イビサ島のシーズンオフの楽しみ方とおすすめ観光スポットとレストラン12選

公開日 : 2019年12月17日
最終更新 :
筆者 : 今岡史江

地中海の楽園、ヨーロッパ屈指のリゾート地と呼ばれるスペインのイビサ島。日本では「クラブ」のイメージが強いようです。クラブの開いていない時期(11月~3月頃、シーズンオフ)は、どのような楽しみがあるのだろうと思われる方も多いのでは。シーズンオフのイビサ島の楽しみ方を紹介します。

イビサ島のシーズン・シーズンオフは?

イビサ島のシーズン・シーズンオフは?
Cala d'en Sardina(カラ・デン・サルディナ)
海は静かに眺めるのが楽しい(画像提供:IBIZA TRAVEL)
海は静かに眺めるのが楽しい(画像提供:IBIZA TRAVEL)

●イビサ島の観光シーズン

イビサ島の観光シーズンはイースターホリデーから始まり、10月末に終わります。イースター(復活祭)というのは、キリスト教のイエス・キリストの復活を記念する日で、春分の日の後の最初の満月の日の後の日曜日です。よって、3月21日から4月25日の間で年によって日が変わります。2020年のイースターホリデーは、4月9日から12日までです。

ちなみに、クラブのオープニングパーティーは5月最終週となります。クラブは、早いところで9月の最終週に、遅くとも10月の第2週までにクロージングパーティーを行います。

10月の第2週から第3週までは天候次第でまだ泳ぐことができ、トライアスロンやデュアスロンの公式競技が行われます。10月が終わる頃、ホテルや海沿いにあるビーチクラブが閉まりだし、道行く車が何となく減り、シーズンの終わりを感じるようになります。

サンセット直後の佇まい(画像提供:IBIZA TRAVEL)
サンセット直後の佇まい(画像提供:IBIZA TRAVEL)

●イビサ島観光のシーズンオフ

イビサ島の住人やリピーターは、シーズンオフが好きです。夏の間の喧騒と違って、本来のイビサ島の姿がそこにあるからです。シーズンオフはヒッピーやアーティストをはじめ、多くの人が魅せられてきたこの不思議な島のよさを見つけられるでしょう。

黄色い花の絨毯
黄色い花の絨毯

●シーズンオフ中のよいところ

・人と車の絶対数が減り、運転が楽
・パーキングが空いていて、好きな場所に行きやすい
・天候に恵まれ、サイクリングやトレッキングに最適
・9月、10月に雨が降るので、緑が豊かでいたるところで花が咲き乱れる
・1月末から2月はアーモンドの花が島中で咲き、とても美しい

●シーズンオフ中の不便なところ

・開いている店やレストラン、特にホテルの数が少なくなる
・バスの本数が減ったり、11月から4月末まではビーチ行きのバスがなくなる
・観光客用のボートツアーやジープツアーがない
・地元の人はボートやヨットやカヌー、サーフィンを楽しむが、レンタルできるマリンスポーツ店が開いていない。よって、観光客はマリンスポーツが楽しめない
・ほとんどのクラブが閉まっている

シーズンオフならではのイビサ島の楽しみ方

シーズンオフならではのイビサ島の楽しみ方
イビサ島では左ハンドル右側通行

●シーズンオフならではのイビサ島の楽しみ方(1)島中を車でドライブ

交通量の減っている時期なので、車を借りて島中をドライブしてみてください。レンタカーは手続きに時間を取られ、面倒と思いがち。でも「Class Rent a Car」では、事前にすべての手続きが済ませられるので便利。イビサ島に着いたら空港の駐車場で車をピックアップ、帰りも空港の駐車場に置いて帰ればよいという簡単なシステムです。

アグロツーリズモのホテル:アツァロホテル(Atzaro)
アグロツーリズモのホテル:アツァロホテル(Atzaro)

●シーズンオフならではのイビサ島の楽しみ方(2)アグロツーリズモのホテルに宿泊

アグロツーリズモは、アグロ(農地)とツーリズモ(観光)がかけ合わさった造語で、日本ではアグリツーリズムやグリーンツーリズム、農村民泊などといわれるようです。緑豊かな農村で農家に滞在し、その土地で採れた野菜や自家製ソーセージなどを食卓に出してもらい、ゆったりとした休暇を楽しむというもの。

イビサ島では、そのアグロツーリズモのホテルが大変人気です。イビサ島の古い家がおしゃれに改装され、瀟洒(しょうしゃ)なインテリアがすてきです。高額な上になかなか予約が取れない夏よりもシーズンオフは比較的リーズナブルになります。ホテルだけれども、こぢんまりとした感じが温かく、心地よいことでしょう。

アグロツーリズモのホテル:カン・クレウ(Can Curreu)
アグロツーリズモのホテル:カン・クレウ(Can Curreu)

イビサ島の家は、カルタゴ(現チュネス)にある家とよく似ていて、壁が分厚く窓が小さいのが特徴です。オーブンが丸く、家の外側に張り出しています。サビナというヒノキ科の木を梁に使い、窓枠も扉も木製で木の温かみが伝わってきます。

