ベル・エポックのパリを秘めたプランタン・オスマンのガイド付きツアー開始!(フランス・パリ)

公開日 : 2019年03月07日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
歴史建造物プランタン オスマンのファサード一部 ©Printemps Haussmann
歴史建造物プランタン オスマンのファサード一部 ©Printemps Haussmann

フランス・パリの老舗デパート、プランタンと聞いて、普通まず頭に浮かぶのは「モード」や「ショッピング」でしょう。それも、もちろん間違いではありませんが、実はプランタンは、国の歴史建造物に指定されるほどの価値を持っているのです。これまで一般公開されていなかったこのモニュメントの大部分が、うれしいことに、2019年から見学可能となりました。今回は、プランタン・オスマンの見学ツアー「プランタン デパート、その秘密と舞台裏」を紹介します。

パリ変革期に生まれたデパート

パリ変革期に生まれたデパート
屋上から見渡せるパリの街並み ©Printemps Haussmann

プランタン創業は1865年のこと。ナポレオン三世による第二帝政の時代でした。広く知られるように、この時代、パリは大きく変革されました。ナポレオン三世の命を受けたセーヌ県知事ジョルジュ・オスマンが、大規模な都市整備を行い、今のパリのおおもとを作りあげたのです。

言いかえれば、パリ、またフランスの近代化の時代でもあったわけです。

蒸気、電気といった動力を得て、数々の革新的アイディアが花咲いた時期、1889年のパリ万国博覧会には、そういった当時の最先端の技術が勢ぞろいし、パリ市民の度肝を抜きました。

当時最先端の素材と技術を駆使

当時最先端の素材と技術を駆使
19世紀後半の店内の様子 ©Printemps Haussmann

火災の被害を受けたプランタンが1883年に再建される際、建築家ポール・セディーユが、ある意味、この時代を象徴するガラスと鉄を用いたのも、当然の選択だったのでしょう。1909年、1920年とプランタンの新館を設計したルネ・ビネやジョルジュ・ウィボも同じ精神を受け継ぎ、革新的でありながら優雅な建物を生み出しました。

見学者が殺到した地下の発電システム ©Printemps Haussmann
見学者が殺到した地下の発電システム ©Printemps Haussmann

プランタンはまた、パリ最初のエレベータや電気ランプをも導入。見学できる地下の自家発電システムとともに、話題の的となりました。

創業時から変わらぬ夢あふれる店内装飾 ©Printemps Haussmann
創業時から変わらぬ夢あふれる店内装飾 ©Printemps Haussmann

数多い見どころポイント

数多い見どころポイント
美しいドーム ©Printemps Haussmann

アールデコ調の美しいドーム、オスマン知事が線引きしたパリの整然とした通りを見下ろせる屋根の上のテラスと、テラスを縁取る凝った作りの欄干、ベル・エポックを偲べるような曲線の階段、いまもなおモードを引っ張り続けるプランタンの迷路のような舞台裏。

2019年2月から可能となったこのプランタン・オスマンの見学ツアーを行うのは、キュルティヴァル(Cultival)です。キュルティヴァルでは、パリとイル・ド・フランスの25の文化施設についてひと味違う見学ツアーを提供しています。

美術館のような売り場 ©Printemps Haussmann
美術館のような売り場 ©Printemps Haussmann

プランタン・オスマンの見学ツアー「プランタン デパート、その秘密と舞台裏」は、下記の公式サイトからの予約が必要です。料金は、大人ひとり13.5ユーロです。通常はフランス語か英語のガイドつきですが、グループでリクエストすれば、日本語のツアーも組んでくれます。

いかがでしたか。通り一遍のパリ観光に飽きた方には特におすすめしたい歴史建造物プランタン・オスマンの見学ツアー。一見の価値ありです。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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