女子旅におすすめ! 歴史があるスイスの古都・クールをまったりと散策

公開日 : 2019年12月21日
最終更新 :
町中を流れるプレスール川(Plessur river)
町中を流れるプレスール川(Plessur river)

約38,000人が住むクール(Chur)は、スイス南東部にあるグラウビュンデン州(Graubünden)の北部に位置する町で、同州の州都でもあります。クールの町中には500軒以上の店が並び、絶好の買い物スポットとしても知られます。また、約500年の歴史があるクールは「スイス最古の町」ともいわれ、町歩きにぴったりの場所。絵のように美しいクールの旧市街の魅力を紹介します。

グラウビュンデン州を走るレーティッシュ鉄道

グラウビュンデン州を走るレーティッシュ鉄道
レーティッシュ鉄道の赤い車両

町の中心部に位置するクール駅は、チューリッヒ中央駅(Zürich HB)からサンモリッツ(St. Moritz)へ行く際の乗換駅としてよく利用されます。クール駅には、スイス全土を走るスイス国鉄(SBB)とグラウビュンデン州内を走るレーティッシュ鉄道のふたつの路線が乗り入れています。

また、クール駅は氷河特急グレッシャー・エクスプレス(Glacier Express)やベルニナ・エクスプレス(Bernina Express)の発着駅となっています。アローザ(Arosa)やダボス(Davos)、フリムス(Flims)などの保養地、マイエンフェルト(Maienfeld)のハイジ村(Heididorf)、ヴィアマーラ峡谷(Viamala-Schlucht)などの観光地へのアクセスにも便利で、多くの旅行者に利用されます。

現在も行政事務を行う歴史ある市庁舎

現在も行政事務を行う歴史ある市庁舎
市庁舎(Rathaus)

中世の面影が残るクールの旧市街には、多くの歴史的建造物があります。ポストシュトラッセ(Poststrasse)に建つ市庁舎(Rathaus)もそのひとつ。14世紀後半には、市庁舎や病院、商家として使用されていました。

1464年の大火事で崩壊しましたが、その後再建され、1554年までは病院として利用された歴史があるそうです。現在でも町の市庁舎として行政事務が行われています。

旧市街の南西端に建つオーバー門

旧市街の南西端に建つオーバー門
旧市街の中から撮影したオーバー門

プレスール川のすぐ近く、旧市街の南西の入口に建つオーバー門(Obertor)の歴史は、13世紀前半に遡ります。当時は、都市要塞の一部でした。

ひときわ目を引く美しいハウス・ゼットスケーラー

ひときわ目を引く美しいハウス・ゼットスケーラー
フレスコ画が美しい歴史ある建物

オーベレ・ガッセ(Obere Gasse)に建つハウス・ゼットスケーラー(Haus Zschaler)は、以前はゴールデン・クロイツ(Zum goldenen Kreuz)と呼ばれていました。ひときわ目を引く正面のフレスコ画は、ゴシック様式に復元されたものです。現在は人気のカフェ・アルカス(Café Arcas)が入っており、ゆっくりとコーヒーブレイクが楽しめるでしょう。

カラフルな家が建ち並ぶアルカス広場

カラフルな家が建ち並ぶアルカス広場
アルカス広場の様子

旧市街の最南端に位置するアルカス広場(Arcas)。プレスール川側の家屋の列は、13世紀の都市要塞に張りつくように建てられたもので、一部の建物はおそらく13世紀のものだといわれています。

広場にはカフェやレストランがあり、比較的人が少なく、落ち着いた雰囲気のなかで食事や休憩を楽しめるでしょう。また、4月から12月の毎月第1土曜日はフリーマーケットが開催されますので、機会があれば足を運んでみてください。

クール最古の地区にある聖マルティン広場

クール最古の地区にある聖マルティン広場
聖マルティン広場の噴水

オーバー門と1861年に取り壊されたウンター門(Untertor)の間に位置する聖マルティン広場(Martinsplatz)は8世紀に建設されましたが、1464年の大火事で教会の大部分が破壊されてしまいました。

現在の建物は、その後再建されたものです。スイス人画家のアウグスト・ジャコメッティ(Augusto Giacometti)による1919年に造られたステンドグラスは必見です。また、教会側に建つマルティンの噴水も歴史があります。現在のものは1716年に再建されたものですが、1556年にはすでにここに噴水が建てられていたといわれます。

厳粛な雰囲気が漂う聖母マリア被昇天大聖堂

厳粛な雰囲気が漂う聖母マリア被昇天大聖堂
ホフと呼ばれる丘に建つ大聖堂

旧市街で1番高い場所にあるホフ(Hof)の丘に建つ聖母マリア被昇天大聖堂(Kathedrale St. Mariä Himmelfahrt)は、国の重要文化財にも指定されている歴史的建造物です。現在の教会は12~13世紀に建設されましたが、もとは5世紀頃に大聖堂の前身となる聖堂が建てられたのがその始まりです。

一歩中に入ると、大聖堂ならではの厳粛な雰囲気が漂います。教会内は撮影不可のため、中の様子を写真で伝えることはできませんが、内装がとても美しいので中に入って見て欲しい教会です。1492年に造られた後期ゴシック様式の黄金の主祭壇やステンドグラス、天井画、聖歌隊の屋台、ロマネスクの柱頭彫刻が見どころです。

レーティッシュ鉄道の社屋

レーティッシュ鉄道の社屋
レーティッシュ鉄道の社屋の外観

バーンホフ通り(Bahnhofstrasse)に建つ豪華な建物は、グラウビュンデン州を走る山岳鉄道レーティッシュ鉄道の社屋(Verwaltungsgebäude Rhätische Bahn)です。地元サン・モリッツ出身の建築家であるニコラス・ハルトマン(Nicolaus Hartmann)によって1907~1910年に建てられました。

にぎわう町の中心地、バーンホフ通り

にぎわう町の中心地、バーンホフ通り
レストランのテラス席でランチを楽しむ人たち

クール駅前から旧市街地まで延びるバーンホフ通り(Bahnhofstrasse)は、町のメインストリートです。さまざまなショップやデパート、スーパーマーケット、カフェ、レストランなどがあります。昼時になるとテラス席でランチを楽しむ人でにぎわいをみせ、とても活気があります。

子供のようにはしゃげる遊び場クヴァーダー

子供のようにはしゃげる遊び場クヴァーダー
クール駅から徒歩約5分の遊び場クヴァーダー

クヴァーダー(Spielplatz Quader)は、2019年6月29日にリニューアルオープンした人気の公園です。駅から徒歩約5分の場所にあり、町歩きに疲れた時の休憩場所におすすめです。広い敷地内には砂場やすべり台、ダーザンロープ、ブランコなど定番の遊具から水遊びができる水路まで童心に戻って遊べる遊具がたくさん揃っています。もちろん、子連れ旅行にもおすすめ。

クールへのアクセス方法とクール観光案内所について

クールへのアクセス方法とクール観光案内所について
クール駅の地下にあるクール観光案内所

クール駅へは、チューリッヒ中央駅(Zürich HB)から列車で約1時間15分です。クール駅の地下には、さまざまな観光情報が入手できるクール観光案内所があります。情報収集に活用しましょう。

いかがでしたか。町歩きにぴったりのスイス・クールを紹介しました。乗換え駅としてよく利用されるクールですが、次の列車の時間を少し遅らせて、旧市街をぶらぶらと散策してみませんか。

筆者

スイス特派員

田山 貴子

欧州移住を目指して日本から求職し、2000年よりベルン在住。スイスの会社に10年間勤めた後、日本とスイスの架け橋になるべく起業。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。