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ハワイ諸島最高峰、標高4205mのマウナケア山で星空を楽しむ方法

2020年02月28日

マウナケア山頂は世界中の専門家が憧れる天体観測の最高峰 ©iStock

ハワイ諸島のなかで最も大きなことから、「ビッグアイランド」と呼ばれることもあるハワイ島。その北東部にそびえるマウナケア山の標高は富士山よりはるかに高い4205mを誇り、世界の天体観測の最高峰です。しかも頂上付近まで車でアクセスできる利便性をも持っています。宇宙のスケールの大きさを感じる場所で、星空とサンセットを楽しむ方法をご紹介します。

マウナケア山とは?富士山より高く、雪が積もる「白い山」

山頂付近の雪面に残る滑走の跡。冬にはスキーやスノーボードを抱えてやって来るローカルもいる @iStock

ハワイ語で「白い山」という意味をもつマウナケア山。島全体がスピリチュアル・スポットと言われるこの島は、古代ハワイアンの時代から最も神聖な場所とされている山でもあります。その名のとおり、例年1~2月には山頂付近が雪に覆われることが珍しくなく、天気がいい日にはその姿をハワイ島内のあちこちから見ることができます。

マウナケア山頂は、世界有数の天体観測地。アメリカのスミソニアン天文台を筆頭に、日本の国立天文台が建設した「すばる」、ハワイ大学、イギリス・カナダ・ブラジル・オーストラリアなど7ヵ国が共同で設置した望遠鏡など、11ヵ国の13天文台が設置されています。

世界各国の最高性能の望遠鏡が並ぶ様子は、まさに天文台ビレッジ @iStock

天体観測に必要なのは、第一に人工の光の影響がない暗い空。マウナケア山が選ばれた理由は周辺に民家がなく光汚染が少ないことによりますが、それだけではありません。年間の晴天日が300日近くあり、空気中の水蒸気や埃(ほこり)が少なく乾燥して大気が安定していることや、天文台建設のための資材や機材を運んだり天文学者が赴く際のアクセスのよさも重要です。地球上でこれらの条件を満たしている地としてはほかに、チリのアンデス山中、アフリカ西海岸のカナリア諸島の山頂があり、マウナケア山を含めたこの3ヵ所が地球規模で見た天体観測の適地といわれています。

マウナケア山に出かける前に知っておきたいハワイ島の気候と服装、安全のための注意事項

地球上のほとんどの気候が存在するハワイ島。車の運転と服装にも注意をしたい ©iStock

ハワイ諸島全体が属する気候区分は、「熱帯」「亜熱帯」ですが、ハワイ島に関しては世界にある全気候帯17のうち10の気候帯が存在します。その理由は、1年を通じて東から吹く貿易風の影響と、マウナケア山とともに標高4169mのマウナロア山という高山があるため。貿易風が二つの山にぶつかって島の東側に雨を降らせ、西側にはカラカラに乾いた空気が流れ込みます。標高差もあることから、車で30分~1時間走っただけで天気が変わることは珍しくありません。

標高4000mを超えるマウナケア山は、車でアクセスできるとはいえ“極地”にも近い自然と気象条件が待ち受ける場所。判断を誤ると命にかかわる危険があります。安全に、楽しく過ごすために、注意すべきことを紹介します。

■ダイビング後24時間は、マウナケア山頂に登れない!
マウナケア山頂に登る場合、スキューバダイビング後は24時間以上時間をおかなければなりません。潜水後、すぐに気圧の低い高地に行くと、血管内に気泡ができて血管を詰まらせてしまう「潜水病」の危険があるためです。
同じ日にダイビングとマウナケア登山の両方をすることはできませんし、ほかの島でダイビングをした同日に飛行機でハワイ島へ移動するのもNGです。ちなみに、マウナケアに登った24時間以内にダイビングをするのは問題ありませんが、無理なスケジュールで体に負担をかけることがないよう注意しましょう。