今ではペンキが塗られている白壁ですが、昔は山中の石灰石から石灰を取り出して塗っていました。石灰を塗ると殺虫作用もあり、毎年塗り替えていたそうです。そんな歴史も踏まえて見てみると興味深いのではないでしょうか。

たくさんあるアグロツーリズモのホテルのなかで、筆者のおすすめはアツァロホテル(Atzaro)とカン・クレウ(Can Curreu)です。

イビサ島の民芸品(画像提供:IBIZA TRAVEL)
イビサ島の民芸品(画像提供:IBIZA TRAVEL)

●シーズンオフならではのイビサ島の楽しみ方(3)地元のイベントに参加

イビサ島の人は、夏の間は休みなく精一杯働きますが、冬の間は自分が楽しめることに一生懸命になります。みんな運動が好き、旅が好き、イベントが好きです。そして、食べることも大好きです。そんな島民のイベントをのぞいてみませんか。

■1月5日 ロス・レイエス・マゴス前夜(東方の三賢者の到着と行進)
このイベントは、1月5日の夜、東方より王様が3人やってくるところから始まります。本来はペルシアの占星学者でもある司祭たちがユダヤ人の王が誕生したことに気づき、輝く星に導かれ厩で生まれたイエスに贈り物を届けに行った日のお祝いに由来するのです。今は賢者ではなく、王様です。3人の王たちが子供たちに贈り物を持ってきます。王たちは各町にやって来るので、国レベルで考えると相当な数の王が出動することになります。イビサ島には、イビサ市やサン・アントニオ市から、サンタ・エウラリア市には王たちは船で到着し、町を行進します。

■1月11日 フラワーパワー(サン・アントニオ)
60年代や70年代のヒッピーの服装をして、町に集う祭りです。

■1月17日 聖アントニオの日
サン・アントニオ市の祭りです。サン・アントニオという聖人は、動物を保護した人だったので、彼にちなんで司教が町にやって来て、町の動物に聖水をかけ、その健康を祈ってくれるのです。町の人はイヌやネコをはじめ、カメやウサギ、ヤギ、ウマなどさまざまな動物を連れて行きます。

■2月15日 フォークロア祭(サンタ・エウラリア)
サンタ・エウラリアの教会の丘、プッチ・デ・ミサで民芸品市が催されます。島の特産物であるオリーブオイㇽやハチミツをはじめ、さまざまな手工芸品が並びます。

■2月23日 カーニバル(イビサ)
カーニバルのパレードは市によって日程が異なります。一番見ごたえのあるパレードは、イビサ市主催のパレードです。

■3月21日 フラワーパワー(サン・ホセ)
19日の聖ホセの日の前後1週間は、町中で何かしら行事が行われています。このヒッピーのパーティーもその一環です。

■4月9日~12日 イースター
木曜日と金曜日の夜は、キリスト像やマリア像を運ぶ行進があります。サンタ・エウラリアの行進には、ローマの軍人と喪服の女性たちが並び、当時の様子を醸し出します。

シーズンオフにおすすめの観光スポットとその近くのレストラン

シーズンオフにおすすめの観光スポットとその近くのレストラン
おすすめスポットとその近くのレストランの地図(画像提供:Gifex)
カルタゴの女神タニット(IBIZA TRAVEL)
カルタゴの女神タニット(IBIZA TRAVEL)

各エリアのおすすめ観光スポットとレストランを紹介します。

●シーズンオフにおすすめの観光スポット(1)旧市街(ダル・ビラ)とマリナ地区

シーズンオフには店が閉まっていて、旧市街(ダル・ビラ)の道のうねりなどがよく見えます。城壁と海との間の地域がマリナ地区です。

■プッチ・デス・モリンス古墳群と考古学博物館(Museo Puig des Molins)
・住所: Via Romana 31
・URL: https://maef.eu/museo-puig-des-molins/

■CBbC Ebusus Restaurant(イビサ料理)
・住所: Passeig de Vara de Rey, 20
・URL: http://www.cbbcgroup.com/ibiza/ebususrestaurant/


●シーズンオフにおすすめの観光スポット(3)フェニキア人のイビサ入植地跡(Sa Caleta)

フェニキア人の最初の居住地跡です。低い石組みしか残っていませんが、崖の上で見晴らしがよく、そこから塩田も見えます。

■La Escollera(パエリア)
・住所: Playa Es Cavallet
・URL: https://www.laescolleraibiza.com/

遊歩道とローマ橋(18世紀築)
遊歩道とローマ橋(18世紀築)

●シーズンオフにおすすめの観光スポット(5)サンタ・エウラリア教会と民族博物館と遊歩道

サンタ・エウラリア教会は、眺めのよい丘の上に建っています(プッチ・デ・ミサ)。海賊から身を護るために村の人たちが逃げ込む要塞の役割を果たしました。教会のすぐ下に古いイビサ島の家を利用した民族博物館があり、ブドウ酒やオリーブオイルを作る際の農機具などが展示されています。

