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石川県・能登半島のおすすめ!「のと里山空港」から出かける心と身体を整える旅

2020年12月17日

珠洲焼陶芸家、山田睦美さんの作品。臨済宗・吉祥寺にて

奥能登の玄関口、のと里山空港へ。東京から約60分、どこか懐かしい里山と里海を訪れて、心と身体を整える旅に出かけてみませんか。ゆったりとした時間(とき)が流れる奥能登には、この土地に根ざし、その歴史と文化を今に伝える人々との出合いがあります。能登半島の先端の地、珠洲市、輪島市、能登町への旅をレポートします。

奥能登の自然、雲、風景を感じる珠洲焼との出合い

陶芸家、山田睦美さん。何ができるのかを常に自分に問いかける

「のと里山空港」から能登半島の先端に位置する珠洲(すず)市へ。創建700年の古寺、臨済宗・吉祥寺にて、陶芸家の山田睦美さんにお会いしました。グラフィックデザイナーとして7年間勤務した後、珠洲焼を始めてから16年という若手作家です。素朴で力強く、どちらかと言えば男性的なイメージのある珠洲焼ですが、山田さんの作品には女性の日常使いをイメージした“用の美”が表現されています。

奥能登の大地から息吹を吹き込まれたような美しい作品

珠洲焼の歴史は古く、古墳時代中期に大陸から伝わった須恵器(すえき)の流れをくんでいるといわれています。海運によって日本中に広まり、中世日本を代表する焼き物となりながら、なぜか15世紀後半から急速に衰え、その後に途絶えてしまいました。その理由はいまだにわからないそうですが、約500年の時を超えて、珠洲市で復活したという歴史を持っています。「土を焼くことは2000年残るものを作ること」という山田さんの言葉が心に残ります。
ちなみに、どこか懐かしいような、珠洲焼の持つ独特な黒灰色は、鉄分を多く含んだ珠洲の土を、1200度前後の温度で焼きしめるという、その仕上げの工程で生まれるといいます。珠洲市の中心部からほど近い珠洲焼館では、山田さんの作品をはじめ珠洲焼作家46人の作品が展示、販売されています。

山田さんの実家でもある吉祥寺。かつて古い珠洲焼が出土した

■ 臨済宗・吉祥寺
・住所: 〒927-1319 石川県珠洲市若山町吉ケ池18-7-甲
・TEL: 0768-82-5808

■ 珠洲焼館(すずやきかん)
・住所: 〒927-1204 石川県珠洲市蛸島町1-2-480
・アクセス: のと里山空港から車で約50分、日本の渚・百選に選定された鉢ヶ崎海岸がすぐそば
・TEL: 0768-82-5073
・営業時間: 9:00~17:00
・休館日: 年末年始(12/31~1/4)
・料金: 無料 *珠洲焼体験:3,000円(所要時間2時間、要予約)
・URL: https://www.city.suzu.lg.jp/sangyosinko/suzuyakikan_2.html

奥能登のお母さんたちによる愛情あふれる手作り郷土料理

輪島塗のお膳は実に華やか。酒造ご膳二の膳付き

1849年創業の酒蔵の民家部分を改装した建物で郷土料理がいただける「酒蔵座敷・能登日和」。輪島市街から車で約30分、美しい里山の中にあって、奥能登のお母さんたちによる愛情いっぱいの郷土料理を楽しむことができます。広々とした座敷で、しかも輪島塗のお膳で味わうとともに、お母さんたちのやさしいおもてなしが自慢。料理はもちろんのこと、お膳の前に用意された低めの椅子で、畳のうえでもゆっくりとくつろげるのがうれしい限りです。

元酒蔵の住宅の棟には、銘酒「若緑」の賞状も

元酒蔵ということもあってか、食前酒に甘酒、塩麹漬けの豚バラ肉、酒粕に漬けた漬物とお酒にこだわった品々も。自家栽培の豆から作る名物のがんもどきは、ふっくらとしたその食感が忘れられません。お昼のみの営業ではあるものの、美しいライトアップで有名な白米千枚田(しろよねせんまいだ)にも車で20分と近いのでドライブルートに入れてみるのがよいでしょう。

能登日和は元酒蔵「中納酒造」の本宅を改装したレストラン

■ 酒蔵レストラン 能登日和(のとびより)
・住所: 〒928-0212 石川県輪島市町野町寺山3-42
・TEL: 050-2020-7409
・営業時間: レストラン 11:00~14:00
・定休日: 火曜日
・URL: http://55wajima.com/notobiyori/
・食事の予約は2日前までに。また予約は2名以上で(2021年1月からは3名以上で)