■山頂の気温は氷点下になることも。防寒対策は万全に
マウナケア山頂と平地との気温差は25度以上あります。標高が1000m上がると気温は約6.5℃下がると言われていますから、標高0mのビーチが真夏の30℃でも山頂付近は4℃という計算です。特に12~3月に訪れる場合は、防寒具が必須。紫外線を遮る大気の量も減るため、サングラス、日焼け止めも持参しましょう。
また、暗い場所での移動に備え、懐中電灯もあると安心です。
※ツアー参加の場合、防寒具付きのことが多いので確認してください。
●ハワイ島の天気と気温は、以下を参考にしてください。

https://www.arukikata.co.jp/weather/9H/IOH/

■レンタカーは四輪駆動車がマスト。ガソリンと保険範囲も必ずチェック!

レンタカーを利用する場合、たとえ中腹まででも4WD車で ©Sachiko Nagata

マウナケア・アクセスロードは一部を除き舗装が行き届いていますが、途中くねくねとしたカーブが続いたり、道幅が細くなっている部分があります。標高差もあるため、レンタカーは四輪駆動車を利用しましょう。途中にガソリンスタンドはないので、麓の町で必ず満タンにしていきます。レンタカー会社によって走行できる範囲、時間帯などのルールが異なります。保険の条件も必ず確認してください。万が一、車の故障や事故に遭った場合、非常に高額な救援費用を請求される場合があります。

■山頂まで行くなら、ツアー利用が安全で確実
健康な人でも標高3000mを超えると頭痛や息苦しさを感じたり、行動が緩慢になることがあります。星空観測が目的の場合は暗い時間帯を走ることになり、夜間や山道の運転に慣れていない人は危険。山頂まで連れて行ってくれる星空観測会付きのツアーを利用するのがおすすめです。

山頂の情報収集と、希少な植物も観察できる「オニヅカ・ビジター・センター」

マウナケア山の情報とともに、星空観測やビデオ上映のサービスがある(写真提供:ハワイ州観光局)

マウナケア山頂にアプローチする際、必ず立ち寄ることになるのが「オニヅカ・ビジター・センター(Onizuka Visitor Center)」です。ここは、1986年に起きたスペースシャトル・チャレンジャー号の事故で亡くなった宇宙飛行士、エリソン・オニヅカ大佐にちなんで名づけられた施設。ハワイ島で生まれ育った彼はハワイ州で初めての、さらには日系人初の宇宙飛行士です。

「オニヅカ・ビジター・センター」の情報ステーションの標高は2775m。スナックや飲み物を販売する売店やトイレ、望遠鏡が設置されています。サンセット・タイムに合わせて山頂へ上る車が到着し始める夕方以降は大変混在するため、日没より1~2時間早めに到着するのがいいでしょう。

またここは、山頂に向かう前の休憩を取るための場所でもあります。平地に比べ酸素量が少ない山頂付近では「高山病」を起こす場合があり、重症化すると命に関わる症状が出ることも。このリスクを減らすため、最低でも30分から1時間は留まり施設内の見学をしたりして体を慣らしましょう。ツアーの場合もここで休憩を取り、食事をしたり防寒着を着用したりします。

キク科の植物「ギンケンソウ」は絶滅危惧種に指定されている貴重な植物 ©iStock

施設周辺で観られる珍しい植物が「ギンケンソウ(銀剣草、Silver Swords:シルバーソード )」です。標高2100~3700mの日差しが強く乾燥した土地に育つこの植物は、名前のとおり剣のような形をしていて銀色に輝いて見えます。ハワイではここマウナケア山とマウイ島のハレアカラ周辺でしか見ることができない貴重な植物。40年の寿命があり、花が咲くのは数十年に一度といわれているので、もし開花のタイミングに出合えたらとてもラッキーです。

●オニヅカ・ビジター・センター(Onizuka Visitor Cente, Mauna Kea Visitor Information Station)
住所: Mauna Kea Access Road, Hilo, Hawaii
電話: 808-961-2180
時間: 9:00~18:00(トイレは24時間オープン) 無休
料金: 無料
URL: http://www.ifa.hawaii.edu/info/vis/

マウナケア山頂は宇宙のような別世界。おすすめの時間帯もチェック!