教会の丘を一番新しい橋に向かって降りて行くと、サンタ・エウラリア川に沿う田舎道に出られます。ローマ橋と呼ばれる古い橋を横切り、さらに進んで行くと海沿いの遊歩道に繋がっています。エジプトから来たといわれるイビサハウンド(ポデンコ)の像まで来て、左に見える市役所に向かって歩くと町の中心に戻れます。

■Ca na Pepeta(イビサ料理)
・住所: Ctra. Sant Joan Km 15 San Lorenzo de Balafia

エス・ベドラ島とディフェンスタワー
エス・ベドラ島とディフェンスタワー

●シーズンオフにおすすめの観光スポット(7)ビーチ巡り

島中にすてきな海岸がありますが、強いて選ぶなら西側をまわるとよいでしょう。サリナス~カラ・ドール~カラ・バデージャ~カラ・コンタ~カラ・サラデタのルートがおすすめです。時間があればエス・クベイの教会裏からの景色もきれいです。

●シーズンオフにおすすめの観光スポット(8)エス・ベドラ島とディフェンスタワー

パワースポットで有名なエス・ベドラ島は、ぜひ見たいもの。島のちょうど対岸にディフェンスタワーがあります。ディフェンスタワーは、海賊の接近をのろしを上げて島民に知らせる役割を担っていました。その島とタワーを見ながら食事ができるレストランがシーズンオフでも開いています。

■Es Rebost de Can Prats(イビサ料理)
・住所: Carrer de Cervantes, 4
・URL: http://www.esrebostdecanprats.com/es/index.php

■Es Nautic(パエリア・魚料理)
・住所: Passeig de la Mar, 8
・URL: http://www.esnautic.com/restaurante/

■Can pujol(イビサ魚料理)
・住所: Carrer des Caló, 112
・URL: http://restaurantecanpujolibiza.com/


●シーズンオフにおすすめの観光スポット(10)サンタ・イネスのアーモンドの花のお花見

1月末から2月にかけて、島のいたるところでアーモンドの花が咲きます。道路横の花を見るだけでも癒されますが、島にはアーモンドの木だけない村があります。サンタ・イネスです。この時期は、島の人も花見に出かけます。フルムーンの夜に散策する風流な人たちもいます。

ファティマの手(メルカディージョ:ラス・ダリアス) 
ファティマの手(メルカディージョ:ラス・ダリアス) 

●シーズンオフにおすすめの観光スポット(11)シーズンオフのクラブ

2019年は、例年は冬季も開いていたパチャ(Pacha)が閉まっている様子。その代わりにパチャ系列のリオ(Lio)が2019年の年末まで開いています。大晦日はリオ(Lio)とハート(Heart)がパーティーを開催します。

■ラス・ダリアスのメルカディージョ(Mercadillo)
・住所: Carretera San Carlos, Km 12
・URL: https://lasdalias.es/

■Bar Anita(モンタディータ:パンの上にトマトが塗られていて、ハムやロース肉やオムレツ等が乗っている食べ物)
・住所: Lugar Barri San Carlos, s/n

■Ca's Pagès(イビサ肉料理)
・住所: Ctra. San Carlos, Km 10
・URL: http://caspages.es/

■サン・ファンのメルカディージョ
・住所: Calle del Ayuntamiento 4 y Plaza San Juan Bautista

■Café Vista Alegre(イビサ料理)
・住所: Carrer d'Eivissa, 1 San Juan Bautista

バスを利用してイビサ島観光するのもアリ!

バスを利用してイビサ島観光するのもアリ!
アーモンドの花

車の運転を避けたいと思われる方は、バスを利用してください。島の中心部からはさまざまな路線が発着しています。
・3番 サン・アントニオ行き(サンセットを見る)
・8番 イビサからサン・ホセ経由サン・アントニオ行き(アーモンドの花の時期、沿道の花がきれい)
・10番 イビサタウン行き
・13番 サンタ・エウラリア行き
・16番 サンタ・エウラリア発サン・カルロス行き(メルカディージョ(ラス・ダリアス)へ行く場合)
・21A番 バラフィア(塔のある集落)へ行く場合。1日4本
・30番  サンタ・イネス(Agnes)(アーモンドの村)へ行けますが、週3回、1日1本のバスしかないので、朝にサン・アントニオからバスに乗ってサンタ・イネスまで行き、イビサ市内から戻って来るそのバスに乗って昼過ぎに帰るという行き方

■バス路線と時刻表
・URL: https://ibizabus.com/ibiza/lineas/

*パワースポットのエス・ベドラ島へ行くバスはありません。上で紹介したレストランにタクシーで行き、帰りは店の人にタクシーを呼んでもらうという行き方もひとつの方法でしょう。

シーズンオフのイビサ島の楽しみ方を紹介しました。歴史や自然、文化、食とさまざまな楽しみのあるイビサ島へ出かけてみませんか。

筆者

スペイン特派員

今岡史江

1993年よりスペイン在住。車好きが高じて自動車整備士の資格をとり、ただ今トヨタ・イビサでメカニック中。

【記載内容について】

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