巨匠ガウディから花の建築家モンタネールまで!バルセロナで見るべき建築5選

公開日 : 2018年02月09日
最終更新 :
張り合うように並び建つプッチ(左)とガウディ(右)の建物
張り合うように並び建つプッチ(左)とガウディ(右)の建物

一生に一度は見ておくべき、スペインが世界に誇る大建築といえば「サグラダ・ファミリア聖堂」。130年以上前に着工され今なお未完成という、この壮大な世界遺産は、モデルニスモ(スペインにおけるアールヌーボー)建築の巨匠、ガウディにより設計されました。そのガウディのライバルとも言える、モンタネールが遺したモデルニスモ建築も、ぜひ一緒に見ておきたいもの。そこで、ガウディとモンタネール、さらにモデルニスモ第2世代のプッチも加えて、彼らが手がけた建物がイッキに見比べできちゃうストリートをご紹介! 2017年11月より内部の公開がスタートして最新観光スポットになっている、ガウディのデビュー作「カサ・ビセンス」もマストチェックです☆

モンタネールによる建物が高級ブランド「ロエベ」の店舗に!

モンタネールによる建物が高級ブランド「ロエベ」の店舗に!
風格ある外観がロエベの気品をさらにアップ

モデルニスモ建築が集中しているのは、バルセロナのグラシア通り。さあ、グラシア通りの南端から歩き始めましょう。1軒目のモデルニスモ建築は、花模様を巧みに表現したことから「花の建築家」と呼ばれ、生前はガウディ以上に名声を博したモンタネールにより改装された「カサ・リェオ・イ・モレラ」。目印は、1階に入店している、スペイン王室御用達の高級ブランド「ロエベ LOEWE」です。エレガントなファサード(建物正面デザイン)に気分があがって、ロエベでつい高級バッグをお買い上げ(゚▽゚)・・・なんてことになるかも!?

■カサ・リェオ・イ・モレラ
・住所:Pg. de Gracia 35
・URL:http://www.casalleomorera.com
・アクセス:3号線パセジ・ダ・グラシア駅から徒歩2分

プッチの「カサ・アマトリエール」はチョコレート御殿

プッチの「カサ・アマトリエール」はチョコレート御殿
アマトリェール氏のガラスコレクションなどが見学できる

カサ・リェオ・イ・モレラからすこし北へ進むと、お次はプッチが手がけた、カクカクとした三角ファサードが印象的な「カサ・アマトリェール」が登場。チョコレート製造業で財を成したアマトリェール氏が、プッチに改装を依頼した建物で、1階にはチョコレートショップとカフェがあります。アールヌーボーの画家ミュシャがデザインしたオシャレな包装のチョコレートは思わずパケ買いしちゃいそう。日本のバレンタインフェアなどで見た覚えのあるor買ったことある人も多いかもしれませんね^^

ガウディらしいフォルムとカラーリングの「カサ・バトリョ」

ガウディらしいフォルムとカラーリングの「カサ・バトリョ」
バルコニーの形から「骨の家」「あくびの家」とも呼ばれるとか

カサ・アマトリェールのすぐ隣りが、待ってました!3軒目にしてガウディひとつめとなる「カサ・バトリョ」の登場です。繊維業界のブルジョアだったバトリョ家が、邸宅の増改築をガウディに依頼。この建物のテーマは「海」で、うねうねと曲線を描くファサードは波打つ海面を、建物内部は海底や海底洞窟を表現しているといわれています。優美なうねり感や、絵本に描かれるような不思議かわいいデコレーションに、「おぉガウディですなぁ~^^」と、にんまり。

モンタネールとタピエスの饗宴「アントニ・タピエス美術館」

モンタネールとタピエスの饗宴「アントニ・タピエス美術館」
タピエスの繊細かつダイナミックな針金オブジェを屋上に冠する

こんどは、カサ・バトリョのそばのArago通りとの交差点を左へ入ってみましょう。すぐ右手に、ふたたびモンタネールの作品が現れます。「アントニ・タピエス美術館」は、モンタネールの叔父さんの依頼で、出版社の社屋として建てられました。改装された現在は、現代美術の巨匠アントニ・タピエスの作品などを展示する美術館になっており、正面屋上の巨大な針金オブジェは、タピエスによるものです。

白亜の邸宅「カサ・ミラ」はグラシア通りのアイコン

白亜の邸宅「カサ・ミラ」はグラシア通りのアイコン
夜のライトアップで迫力を増すガウディの代表作

グラシア通りに戻って、さらに北へ400メートルほど歩きます。すると交差点の角に、白亜の高級アパート「カサ・ミラ」がそびえ立っています。ガウディの代表作のひとつにも挙げられる、有名な建物ですよね! この建物は「山」がテーマで、直線的なデザインがほとんどなく、ウエーブが何層も重なったフォルムがとても印象的。屋上のテラスや、住居スペースの一部が見学できるツアーがメジャーですが、時間があったら、夜にもう一度訪れてみてください。ライトアップされて、外壁の白さがさらに際立ち、昼間とはまた違った美しさを放っています。

今が旬!ガウディのデビュー作「カサ・ビセンス」

今が旬!ガウディのデビュー作「カサ・ビセンス」
約130年間、個人宅だったカサ・ビセンス。華やかな内装は必見

最後の物件は、一気に北上します。カサ・ミラからすぐのディアゴナル駅から地下鉄で1駅のフォンタナ駅で下りて徒歩5分。または徒歩だけで頑張ると約20分です。それでも行くべき、モデルニスモ建築イッキ見のしめくくりが、いま注目を集めているバルセロナ最新の観光スポット、「カサ・ビセンス」です! ガウディがはじめて手がけた住宅で、つる草に見立てた緑の壁や、黄色の花のタイル、シュロの葉をかたどった鉄柵など、植物をモチーフとして多用。動植物を生命のシンボルとしてあしらうことを得意としたガウディの芽吹きが感じられます。最近までは、外観から伺い知るのみでしたが、2017年11月16日より一般公開が始まったことで、たちまち人気の観光スポットに(゚∀゚)  旅好き・スペイン好きなら、いち早く見ておきたいところです!

以上の各スポットは、混雑による入場規制や、チケットやガイドツアーの当日券売り切れも珍しくないため、ウェブでチケット事前購入するのがオススメです。また、『arucoスペイン』でもこのエリアのおさんぽプランを、カフェやショップを交えてご紹介していますので、ぜひチェックしてくださいね!

aruco編集部 坂内麻美


写真:アントニ・タピエス美術館 ©有賀正博
  :カサ・ビセンス ©Casa Vicens, Barcelona 2017. Photos: Pol Viladoms
  :そのほか ©iStock

関連書籍:
地球の歩き方 aruco21 スペイン
定価:本体1,200円+税
発行年月: 2016年12月
判型/造本:A5変並製
頁数:192
ISBN:978-4-478-04999-0
詳細はこちら

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