フランス・パリのセーヌ川にストリート・アートの居城誕生!

公開日 : 2019年04月01日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
フリュクチュアール(Fluctuart) ©Seine Design
フリュクチュアール(Fluctuart) ©Seine Design

フランス・パリを流れるセーヌ川は、蛇行しながら西へと進み、ルーアンを経て、ノルマンディはル・アーヴルの海に身を投じます。このセーヌ川を新たに開発するアイディアを募集する「セーヌの改革(Reinventer la Seine)コンクール」2017に選ばれたプロジェクトのひとつがフルクチュアール(Fluctuart)です。もうすぐ、2019年5月パリのど真ん中に実現するこのフルクチュアールを紹介します。

セーヌに浮かぶストリート・アート センター

セーヌに浮かぶストリート・アート センター
ニコラ・ロジェロ・ラセール氏

フルクチュアールは、一言でいえば、ストリート・アート センターです。

フランスでは、ストリート・アートへの関心や評価が高く、ストリート・アートをテーマにした展覧会も、ここ数年で複数開かれています。最近では、ルーヴル美術館とストリート・アーティストJRのコラボも話題になりました。

フルクチュアール立ち上げメンバーの一人でありニコラ・ロジェロ・ラセール(Nicolas Laugero Lasserre)氏も、パリをストリート・アートの中心地とみなしています。ICART(アート市場とカルチャーマネージメント学校)学長でもある同氏は、フルクチュアールをアーティストと観客の交流の場として、またストリート・アート自体の発信地として位置付けています。

開かれた空間

開かれた空間
フリュクチュアール ©Seine Design

セーヌに浮かぶフルクチュアールは、屋内でありながら、屋外でもあるような開放感に溢れています。

まず、ビルに囲まれていない分、ルーフトップに立てば、パリの中心にありながら、広々と360度視野が開けます。また、ガラス張りでできているため、展示物と風景が、常に視界で重なり合うのです。まったく実に、ストリート・アートに相応しいオープンさだといえるでしょう。

フルクチュアールは、2018年6月からディエップの造船所で作成され、10月に進水。その後ルーアン造船所での調整を経て、12月にパリに着きました。

ディエップでの進水
ディエップでの進水

セーヌ川をさかのぼってきたフルクチュアールの落ち着き先は、パリのアンヴァリッド橋のふもと、左岸側です。3つのレベルは、吹き抜けのパティオで繋がれています。

一番下のレベルには、セーヌの水が入り込む設計となっていて、水上にいるということを思い起こさせてくれます。真ん中のメインレベルは13の移動可能なブロックでできていて、どんな展示物にも柔軟に対応できる構え。また、一番上のテラスは、広々としたルーフトップバーで、飲み物のほか軽食も味わえます。

芸術談議に花を咲かせるのもよし、ただ黙ってセーヌ川から見るパリを味わうのもよし。つい長居をしてしまいそうな予感がします。

世界を取り込み、世界にむけて発信する拠点

世界を取り込み、世界にむけて発信する拠点
建造中のフリュクチュアールを背に立つ3人の立ち上げメンバー。左から、Eric Philippon, Géraud Boursin, Nicolas Laugero Lasserre

フルクチュアールでは、年3回、特別展を催す予定にしています。特別展はそれぞれ、一人のアーティストに的を絞ったもの、設けたテーマに沿って複数のアーティストの作品を紹介するもの、また、国際エキスポの受け入れという性質の異なるもので、ストリート・アートの多角的紹介を可能とします。

また、なんといってもうれしいのは、入場料が無料だということ。あらゆる意味で開かれた場所であるフルクチュアールのオープンは2019年5月。ストリート・アートの魅力をまだ知らない人にも、すでに知っている人にもおすすめの新たなランドマークの誕生です。

いかがでしたか。フランス・パリのど真ん中に誕生するフルクチュアールを紹介しました。今度のパリ旅行の際には、ストリート・アートの魅力を存分に味わってみてください。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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