelの創立者、Yama Chan氏はこう語ります。「Crafts on Peelは、伝統工芸家と現代の職人のコラボレーションを推進し、伝統工芸を活性化する取り組みをしています。伝統工芸に新たな息吹や革新的な現代デザインを吹き込むことで、価値の高い伝統工芸技術に今の時代を取り入れていくことを目指しています」 。

■Crafts on Peel
・URL: https://www.craftsonpeel.com

環境を考えて進化するファッションブランド

環境を考えて進化するファッションブランド
環境サステイナビリティーに配慮したデザインをするAngus Tsui氏 写真:Isaac Wo

高級ファッションブランドの間でも環境に優しいアプローチが広がっています。
2011年エコシックデザインアワード(現Redressデザインアワード)の受賞デザイナーとして名高いJanko Lam氏により創設された新装如新(Classics Anew)。同ブランドは、香港の伝統ファッションを社会との深い関わりのなかで進化させることを目指しています。
セントラル(中環)のPMQに店舗を構え、サステイナブルな現地ファッションブランドとして、現代的なシルエットや柄、プリントを使った新しい形の伝統的な中国スタイルを提案。ウォン・カーウァイ監督の映画『花様年華』に出てくるようなクラシックなチャイナドレス、さらには立て襟や、長袍、人民服などが現代的にアレンジされています。

■新装如新(Classics Anew)
・URL: https://classicsanew.com/en

Paper Shadesの環境に優しいサングラス
Paper Shadesの環境に優しいサングラス

上品なサングラスといえば、エシカルなアイウエアレーベルPaper Shades。丈夫で長く使えるリサイクル紙で環境に優しいサングラスを製造しており、どんな形の顔にもフィットするように設計されています。
数々の賞を受賞した香港のデザイナーAngus Tsui氏はサステイナビリティーを重視し、全制作過程で廃棄物ゼロの考え方に基づく判断を行っています。「スローファッション」の観点から、年1回、季節を通した鮮烈なコレクションを発表。啓発チャリティープロジェクトANCaresではワークショップやセミナー、展示会などによりサステイナビリティーに対する啓発活動を行っています。

■Paper Shades
・URL: https://www.papershades.net

■Angus Tsui
・URL: http://www.angustsui.com

サステイナブルな商品を取り扱うインテリア・ライフスタイルストア

サステイナブルな商品を取り扱うインテリア・ライフスタイルストア
Slowoodのガラス張りの外観

ケネディータウン(堅尼地城)とディスカバリーベイ(愉景湾)からミニマルなライフスタイルを発信するSlowoodは、サステイナブルな生活雑貨やオーガニック食品、自然派美容製品をいち早く提供してきました。販売しているSundaysのヴィーガン向けマニキュアやEiRのひんやり冷たいココナッツリップクリームなどには根強いファンがいます。

Slowoodのスタイリッシュな店内
Slowoodのスタイリッシュな店内

サイインプン(西営盤)にひっそりたたずむThorn and Burrow。同店では、スタイリッシュでサステイナブルなインテリア製品、環境に優しい家具、豪華な手織りラグ、再利用可能なウォーターボトル、トルコ製タオル、幅広い色展開の無害の水性チョークペイントなどを取り扱っています。

■Slowood
・URL: https://www.slowood.hk

■Thorn and Burrow
・URL: https://www.thornandburrow.com

■香港政府観光局
・URL: https://www.discoverhongkong.com/jp/index.html

再び海外旅行ができるようになったら、香港のウェルネスシーンを巡ってみてはいかがでしょうか。

≫≫≫(関連記事)
「香港のウェルネスシーン【自然編】トレッキング、ウオータースポーツ、グランピングなど」
「香港のウェルネスシーン【心身の健康編】スパや鍼、茶瞑想など」
香港旅行に役立つ記事はこちら

※当記事は、2020年9月24日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2020年9月24日現在、香港への日本からの観光目的の渡航はできません。渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』のメディアサイト『地球の歩き方web』を運営しているチームです。世界約50の国と地域、160人以上の国内外の都市のスペシャリスト・特派員が発信する旅の最新情報をお届けします。

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