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パリの美術館「ポンピドゥーセンター」の見どころガイド

2020年06月10日

パリ中心部に建つポンピドゥー・センター ©iStock

歴史的建造物が立ち並ぶパリの町中に、突如現れる現代的なポンピドゥー・センター。国立現代美術館や公共情報図書館などが入る総合文化施設です。国立現代美術館はルーヴル美術館やオルセー美術館と並び、パリの三大美術館を形成しています。

【はじめに】2020年6月10日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、2020年5月31日で「期間限定の電子書籍読み放題サービス」が終了したこともあり「近い将来に旅したい場所」として、世界の現地観光記事の発信を2020年6月以降、再開することにいたしました。

世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。

ポンピドゥーセンターとは

チューブ状のエスカレーターが上階まで続く © Paris Tourist Office - Photographe : Daniel Thierry

ポンピドゥー・センターはパリ市内4区にある地上6階、地下1階の建物です。ジョルジュ・ポンピドゥー大統領が構想し、イギリスのリチャード・ロジャーズとイタリアのレンゾ・ピアノの設計で1977年に開館しました。建物は「ル・フォーラム」「公共情報図書館」「国立近代美術館」の3つに分かれます。

地下1階から地上1階を占めるのがル・フォーラムです。地上階はエントランスホールにミュージアム・ショップ、書店、カフェが入っています。地下1階には映画館やポンピドゥー・センター所蔵の写真コレクションを展示するフォトギャラリーがあります。1階の一部はギャラリーになっています。1階の一部と2階および3階が公共情報図書館です。4階から6階は国立近代美術館になっています。美術館へは建物側面にあるチューブ状のエスカレーターで上ります。エスカレーターからはパリの町並みがきれいに見わたせます。

近未来的なデザインのエスカレーター © Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont - Architecte : Renzo Piano et Richard Rogers

今ではパリを代表する建物として認知されましたが、開館当初は奇抜なデザインに賛否両論がありました。

0F:チケットを購入

奥のエスカレーターを上がった先が入口 © Paris Tourist Office - Photographe : Daniel Thierry

地上階はエントランスホールになっていて、2層の広い吹き抜けスペースの中央にチケット売り場があります。チケットはその場でも購入できますが、ポンピドゥー・センターの公式Webサイトからオンラインでの事前購入も可能です。いずれも大人€14。指定された美術館などが入場無料になるパリ・ミュージアム・パスも使えます。

エントランスホール端にあるエスカレーターを上った先が、美術館の入口です。少し分かりづらいかもしれませんが「MUSÉE」(ミュゼ:日本語で美術館の意味)の文字が書かれている方に進んでいくと、チューブ状のエスカレーターの上り口があります。

ミュージアム・ショップにはポンピドゥー・センターのグッズをはじめ、アート関連の文具やインテリア雑貨などが並びます。書店は現代アート関連の書籍などを中心にした品揃えです。カフェは2層構造の吹き抜けの一段高いところに設けられており、エントランスホールを眺めながら休憩できます。

クロークもあるため、荷物がある場合はここで預けてしまいましょう。美術館は広く、作品も膨大にあるため、なるべく荷物の少ない身軽な格好をおすすめします。

1〜3F:公共情報図書館

配管がむき出しの特徴的なデザイン © Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont - Architecte : Renzo Piano et Richard Rogers

公共情報図書館はポンピドゥー・センターを構成する主要な施設のひとつです。1万400平方メートルの広さに43万部の資料を擁しています。館内は2200人分の閲覧席があり、資料には無料でアクセスできます。

図書館には35万冊の書籍と1800部の定期刊行物が主要な蔵書として収められています。コレクションはフランス語で書かれたものが中心で、外国語のものも含まれます。デジタル資料としては110のデータベース、3万1000冊のデジタルブック、6400部のEジャーナルが収められています。
マルチメディア関連の資料も充実しており、ドキュメンタリー映像は3000タイトルを保存。毎年200タイトルずつ増えています。3階部分に音声資料や楽譜、音楽関連の本や雑誌、映画などを扱った部門があります。

ほかには、自習スペースに加え、地図、グラフィック・アートやビデオゲームなど、新しい世代のアートも保存しています。

公共情報図書館とは別に、国立近代美術館は自身の図書館である「カディンスキー図書館」を持っています。広さは2600平方メートル。ここには書籍や写真、オーディオビジュアルといった媒体を収蔵し、20世紀と21世紀のビジュアル作品の情報が集められています。

■公共情報図書館
・URL: https://www.bpi.fr/bpi

4〜6F:国立近代美術館

フランスだけでなく世界を代表する近現代アートの所蔵施設 © Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont - Architecte : Renzo Piano et Richard Rogers

国立近代美術館では、1905年から現在までの10万点にのぼる近現代美術コレクションを保存しています。現代美術史にとって重要な作家の作品が集積しています。

パリの三大美術館といわれるのは、ルーヴル美術館やオルセー美術館、国立近代美術館と順に訪れることで、美術史を総覧できるためです。印象派などを中心に、主に1848〜1914年までの作品を展示するオルセー美術館とオルセー美術館の収蔵作品より前の年代をコレクションの中心に据えたルーヴル美術館。そして、オルセー美術館以後の年代を扱う国立近代美術館を合わせて、芸術の流れを捉えることができます。

