"家守"が地域活性化 富山・南砺市 月一「市場」の挑戦

公開日 : 2019年03月03日
最終更新 :
Nishichiマルシェ会場で笑顔を見せる北川智之さん(左)=富山県南砺市福野の猿ケ辻公園で
Nishichiマルシェ会場で笑顔を見せる北川智之さん(左)=富山県南砺市福野の猿ケ辻公園で

 富山県南西部に位置する南砺市。世界遺産の五箇山合掌造り集落や2018年に新たに日本遺産に認定された井波木彫刻などで知られます。そんな美しい風景、伝統の残るまちですが、人口減少が大きな問題となっています。07年は5万7924人を数えましたが、17年には5万2042人と10年で約1割減少しました。


 このままでは地域が廃れてしまうと危機感を抱き、北部の福野地域を中心に地域活性化に取り組んでいる団体があります。電気工事業を営む北川智之さん(39)が代表を務める任意団体「福野家守舎」です。17年からはマルシェ(市場)を運営しています。公園などで地元食材や地元飲食店の名物品の即売会のことで、大勢の参加者でにぎわいます。かつて「2」と「7」のつく日に朝市が開かれていたことにちなみ、Nishichi(にしち)マルシェと名付け、毎月27日に近い日曜日に開かれます。

 人集めだけが目標ではありません。人と「まち」を結びつけることにも力を注ぎます。地域に残った空き家の一軒は18年、マルシェの会場に使われた縁で飲食店に生まれ変わりました。

 「私たちのまちは私たちの手で守りたい」北川さんはそう話します。「私たち大人が楽しければ、自然と人が集まると思います」とも。そのために子育て世代が住みやすいまちづくりを思い描きます。

 「家守」とは江戸の頃、役人の代わりにまちの管理を担った民間人のことです。「家守舎」には、新時代の"まちの再生"の一助になりたいという願いが込められています。その中心の"舞台"がNishichiマルシェ。住民からの自発的な活動だけに、北川さんたちの「これから」に注目です。

 この記事は、全国商工会連合会が地域活性化のキーマンとなる若手経営者育成のため開催した「次世代地域リーダー塾」プログラムの中で、毎日新聞記者の指導を受けて作成されたもので、「地球の歩き方ニュース&レポート」でも掲載しました。
 商工会は、全国1,653カ所の市町村にあり、中小企業の経営支援と地域活性化に取り組んでいる団体であり、全国商工会連合会はその全国団体です。

■全国商工会連合会
・URL: http://www.shokokai.or.jp/

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