コロナ後に絶対行きたい!ウズベキスタンの魅力と「今」

公開日 : 2021年03月28日
最終更新 :
サマルカンドのレギスタン広場
サマルカンドのレギスタン広場

中央アジア、シルクロードの十字路と言われ、世界中がパンデミックに見舞われる前の2019年の『ニューヨークタイムス』や『ガーディアン』などで、人気の旅先上位にランクインしたウズベキスタン。コロナ禍で静かな時間を過ごしながらも、着々と観光客を迎える準備を進める同国の魅力や「今」をお伝えします。

【はじめに】2021年3月23日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、「近い将来に旅したい場所」として、世界の観光記事の発信を2020年6月以降、再開することにいたしました。
世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。

歴史ある観光地に新しい施設も続々誕生

歴史ある観光地に新しい施設も続々誕生
ブハラの中心部に立つカラーンモスクのミナレット

ウズベキスタンの定番観光ルートは、世界遺産登録されているサマルカンド、ブハラ、ヒヴァといった、シルクロードの面影を色濃く残す町を巡る旅。

特にサマルカンドは紀元前10世紀頃から栄えはじめた、ローマと並ぶほどの歴史をもつ古都です。かつてこの地を統治したティムールが愛した「青」のタイルで装飾された壮大な建築物が数多く残っていて、青の都として世界中の多くの観光客を惹きつけています。ブハラはかつて中央アジアのイスラム文化の中心であった町で、その美しさは今なお健在。こぢんまりした町を散策しながら、さまざまな遺跡を見学したり、愛らしい工芸品を見つけたり、そんな楽しみが似合う町です。ヒヴァは町自体が博物館と呼んでいいほど、シルクロード時代の面影をそのまま残す町。その場所に身を置くだけでタイムスリップしたような気分が味わえます。

今までも多くの観光客が訪れていたこうした町にも、ここ1~2年の間にさまざまな観光施設ができあがりました。例えば昨年ブハラにできたブハラ・デザートオアシス&スパ。町の郊外の砂漠の中で、ウズベキスタンの伝統芸能を楽しんだり、リラクゼーション体験ができたりする注目の施設です。サマルカンドの町外れコニギリ・メロスは、これまであったサマルカンドペーパーの工房を中心にコニギリ・ツーリストタウンとして生まれ変わりました。紙すき工房見学はもちろん、サマルカンドに古くから伝わる陶器制作や絨毯制作などの工房を見て回ることができるようになっています。

知られざる仏教遺跡も今後は注目の観光スポットだ

知られざる仏教遺跡も今後は注目の観光スポットだ
ウズベキスタン歴史博物館に展示されているガンダーラ仏

日本人にはまだあまりポピュラーではありませんが、ウズベキスタン南部テルメズ周辺は、世界的な仏教遺跡が残る場所として知られています。1968年にこの地で仏像が見つかり、その後、ファヤズ・テパ(紀元前1世紀~紀元後3世紀)、カンピル・テパ、カラ・テパといった古代の仏教寺院を発掘。古代の音楽家たちが描かれた『アカンサスと三楽人』などの浮彫断片(アイルタムのフリーズ)が発見され、かつてこの地で仏教が信仰されていたことが証明されました。

テルメズ周辺ではほかにもヘレニズム文化の遺物も見つかっており、考古学的に非常に貴重な場所となっています。なお、テルメズでの出土品の一部は首都タシケントのウズベキスタン歴史博物館にも展示されています。

オープンスカイ導入空港が増え、今後アクセスがよくなる可能性も

オープンスカイ導入空港が増え、今後アクセスがよくなる可能性も
ウズベキスタンの空の玄関口、タシケント国際空港 @istock

日本からウズベキスタンへのアクセスは、成田からウズベキスタン航空直行便で、あるいは日本各地からソウル経由の大韓航空・アシアナ航空でタシケントへ入るのが一般的です。また2020年8月には、世界遺産都市ブハラ、世界遺産ヒヴァへの拠点都市ウルゲンチ、さらにウズベキスタン東部のアンディジャンの各空港がオープンスカイ(航空会社の路線や便数、乗り入れ企業、運賃などの規制を取り払うこと)を導入しました。

海外からの路線受け入れ規制が今後3年以内にすべて撤廃されることから、こうした都市へ、世界各国からのフライト就航が期待されています。タシケントから入ってブハラやウルゲンチから帰国、あるいはアンディジャンをベースにウズベキスタンの工芸の町が集まるフェルガナ盆地を周遊するなど、さまざまな旅のルーティングが楽しめるようになるはずです。

ミルジヨーエフ大統領が観光施策を推し進める

ミルジヨーエフ大統領が観光施策を推し進める
国連総会で演説するミルジヨーエフ大統領

ウズベキスタンがこれほど観光に力を入れるようになったのは、2016年にミルジヨーエフ氏が大統領に就任してからのこと。日本人がビザなしでウズベキスタンへ渡航できるようになったのも、実は現大統領になってからのことです。

2018年2月に「ウズベキスタン共和国の観光発展の加速化対策」に関する大統領令が発出され、観光はウズベキスタン経済の安定した成長を促す重要分野となりました。2020年9月の第75回国連総会において、ミルジヨーエフ大統領が提案した国際フォーラム「世界文明の交差路にある中央アジア」の開催はユネスコも支持。今後はこのフォーラムを通して、世界中にウズベキスタン独特の文化やすばらしい遺産の数々を発信していくことになるでしょう。

ウズベキスタンと新型コロナウイルス

ウズベキスタンと新型コロナウイルス
ウズベキスタンの感染状況と観光への影響 @istock

全土で1日平均100人未満の感染者確認というレベルまで落ち着いてきています。

海外からの観光客の受け入れもすでに開始しており、入国後の自主隔離も必要なし。世界各国の感染状況をレベル分けし、その国から来る渡航者に対し、ウズベキスタン入国時にどんな書類の提示を求めるかを定めており、一部の国はPCR検査証明書などを特に必要とせず入国を認められています(2021年3月16日現在、日本からの渡航はPCR検査陰性証明書が必要)。

ウズベキスタンを訪れた渡航者が新型コロナに感染した場合は、その医療費を保障する仕組みが設けられていたり、「Uzbekistan Safe Travel Guaranteed」と呼ばれる感染症対策を徹底している安全な観光施設がリストアップされていたりと、観光客受け入れの体制も整いつつあります。

◆ウズベキスタンの情報収集なら

ウズベキスタン政府観光局(英語)
・URL: https://uzbekistan.travel/en/

※当記事は、2021年3月23日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年3月23日現在、ウズベキスタンへの日本からの観光目的の渡航はできません。渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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