情緒溢れる古民家で過ごす ぶらり小江戸・佐原の旅
水の郷と呼ばれる佐原は、千葉県香取市の観光名所のひとつ。小野川沿いの柳と歴史ある建物が織り成す風景が、旅人の心をつかむ風情ある町です。
香取市と聞いて場所がピンと来ない人は、千葉県のマスコットキャラクターのチーバくんを想像してみてください。チーバくんの頭の辺りが香取市です。
東京からなら1時間半ほど。日帰りで行ける気軽なエリアですが、今ここを訪れるなら泊まりがおすすめ。というのも、古民家をお洒落に改装した宿が次々と誕生しているから。夜には一層幻想的になる佐原の町並みを堪能する旅へ出かけてみませんか?
古民家を再生し、町並み全体をひとつのホテルに
佐原の魅力は何と言っても歴史情緒溢れる町並み。水運で繁栄を誇ってきた佐原は小野川沿岸に古民家が並び、その中には、伊能忠敬が1793年に設計し住んだといわれる母屋も残っています。歴史的価値があるこの景観は平成8年12月には関東で初めて「重要伝統建造物群保存地区」に選定されたほど。
それだけでも魅力的でしたが、現在はその歴史的な財産を活かした町おこしプロジェクトがはじまり、一層目が離せなくなっています。
プロジェクトのメインを司るのは、「NIPPONIA SAWARA HOTEL」。「江戸の風情を守り受け継ぎながらも、現代の感性で“新しいEDO文化”を創造していくことを目標に、訪れた人たちが佐原の土地に溶け込むように過ごせる仕掛けを作っています。
具体的には、町並み全体をひとつのホテルと見立て、街を巡るというもの。まず、町の中心にある県指定文化財の旧家「中村屋商店」を改装した棟でチェックインをし、町を歩きながら宿泊する古民家に向かいます。古民家宿までの道のりには、老舗の商店や古民家カフェ、酒蔵など、見どころ満載。歴史と文化に触れながら、この土地に溶け込んでほしいという願いがこめられています。
宿泊できるのは、明治時代に建てられた商家を改装した3棟の広々とした「佐原商家町ホテル NIPPONIA」ほか、古民家再生型のドミトリー「HOSTEL Co-EDO」。ファミリーから一人旅まであらゆる層のニーズに対応しています。
ドミトリーには、共同のキッチンやインターネットルーム、バーなどがあり、世界各国から訪れた旅人とコミュニケーションが楽しめそう。
実際佐原には、年々外国人旅行者が増えているので、宿泊する場合はもちろん、街歩きをしながらでも国際交流のチャンスに出逢えそうです。
■ NIPPONIA SAWARA
・URL: https://www.nipponia-sawara.com/
ご当地食材をアイデアたっぷりに頂く
古民家の楽しみは宿泊だけではありません。旅の印象を左右すると言っても過言ではない「食」も、この土地ならではの魅力を十分に感じさせてくれます。
「佐原商家町ホテル NIPPONIA」のチェックイン棟になっている古民家の2階はなんとフレンチレストラン。ここではとてもユニークな発想のお料理がいただけます。
まず、食材はほぼ香取市をはじめ千葉県産のもの。野菜や魚貝、肉だけでなく、調味料に至るまで土地のものを使うこだわりぶりです。メニューの監修は、ミシュランと並ぶ2大レストランガイド、「ザガットサーベイ」で、神戸エリア料理部門で4年連続1位を獲得した石井之悠シェフ。地元の食材をフレンチの技法で、未知なる料理へと変身させます。
たとえばこの日いただいた料理のひとつ「真鯛のポワレ香取の白味噌アレンジ」は、銚子港で獲れたばかりの真鯛と、香取市で作られた白味噌を組み合わせ、細切りにしたゴボウをフリットにして添えたユニークな一皿。
ほかにも、香取市の名産「水郷鶏」を使ったパナッシェや、同じく名産の「芳源(よしもと)マッシュルーム」を使った濃厚なポタージュスープ、さつまいも「紅はるか」を抹茶と組み合わせたモンブランなど、地元の人でも味わったことのない“ここならではの特別な味”を体験しました。
※メニューは2ヶ月ごとに更新されます。
香取市の名産品をおみやげに
NIPPONIAのレストランで地元の味を満喫したら、おいしいものをおみやげにもほしくなるもの。香取市の名産といえば、お米やサツマイモ、梨、ブドウ、マッシュルームなどさまざま。これらの農産物および加工品は「道の駅・川の駅 水の郷さわら」などで手に入ります。
また、香取市では昨年度「ちば香取のすぐれもの」ブランドを立ち上げ、観光と豊かな食材を結び付けPRすることによってブランドアップを図る試みを強化。昨年はコンテストで5点の加工食品を「ちば香取のすぐれもの」に選定しています。 おみやげを選ぶ際に注目してみてください。
■ 道の駅・川の駅 水の郷さわら
・URL: http://www.e-sawara.com
文:清水真理子
筆者
地球の歩き方書籍編集部
1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。
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