家族・仲間・カップルで!一日遊べる英国ウェールズのビーチ「バリー島」

公開日 : 2021年06月28日
最終更新 :
バリー島ビーチの売店はこんなにカラフル!
バリー島ビーチの売店はこんなにカラフル!

日本では、もうそろそろ梅雨明けするところも出てきた頃でしょうか。イギリスも肌寒い季節がようやく終わり、1年で最も過ごしやすい初夏が訪れました。この時期は晴天が続き、2021年5月17日(月)にイングランドのロックダウン規制が緩和に入ったこともあり、各地はひさびさの行楽を楽しむ人でにぎわっています。今回は、これからぐんぐん暑くなるこのシーズンにぴったりの、ウェールズにある半島「バリー島(Barry Island)」の観光情報をお伝えします(2021年6月に訪れたレポートです)。

イギリスの中の「異国」ことウェールズ

イギリスの中の「異国」ことウェールズ
ウェールズ語と英語で書かれた看板

ウェールズはイギリス(グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国)を構成する4つの地域(国、countryの位置づけ)のうちのひとつです。そのほか3つの地域はイングランド、スコットランド、北アイルランドですが、グレート・ブリテン島南西部にあるウェールズは「イングランドおよびウェールズの一部」として扱われ、イギリスの国旗にウェールズの国旗だけが含まれていないなど、スコットランドや北アイルランドと比べてもその独自性は際立ちます。

パスポートこそ不要ですが、公用語には英語と並んでウェールズ語があり、道路標識や観光パンフレット、各種看板などは2ヵ国語で表示されています。そのため、イギリスにいながらまるで、さらに別の国を訪れたかのような異国気分を味わうことができます。

バリー島は、そのウェールズの南部にある地区で、ウェールズ語で「Ynys y Barri」と言います。現在は半島ですが「島」と言うだけあり、バリーの町が拡大するにつれ本土とつながった1980年代以前は独立した島でした。

砂浜が魅力のバリー島ビーチ

砂浜が魅力のバリー島ビーチ
社会的距離を促す看板

日本で海水浴場と言えば、もちろん砂浜を思い浮かべるかと思いますが、実はイギリスでは河原の小石のような砂利のビーチが主流。ウィットモア湾に面したバリー島の海水浴場はその点、イギリスでは限られた砂浜になっています。

周りにはゲームセンターや屋外遊具施設が出されたお祭り会場など、子供にとっての魅惑がたくさんありますが、いかに天気が安定している季節とはいえ、そこはグッとこらえ、せっかくなのでまずは海で遊ぶことをおすすめします。

ウェールズは行政機関も独立しており、ロックダウン規制の政策もほかの地域とは若干異なりますが、訪れた6月初旬はイングランドと同じく、5月17日以降はパブやレストランでの店内飲食、必要不可欠でない商店の営業が認められていました。

映画館やボーリング場、博物館や劇場、ギャラリーといった娯楽施設も開いているほどなので、屋外である海岸はさらに安心して滞在できる人気の観光スポットです。それでも社会的距離をとることは重要なので、ビーチにはあちこちに注意書きの看板が掲げられていました。

救護員がしっかり安全を守っているので心強い
救護員がしっかり安全を守っているので心強い

雨ばかりで春先でも寒さが残るイギリスでは、6月と言えば待ち望んでいた気温の上昇と、晴天続きの気候で最高の季節。来たる本格的な夏を控えて、観光気分はいやが上にも盛り上がります。

波打ち際ではしゃぎ、お約束の砂の城を作る子供、それをうれしそうに見守る保護者、仲間内で盛り上がる若者たち、パラソルの下でゆっくり昼寝を決め込むカップル、老夫婦などなど、コロナ禍のいまとなっては、そのどれもが至福のときです。

大にぎわいの飲食店、犬用アイスまで?!

大にぎわいの飲食店、犬用アイスまで?!
ドッグ・フレンドリーな飲食施設

特に小さい子供などの場合、炎天下での長時間滞在は危険です。海でたっぷり遊んだあとは、日陰や屋根のある場所で水分補給をすることも忘れないでください。ビーチには、冷たい飲み物やアイスクリームを売る屋台が十分にあります。なかには犬専用のアイスまであり、さすがは動物愛護の国、愛犬国家とも呼ばれるイギリスです。

指差しで好きなものを注文できるシーフード・バー
指差しで好きなものを注文できるシーフード・バー

ランチにはウェールズでも定番、イギリスの国民食ことフィッシュ・アンド・チップスやハンバーガー、海岸ならではのシーフード料理に舌つづみを打つのはいかがでしょうか。潮風に吹かれ、きらめく海を眺めながらの屋外ランチは、忙しい日々を束の間忘れさせてくれます。

子供用に、チキンナゲットやソーセージがフライドポテトとセットになったものを、£2.5と求めやすい価格で用意している店もあります。

海水浴場に併設する遊園地「プレジャー・パーク」

海水浴場に併設する遊園地「プレジャー・パーク」
遊園地の入口

お腹が満たされたあとは子供たちのお待ちかね、遊園地へ移動です。ビーチ裏、電車のバリー島駅から徒歩4分という便利な場所にある「プレジャー・パーク(Barry Island Pleasure Park)」は、飲食エリア近くに出ている特設お祭り会場の乗り物とは違い、常設の屋外遊戯施設です。