能登の暮らしに根づく、道具と職人との出合い

道具が作られる過程を説明する四代目・干場健太朗さん

『能登の里山里海』が「世界農業遺産」に登録されたのは2011年6月のこと。農林漁業の営み、能登の人々の暮らしやその風景が世界的に評価されたことの証といえます。
能登町の「ふくべ鍛冶」は、そんな能登の農業や漁業を支える人たちのための道具を作っている、1908年創業の鍛冶店です。「海や山の仕事をしている人の道具を作っているからこそ店が残った」と話すのは四代目の干場健太朗さん。能登町にはかつて40軒ほどの鍛冶店があったといいますが、今ではここが唯一の店となってしまったそうです。

創業以来、能登マキリを作り続ける。能登の暮らしに欠かせない道具

店を継いでからは、遠出が難しい高齢者のために移動鍛冶屋を開始したり、刃物研ぎの宅配サービスを始めたりとユニークなアイデアが好評を博し、いまでは全国からの客が道具を求めて訪ねてくるようになったという。お店の中はさながら道具のギャラリーで、斧や鎌、能登マキリやイカさき包丁、そして、料理に欠かせない数々の包丁類など、昔ながらの人々の暮らしに根づいた道具類がぎっしり。少し離れたところにある鍛冶場では、この道60年の鍛冶職人の槌音が響いていました。

ふくべ鍛冶、三代目の干場勝治さん

■ ふくべ鍛冶
・住所: 〒927-0432 石川県鳳珠郡能登町字宇出津新23
・TEL: 0768-62-0785
・営業時間: 9:00〜19:00
・定休日: 日曜日
・URL: https://fukubekaji.jp/


家族の絆で昔ながらの味を守る老舗酒蔵へ

手造りにこだわる銘酒「谷泉」。若い力で伝統の味を守る

漁師町、鵜川で200年以上続く「鶴野酒造店」を訪ねてみました。「谷泉」はその代表銘柄で、すっきりと滑らかな口あたりの純米吟醸や米の旨みが口中に広がる大吟醸などが人気の老舗蔵元です。この蔵の特徴は、なんといっても手造りへのこだわりといえるでしょう。女性杜氏が細やかな感性を活かし、米を蒸すのには木製の「こしき」を使い、もろみを搾るのもすべて手作業。仕込んだ味を楽しんでもらうためにブレンドはせず、できるだけ火入れ行わず、瓶に詰めたらすぐに冷蔵庫に入れてゆっくりと熟成と、ひと方ならぬ愛情を注いで造られていきます。

杜氏になって3年という次女の薫子さん

そしてもうひとつの特徴はというと、家族の力で「谷泉」の味を守っているところではないでしょうか。12代目のご主人亡き後、女将みどりさんが13代目と杜氏を務め、次女の薫子(ゆきこ)さんも杜氏になって3年目、そして長男の晋太郎さんが地元にもどり、ゆくゆくは14代目になるべく目下研鑽に励んでいます。家族みんなが支えい、伝統ある銘柄「谷泉」の味を守っている姿が実に印象的でした。

父である12代目の思いを胸に老舗酒蔵を取り仕切る晋太郎さん

■ 鶴野酒造店
・住所: 〒927-0302 石川県鳳珠郡能登町字鵜川19‐64
・TEL: 0768-67-2311
・営業時間: 9:00~19:00
・URL: https://www.taniizumi.com/

80年前の輪島塗のお膳で食す旬の食材はまた格別

思い切り輪島を体験してしい、というご主人こだわりの料理

輪島塗は日本を代表する伝統工芸ですが、その発展の歴史には輪島という土地柄によるところが大きいようです。能登半島の先端近くにある輪島には、かつて北前船によって、全国各地からの「物資」とともに「文化」が伝えられたと言われています。港から入ってくる最先端の“情報”に触れることで輪島塗が発展し、その堅牢さと品質の高さから各地に広がっていきました。

お膳や器はもちろん、利き酒用のぐい飲みも見事な輪島塗

さて、港近くの朝市通りから歩くこと10分。豪華な輪島塗のお膳でいただく料理が自慢の「お宿たなか」を訪れてみました。床も柱も総漆塗りというお宿は、大人ための隠れ家という雰囲気そのもの。さっそく夕食となり、見事なお膳と美しい盛り付けにしばらく見とれてしまいそう。「80年くらい前のものですよ」とご主人からうかがって、その贅沢さに驚いてしまったものです。
その時その時のお客様に合わせて料理をお出しする、というのが「お宿たなか」のおもてなし。魚料理はもちろんのこと、三方を山に囲まれた土地ならではの旬の山菜など、これぞ輪島の食を楽しませてくれます。

落ち着いた雰囲気と輪島ならではおもてなしが人気だ

■ お宿たなか
・住所: 〒928-0001 石川県輪島市河井町22-38
・TEL: 0768-22-5155(*予約:8:00~22:00)
・URL: http://www.oyado-tanaka.jp/index.html