ポンピドゥー・センターでは、7階部分が国立近代美術館の企画展用のスペースとなっています。ここでは毎回、魅力的なイベントが開かれています。5階部分は20世紀初頭から1960年代までの作品が並びます。そして、4階部分を構成するのが1960年代から現在までの作品群です。上の階から順に年代が新しくなっていきます。

建物の上部からはパリの町並みを一望できる © Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont - Architecte : Renzo Piano et Richard Rogers

具体的には、フォーヴィスム(アンリ・マティス)、キュビスム(パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラック)エコール・ド・パリ(アメデオ・モディリアニやマルク・シャガール、藤田嗣治)、シュルレアリスム(サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット)、ポップアート(アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン)とヌーヴォー・レアリスム(イヴ・クライン、アルマン・フェルナンデス)が続き、現在に至る作品群を見学できます。

フォーヴィスムとは、激しい色と筆致の荒々しい(フォーヴ)作風が特徴で、アンリ・マティスが主導しました。キュビスムはパブロ・ピカソの作品でイメージされる、立体(キューブ)のような幾何学的な描き方が印象的。
一方で抽象化したキュビスムとは対照的に、具体的に描きながらも現実にはあり得ない世界を表したのがシュルレアリスムです。サルバドール・ダリの世界観はその象徴です。1960年代は爽快な印象のポップアートが台頭し、フランスではポップアートに相当するヌーヴォー・レアリスムが興りました。ポップアートは、アンディ・ウォーホルなどアメリカらしいカラフルで消費社会を体現するようなモチーフと構図が並びます。

美術館内は広く作品も多岐にわたります。傑作が次々に続きますし、それらすべてをひとつひとつ見ていくと体力的にも疲れますので、時間に余裕を持って鑑賞することをおすすめします。

屋上のレストランでパリを一望

晴れた日はテラスが気持ちいい © Paris Tourist Office - Photographe : Nicky Bouwmeester

ポンピドゥー・センターの最上階に位置するルーフトップレストランが「ジョルジュ」です。ランチはノートルダム大聖堂などパリを代表するモニュメントを空から眺めながら、ディナーは眼前に広がる夜景を楽しみながら、食事を楽しめます。

レストランは12時から深夜24時までのノンストップ営業です。19時前まではハンバーガーやクラブサンドイッチ、クロックムッシュ、オムレツ、シーザーサラダなど軽食もあります。ディナーの時間帯は生牡蠣、タラのグリルやトリュフクリームのマッシュルーム・ラビオリ、牛の煮込みなど本格的な食事がメニューに並びます。料理は全体的にアジアンテイストが入ったモダンフレンチで構成されています。

ポンピドゥー・センターの上から眺められる景色 ©iStock

夜はポンピドゥー・センターが閉まってしまうため、ルナール通り(Rue du Renard)とランビュトー通り(Rue de Rambuteau)が重なる角にある入口から、店内へ向かうことができます。

■ジョルジュ
・URL: https://restaurantgeorgesparis.com/

その他の施設

古い町並みの中に浮かぶように建つ ©iStock

今まで挙げてきた施設に加えて、ポンピドゥー・センターには映画館、多目的ホール、会議室があり、別棟に国立音響音楽研究室があります。

映画館は315席と144席のふたつの大きさがあり、1階と2階に位置しています。多目的ホールはパフォーマンス・スペースなどとして使え384席のキャパシティ。講義などに使える会議室は158席の広さで、多目的ホールと会議室はともに地下1階にあります。

国立音響音楽研究所(IRCAM)は、ポンピドゥー・センターを構想したジョルジュ・ポンピドゥーが、1977年に文化政策の一環としてフランスの作曲家ピエール・ブーレーズを招いて設立されました。ここではコンピューター音楽など、最新テクノロジーによる音と音楽の研究・制作をしています。教育活動も行われ、市民向けの一般講座もあります。施設はポンピドゥー・センターとは別の建物になっています。同センターの向かい側、ストラヴィンスキー広場に面した所にあります。

■国立音響音楽研究所
・住所: 1 Place Igor-Stravinsky 75004
・URL: https://www.ircam.fr/

ポンピドゥー・センターの基本情報

エントランスホールは開放的な構造 © Paris Tourist Office - Photographe : Daniel Thierry

・住所: Place Georges Pompidou, 75004
・アクセス: 地下鉄「Rambuteau(ランビュトー)」駅から徒歩2分
・開館時間: 11:00〜21:00(木曜は23:00まで)
・無料開放日: 毎月第1日曜
・休館日: 火曜、5月1日
・URL: https://www.centrepompidou.fr/

ポンピドゥー・センターへ

施設前のジョルジュ・ポンピドゥー広場 © Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont

パリは歴史的建造物などに目が行きがちですが、現代アートと触れ合う機会が多い町です。ポンピドゥー・センターはそんなパリの要となる施設のひとつ。ルーヴル美術館やオルセー美術館とあわせて訪れたいスポットです。 

※本記事の観光関連情報は2020年3月31日現在のものです。

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〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2020年6月10日現在、フランスへの日本からの観光目的の渡航はできません。渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:  https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

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