シャンパーニュの町エペルネーでノンアルコールでも楽しめるスポット3選

公開日 : 2021年08月08日
最終更新 :
エペルネーのシャンパーニュ通り
エペルネーのシャンパーニュ通り

シャンパーニュ(シャンパン)の有名メゾン(ワイナリー)が立ち並ぶ場所として知られるフランス東部の町エペルネー。メゾン訪問と試飲が観光の定番コースですが、ノンアルコールでも楽しめるスポットを集めてみました。

気球に乗って上空からエペルネーを発見

気球に乗って上空からエペルネーを発見
シャンパーニュ通りと気球

エペルネーに来たらぜひ試したいのが、町の中心部シャルル・ド・ゴール広場にある係留気球のアトラクション「ル・バルーン・デペルネー」です。係留気球とはロープなどで一地点とつながれた、自由に移動しないタイプの気球です。エペルネーの上空150mまで上昇し、空から360度の景色を12分間楽しめます。定員は最大29名。友人や家族みんなで乗ることが可能です。

午前から午後まで定期的に空に上がっていて、エペルネー市内で今まで訪れた場所、またはこれから訪れる場所などが、インターネットの地図アプリのように、実際の景色として広がります。シャンパーニュはユネスコの世界遺産に「シャンパーニュの丘陵・メゾンとカーヴ」として登録されており、エペルネーにある「シャンパーニュ通り」もそのスポットに含まれています。

気球から望むエペルネー市内
気球から望むエペルネー市内

日中の景色もすばらしいですが、日が暮れてからの回は夜景のエペルネーを堪能でき、こちらもロマンティックです。乗り場には土産物などを売るショップも併設されています。

シャルル・ド・ゴール広場に係留された気球
シャルル・ド・ゴール広場に係留された気球

気球とエペルネーの町は歴史的にもつながりがあります、エペルネーにあるシャンパーニュ・メゾン「メルシエ」を立ち上げたウジェーヌ・メルシエは、それまでの伝統を破りシャンパーニュを誰にでも楽しんでもらえる飲み物へと成長させた人物ですが、彼は広くシャンパーニュを宣伝するために、世界博覧会、鉄道、映画などさまざま手段を用いました。そのひとつが1900年にパリで開かれた万国博覧会にて、広告のために展示した初の係留気球です。

1900年の万国博覧会でウジェーヌ・メルシエは、自身で発想し、リュミエール兄弟(映画の原型であるシネマトグラフを発明した人物)により制作された『ブドウからグラスへ』というタイトルの映像も、来場者に向けて上映しました。

■Le Ballon d’Epernay
・住所: Esplanade Charles de Gaulle 51200
・URL: https://www.ballon-epernay.com/

エペルネー・シャンパーニュワイン地域考古学博物館で地方の歴史と文化を知る

エペルネー・シャンパーニュワイン地域考古学博物館で地方の歴史と文化を知る
博物館の正面外観

エペルネー・シャンパーニュワイン地域考古学博物館がある建物「シャトー・ペリエ」は、1852年から1857年にかけて、建築家のピエール・ウジェーヌ・コリディエにより建てられました。この地方における最初の折衷様式の建築物で、ファサードはパリのリュクサンブール宮、チュイルリー宮、ルーヴル宮のレスコ翼といったフランス・ルネサンス建築とルイ13世様式からインスピレーションを受けたものです。

内装は、オペラ・ガルニエやパリ市庁舎の装飾を作った職人により、手がけられています。シャトー・ペリエは、シャンパーニュ・メゾンであるペリエ・ジュエの社長であり、また相続人であるシャルル・ペリエの個人邸宅およびワイン貯蔵庫として、建てられました。

シャルルは妻とともに1856年にこの建物へ移り、1878年に亡くなるまで同所に住んでいました。夫妻が亡くなったあとは、甥のアンリ・ガリスが邸宅を相続。ペリエ・ジュエも彼が率いています。

天井に施された緻密な装飾
天井に施された緻密な装飾

第一次大戦中、シャトー・ペリエは仮設の病院として使われました。大きな地下空間に、イタリア軍部隊の負傷者を収容していました。1939年から1940年にかけては、イギリス空軍がシャトー・ペリエを収容し、1943年から1944年にかけてはドイツ軍によって占領。そして1945年には、ノルマンディーから上陸したアメリカ軍がこの建物を所有しました。

博物館にはシャンパーニュ地方の豊かな文化遺産がコレクションされています。おもに「岩層と白亜質のシャンパーニュ地方の下層土」「シャンパーニュ地方における人類の歩み」「シャンパーニュの製造と歴史」「19世紀ベルエポックの時代の開拓者と支えた人々」の4つから構成されています。

出土した装飾品や土器
出土した装飾品や土器
博物館に展示されている絵画
博物館に展示されている絵画

エペルネー・シャンパーニュ博物館を見学すると知識が整理され、今まで歩いていたエペルネーの町も、また違った風景に見えてくるはずです。

■Musée du vin de Champagne et d'Archéologie régionale d'Epernay(エペルネー・シャンパーニュワイン地域考古学博物館)
・住所: Château Perrier 13 avenue de Champagne 51200
・URL: https://archeochampagne.epernay.fr/

郊外巡りは2階建てオープンカーのバスツアーで

郊外巡りは2階建てオープンカーのバスツアーで
ツアーはダブルデッカーのオープンカーを使う

エペルネーに来たら、町なかだけでなく郊外の村にも足を延ばすことをおすすめします。そこにはブドウ畑が一面に広がり、生産者の息遣いがすぐそばで聞こえてくるからです。もしお酒を飲めなくても、丘陵地の一面に広がるブドウ畑やワイン農家が農作業を行う様子は、一見の価値があります。

エペルネーにはいくつか郊外のメゾンを巡るツアーがありますが、マリー・アントワネット・ドゥノワさんが営むバスツアー「ランペリアル・ド・マリー・アントワネット」は、2階部分がオープンカーになったダブルデッカーのバスを使い催行されています。

2階部分が開いていると、通常のバスツアーと開放感がまったく異なります。ブドウ畑が広がるコート・デ・ブランの丘陵地を走りながら、2階部分から望むシャンパーニュ地方の景色はとても美しいです。

コート・デ・ブランの丘陵地
コート・デ・ブランの丘陵地

「ユネスコ世界遺産の散歩」「小規模生産者巡り」「チーズとシャンパーニュ体験」などテーマ別に設定された半日または1日のツアーのほかに、貸切で自由にツアー内容を組むこともできます。マリー・アントワネットさんの朗らかな性格と解説、そして美しい景色でシャンパーニュ地方を存分に堪能してみましょう。

■L’impériale de Marie Antoinette(ランペリアル・ド・マリー・アントワネット)
・URL: https://imperiale-marie-antoinette.fr/

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※当記事は、2021年8月3日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年8月3日現在、ほとんどの国で観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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