またこの風景を訪ねたくなるような絶景ワイナリーへ

絵のような風景の中にあるワイン醸造所「ハイディワイナリー」

緩やかな斜面に広がるブドウ畑の先に広がる日本海。鮮やか緑と濃い青のコントラストが美しい絶景にハイディワイナリーがあります。オーナーの高作正樹さんが醸造家としてこの地にワイナリーを設立したのが2011年。きらきらと陽の光を浴びた畑を見渡しながらワインづくりの考え方を話してくれます。そもそも、なぜ能登の輪島にワイナリーをつくろうと思ったのか。この美しい斜面の前に広がる風景が特に気に入ったのがその理由だそうです。ただ、ワインはその土地の環境や気候、土壌の性質によっても大きな影響を受けるもの。さまざまな土地を調査した上で、ようやくこの地にたどり着いた、とのことです。

2011年春、650本の苗木とともにブドウづくりをスタート

このワイナリーでは「海のそばで生まれたブドウ」の価値を引き出すために、化学肥料や除草剤を一切使わずに、すべて手摘みで収穫を行うことをモットーとしています。その代わり、すぐに雑草が生えてしまったり、夏には猪が畑に現れたりと、造り手ならではの苦労話は尽きません。レストランが併設されていて、ワイナリーの見学もできるので、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。

門前という地にあるハイディワイナリーは曹洞宗・總持寺の御用達

■ ハイディワイナリー
・住所: 〒927-2351 石川県輪島市門前町千代31-21-1
・TEL: 0768-42-2622
・営業時間:
ぶどう畑・醸造所の見学、試飲 11:00 / 12:30 / 14:00 / 16:30の各回で開催(所要時間:約30分)
ワインショップ 10:00-17:00
カフェ&レストラン 11:30-21:00 (ディナーL.Oは19:30)
・定休日: 毎週火曜日
・料金:
見学・テイスティング ¥1,000(税別)、見学のみ ¥500(税別)
テイスティング ¥250(/1glass)(税別)
・URL: https://heidee-winery.jp/

開創700年。大本山・總持寺祖院で禅に出合う

高さ17.4m、間口20m、奥行14.4mの山門は昭和7年完成

輪島市の門前町門前は、文字通り曹洞宗の大本山、總持寺祖院の門前町です。明治期まで福井の永平寺とともに、多数の末寺寺院を擁する曹洞宗の中心寺院だった總持寺。しかし、1898年の災禍によってその大部分を焼失、布教の中心が横浜市鶴見に移されたことが、輪島に残る總持寺が「祖院」と称される理由です。さっそくゆっくりと境内へ歩を進めることにしましょう。

相見の間の襖4枚に書かれた山岡鉄舟の書

境内のほぼ中央に位置する山門は1931年に完成した総欅造りで、ひときわその威容を誇っています。1912年に再建された仏殿には、正面にご本尊の釈迦牟尼如来、右に大権修理菩薩、左には、禅を伝えたとされる達磨大師を配しています。客殿を兼ねた相見の間には、山岡鉄舟による書、「鉄樹抽枝(てつじゅ・えだをぬきんじ)」「石樹開花(せきじゅ・はなをひらく)」が。あり得ないこと、起こりえないことのたとえとされる禅の言葉です。
曹洞宗の高祖道元禅師から4代目、瑩山(けいざん)禅師によって開創されたのが1321年。總持寺は2021年に開創700年を迎えます。

己が身を水をも火おもいといなくすくい上ぐるぞ御仏の慈悲

■ 總持寺祖院(そうじじそいん)
・住所: 〒927-2156 石川県輪島市門前町門前1-18-1
・最寄駅: のと鉄道「穴水駅」で下車、北鉄奥能登バス「穴水駅前」より約35分、バス停「門前」で下車、徒歩約9分
・TEL: 0768-42-0005
・営業時間: 8:00~17:00
・定休日: 
・拝観料: 大人 400円、高校生 300円、中学生 200円、小学生 150円
 座禅体験 1名1,000円(拝観料含む)
 宿泊(要予約) 一般1名 6,500円(1泊2食)
 修行僧「雲水」になりきり体験 1名1,000円
・URL: https://noto-soin.jp/

奥能登を訪れるなら「のと里山空港」がおすすめ!

のと里山空港と羽田空港は、わずか60分のフライト

羽田空港と「のと里山空港」間のフライトは、午前と午後の毎日2便 *新型コロナウイルスの影響により、変更になる可能性があります。最新の情報は、ANAのホームページをご確認ください。

■ 能登の旅情報センター
・住所: 〒929-2372 石川県輪島市三井町洲衛10-11-1 能登空港ターミナルビル1F
・電話: 0768-26-2555
・URL: https://www.noto-airport.jp/


◆もっと奥能登の旅が知りたい方はこちらも!
・URL: https://www.notohantou.net/travelnoto/


取材・文:植木 孝(地球の歩き方)
写真:中西 学
取材協力:のと里山空港利用促進協議会

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地球の歩き方編集室 編
定価:本体1,384円+税
発行年月: 2018年03月
判型/造本:A5変並製
頁数:128
ISBN:978-4-478-82130-5

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