マウナケア・アクセスロード。「オニヅカ・ビジター・センター」を超えたあたりから急勾配のカーブが続く ©Sachiko Nagata

「オニヅカ・ビジター・センター」から山頂へは約8マイル(13km)、車で約30分です。標高差約1500mを一気に登ることになり、急勾配の坂道には舗装が途切れる部分や急カーブが続きます。ブレーキのトラブルやオーバーヒートを避けるためにローギアでゆっくり運転することを心がけましょう。ここから先は、売店もガソリンスタンドもありません。燃料は十分か、念のためもう一度チェックしてから出発しましょう。

天文台の景色が迫ってくると思わず声が上がる。山頂付近では雲海が見られることもある ©iStock

山頂が近づくにつれ、あたりには砂とゴロゴロした石ばかりの荒涼とした風景が広がってきます。冬季なら、常夏のハワイで雪景色を見ることもできるかもしれません。目の前に迫ってくる天文台群は圧巻のひとこと。サンセット・タイムが近づくと空が少しずつオレンジ色に染まるのに従い、天文台群の色も変わってきます。日没の直前には「すばる」のドームが開き望遠鏡が姿を現す瞬間を見ることができます。

完全に太陽が沈み、星が見えてくるまで約30~40分。その間、刻々と変わる空の色を眺めながら、壮大な光のショーを楽しみます。山頂は風が強いことが多いため体感温度は実際よりかなり低く、じっとして見ているのは不可能です。時々、建物の陰や車のなかに入ったりして過ごすのがおすすめです。山頂にはトイレがありますが、なかは真っ暗なので懐中電灯を持参するといいでしょう。

サンセットの壮大なショータイムに、言葉を失い見入ってしまう ©iStock

マウナケア山への所要時間は、ハワイ島西側のコナ空港、カイルア・コナやワイコロアから「オニヅカ・ビジター・センター」まで約1時間30分、ヒロの市街地からは約1時間です。途中の休憩タイムを含め、山頂まで最低でも3時間はみておきましょう。山頂でサンセットを見る場合、夏場なら14~15時、冬は13~14時には麓を出発したいところです。サンライズ(日の出)を見る場合は、中腹の駐車場や「オニヅカ・ビジター・センター」で天体観測を楽しむことになるので、深夜12~2時ごろには出発しましょう。

運が良ければ「ビーナスベルト(地球の影)」や赤く燃える溶岩が見えるかも!?

天気がいい日にはキラウエア火山の溶岩が空に反射し赤く見えることがある ©iStock

山頂で楽しむ天体ショーは、サンセットと星空だけではありません。日没の直後、陽が沈む方向の反対側、東の空に見える青い帯が「ビーナスベルト(Venus Belt)」と呼ばれる地球の影。雲がない快晴の条件下で、しかも日没後の数分間しか現れないので見逃さないようにしてください。
さらに運が良ければ、キラウエア火山がある南東方向の空に火口の溶岩が反射し、夜空が赤く染まって見えることがあります(注:2020年3月現在は見ることができません)。

マウナケア山で安全かつ確実に天体観測を楽しめるツアー

ツアーの場合、星空観測会は中腹で行われることが多い(マサシのネイチャースクール) ©Taku Miyazawa

マウナケア山にはレンタカーでアクセスすることができますが、安全かつ確実に楽しむならツアーを利用するのがおすすめです。山頂付近はレンタカーの保険適応範囲外となるため、高山病にかかって救急車を呼ばなければならない場合や車の故障が起こると、莫大な救援費用を負担しなければならなくなるためです。

山頂へ行くツアーは、高度に体を慣らす時間も計算してスケジュールが組まれていますし、防寒具や食事、飲み物が付いています。大型天体望遠鏡を設置して行われる天体観測も、その日の天候によって条件のいい場所を選んで行われます。知識豊富なガイドが解説してくれるので、個人で望遠鏡を持参して星を探すよりずっと楽しめますよ。