創設は1896年に本土と鉄道で結ばれた直後にできた1897年と、年季が入っています。それまでは島に渡る唯一のアクセス方法と言えば、干潮時に砂と泥を歩くか、潮が満ちたときにフェリーで行っていたというので、この遊園地は利便性が高まった島の恩恵を受け、当時から地域のシンボルとしてにぎわっていたのかもしれません。

入場は無料で、乗り物ごとにチケットを購入して利用します。1枚が£1、6枚で£5、13枚で£10など、まとめ買いがお得です。クルクル回るティー・カップや観覧車など昔ながらのものから、2019年に3つ投入されたという最新型アトラクションまで、大型遊具からゲーム、飲食販売店など、ひととおりの施設が揃っています。

■プレジャー・パーク(Barry Island Pleasure Park)
・住所: Friars Road, Barry CF62 5TR Wales イギリス
・営業時間: 毎日10:00〜20:00
・アクセス: 電車バリー島(Barry Island)駅より徒歩4分
・URL: https://www.barryislandpleasurepark.wales/

丘は続くよどこまでも〜景色と自然を楽しむハイキング〜

丘は続くよどこまでも〜景色と自然を楽しむハイキング〜
岬付近から見渡すウィットモア湾

まだまだ体力は残っている、子連れではない、普段見られない風景をもっと楽しみたい、そんな方には海岸沿いをのんびり歩くことをおすすめします。遊園地前方の海水浴場を中心に、湾沿いを左右に岬まで歩いて行ける丘があります。

どちらもほんの少し登るだけで、観光客の歓声が遠ざかり、人どおりもまばらになります。黄色い花を咲かせた広大な丘から見下ろす光景は、つい先ほどの喧騒が嘘かのように静かで美しく、岩場に生える苔までも黄土色と、島特有の自然環境にも目を奪われます。

丘の上に広がる住宅街
丘の上に広がる住宅街

途中の広場では、なにやら音楽を流してダンスの練習に励む地元住民や、太極拳のような活動をしているグループもあり、観光地としてだけでなく、市民の憩いの場としても愛されている様子が垣間見えました。

インスタ映え必至!〜イギリスの海の家〜ビーチ・ハット

インスタ映え必至!〜イギリスの海の家〜ビーチ・ハット
物置きサイズの貸し切り小屋

ほかに特筆すべきものとして、インスタ映え間違いなしの、こんなスポットを紹介します。イギリス版海の家である「ビーチ・ハット(beach huts)」は日本のものとは様式が異なり、個室を日割りで借りるサービスですが、オシャレ雑誌やウェブサイトなどでよく見かけるこちらが、バリー島にもありました!

利用可能時間は朝10時より夜8時まで、繁忙期の4月から10月までは小さいハットが全日£19(半日£11.5)、大きいものが£32.5(半日£16.5)で貸し切れます。鍵がついた小屋のようになっており、中で着替えをしたりドアを開けてデッキチェアに座り、プライベートな空間で海を眺めたりすることができます。

そのほか閑散期は小さいハットが£6.25、大きい方でも£11.5と、大幅値下げになっています。これらのハットが、写真のように各小屋でカラフルに塗り分けられており、格好の撮影場所となっています。

■海の家(Barry Island Beach Huts)
・URL: https://www.valeofglamorgan.gov.uk/en/enjoying/Coast-and-Countryside/Barry-Island-Beach-Huts.aspx

ワクワクするみやげ店

ワクワクするみやげ店
駅近くには、こんなかわいいみやげ店も

最後は旅の記念、みやげ店についてです。本記事カバー写真にもあるように、飲食売店の入口には浮き輪やビーチボール、スコップにサンダルといった海遊びグッズが並べられているので、手ぶらで来ても現地調達できます。使い終わったら、そのまま日本までお持ち帰り。

本格的なみやげ専門店は飲食エリアに集まっており、そのほか麦わら帽子やフリスビー、これまた犬用のオモチャ、散歩ヒモなんてものまで豊富に売られています。

なかでもおすすめは赤いドラゴンが象徴的な、ウェールズの(国)旗マークがついたラグビーボール。ウェールズはラグビーが盛んで、ラグビー・ウェールズ代表は世界的な強豪として名を馳せています。ご当地グッズのひとつとして、想い出に残ること請け合いです。

どの年齢層でも終日めいっぱい遊んで癒やされる、ウェールズのバリー島ビーチ・エリア、新型コロナが落ち着いた頃の旅先としてぜひ、候補に入れてみてください。

≫≫≫(関連記事)「日本にも上陸予定!!ロンドンの「ワーナーブラザース(ハリー・ポッター)・スタジオツアー」攻略ガイド(前編)」の記事はこちら

※当記事は、2021年6月21日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年6月21日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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