マウナケア山で天体観測ができるツアーは、午後に出発し山頂で日没を見てから天体観測を楽しむ「サンセットツアー」と、夜中の12~1時ごろに出発し、夜明け前に天体観測をしてから山頂で日の出を見る「サンライズツアー」の2種類があります。どちらも所要8~9時間。ハワイ島はとにかく広いので、滞在ホテルによってピックアップの時間が大きく異なります。また、ほとんどのツアーがコナエリア、ワイコロア周辺のリゾートからの送迎になり、ヒロエリアからの送迎は少ないので、注意してください。

■マウナケア山頂のおすすめツアー
マウナケア山頂へは入場できるツアー車の台数が制限されています。人気が高いうえに定員が限られているので、早めの予約がおすすめです。

●地球の歩き方×ファーストワイズ アウレアハワイ
「マウナケア山頂 夕陽と星のツアー」「マウナケア山頂 星と朝陽のツアー」各1名$180~(2020年4月1日~は$200) ※16歳以上
https://arukikata-op.jp/tourlist/word/マウナケア

●マサシのネイチャースクール
「マウナケア山頂 夕日と星空ツアー」「マウナケア山頂 日の出と星空ツアー」各1名$180~(2020年4月1日~は$200) ※16歳以上
http://www.minshuku.us/

●太公望ハワイ
「聖地マウナケア サンセット&星空ツアー」1名$160、「聖地マウナケア山頂・星空観測&サンライズツアー」1名$170 ※16歳以上
https://www.taikobo.com/

●ロバーツハワイ
「マウナケア山頂と星空観測ツアー」1名$180
https://jp.robertshawaii.com/activity/4ee143f4-ac0c-5372-9c1e-6812790ae690


マウナケア観光の注意点、ツアー参加前に知っておきたいこと

「マウナケアに行くためにハワイに行く」、その価値はある! ©iStock

マウナケア山頂は悪天候の場合、入山が規制されることがあります。サドルロード、マウナケア・アクセスロードの閉鎖、天候不良等で山頂まで行けない場合は行程が変更になります。
他にも注意したい点がありますので、よく確認してから申し込みましょう。
「マウナケア・アクセスロード閉鎖」に関する情報などは、「ハワイ州観光局ニュース」のページか、こちらから見ることができます。

https://www.allhawaii.jp/htjnews/
※2020年3月現在、交通規制は解除されています。

●山頂付近は0度近くまで気温が下がることがあるため、暖かい服装で出かけましょう。また、ビーチサンダルやかかとの高い靴は危険です。歩きやすいスニーカーなどがおすすめ。ツアーにはダウンジャケットやオーバーパンツの用意がありますが、自身でもフリース、保温性の高いパンツ、ニット帽などを用意しておくと安心です。

●妊娠中、心臓疾患や呼吸器系疾患、高血圧の人は、ツアー参加を断られる場合があります。24時間以内にダイビングをした場合は、山頂まで行くことはできません。参加前12時間以内の飲酒も控えるようにしましょう。

●ツアーによって参加可能な年齢が異なります。高齢の場合、医師の許可や診断書が必要な場合があります。

ハワイ島のさまざまな場所から見えるマウナケア山。山頂からの景色を目に焼きつけて帰りたい ©iStock

ハワイ諸島で最も標高が高く、世界の天文観測の最高峰でもあるマウナケア山。山頂付近で目にする光景は、同じ地球上とは思えないスケールの大きさです。刻々と変わる空の色、天空からこぼれ落ちるように目に飛び込んでくる無数の星に、言葉では表現できない感動を覚えるに違いありません。一生に一度は自分自身で体験し、見てみたい景色といえるでしょう。ハワイを訪れたらぜひ……というより“マウナケア山のためにハワイ島へ行く”旅のプランを考える価値は十分あります。

TEXT:永田さち子(『ちょっとツウなオアフ島&ハワイ島案内』著者) 
PHOTO:iStock、宮澤 拓、永田さち子

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