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東武鉄道のSL、東武日光駅に10月乗り入れ!女優・門脇麦さんを起用のTVCM放映

2020年08月12日

門脇麦さん出演! 東武鉄道の「It ’s SLOW time」プロモーション

東京の浅草駅と栃木県の日光・鬼怒川温泉などを結ぶ東武鉄道。その日光・鬼怒川エリアの地域活性化などを目的に、2017年8月10日から東武鬼怒川線の下今市駅と鬼怒川温泉駅間で蒸気機関車(SL)が客車を牽引する「SL大樹(たいじゅ)」が運行され、好評を博しています。そのSL大樹が2020年10月から東武日光駅にも乗り入れることが発表されました。列車名はSL大樹「ふたら」号。東武鉄道では2021年冬頃までにSLを現在の1機から3機体制にする予定で、さらなる運転区間の拡大などに期待が寄せられています。また、2020年8月5日、東武日光駅にSLが初入線し、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』でヒロインの駒を演じる女優の門脇麦さんが同社プロモーションのイメージタレントに就任したことも発表されました。東武鉄道のSLの魅力と今後の展開などを紹介します。

東武日光駅を発着する列車名称は、SL 大樹「ふたら」に決定!

東武日光駅に初入線のSL大樹「ふたら」号

2017年8月10日から東武鬼怒川線の下今市駅と鬼怒川温泉駅間で運行されている「SL大樹」。これに加えて、2020年10月からは東武日光線の下今市駅と東武日光駅間でSL大樹「ふたら」号が月1回程度で運行されること、2020年8月5日から新しいプロモーションが始まることが発表されました。ちなみに、「ふたら」とは日光の地名の由来となっている男体山(なんたいさん)のかつての呼び名「二荒山(ふたらさん)」から採られました。

SL大樹「ふたら」号と並ぶ女優の門脇麦さん

2020年8月5日から始まった東武鉄道の新しいプロモーションでは、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』でヒロインの駒を演じる女優の門脇麦さんを起用し、「It’s SLOW time –SLOWにいこう。SLでいこう。日光・鬼怒川の旅。–」と題してTVCMの放映や各種施策を行っていくとのこと。

同プロモーションの開始を記念して、2020年8月5日、東武日光駅にSLが初入線し、門脇麦さんも登場して華を添えました。

東武日光駅内でのキャンペーン発表会の様子

同プロモーションの発表式では、東武鉄道から「SLで行く、“ゆっくり”とした時間の旅を通して、日光・鬼怒川の居心地の良さを感じていただきたい。“ゆっくり”だからこそ出合える穏やかな景色や、“ゆっくり”だからこそ触れ合える地元住民との時間など、改めて『ゆっくりとした時間を持てる価値』をSL大樹で行く旅を通じて感じていただきたい」と、意気込みが語られました。

その後、門脇麦さんが登場。実はSL大樹の運転開始日と門脇さんの誕生日が同じという縁があること、撮影で初めて見たSLに「とても迫力があって、特に煙の迫力が想像以上で凄くて、SLに驚くシーンがあったんですが、素で驚いてしまいました」と大興奮だったとのこと。また、撮影時にSLに乗車した感想を聞かれると、「SLって想像以上にゆっくり進むので、窓からずーっと景色を見ていたら、沿線からいろんな人が手を振ってくれていて、なんだか気持ちもゆったりしちゃいました」とのこと。

では、門脇麦さんが登場するTVCMを見てみましょう。



門脇麦さん登場のTVCMの撮影地情報などの詳細は、以下の東武鉄道特設サイトに紹介されています。

■「It’s SLOW time –SLOWにいこう。SLでいこう。日光・鬼怒川の旅。–」キャンペーン
・URL: https://www.tobu.co.jp/sl/slow/

SL大樹とは?

下今市駅と鬼怒川温泉駅間を約35分かけて走るSL大樹

東武鉄道のSL大樹は、2017年8月10日から東武鬼怒川線の下今市駅と鬼怒川温泉駅間の12.4kmを約35分かけて運行しています。もともと東武鉄道ではSLの運行をしていたわけではなく、SLや客車の整備、乗務員の訓練などをイチからスタートするという壮大な計画でした。

「SL冬の湿原号」で活躍していた頃のC11形207号機[*]

まず、顔となるSLは1941(昭和16)年12月26日に製造された「C11形207号機」。ちなみに、「C11形207号機」は1974(昭和49)年に現役を引退し、北海道内で静態保存されていましたが、2000(平成12)年からJR北海道が動態保存機として使用を開始。「SLニセコ号」や「SL冬の湿原号」、「SL函館大沼号」として活躍していましたが、JR北海道から借り受け、東武鉄道にやってきました。

客車の最後尾からSLの動力を補助するディーゼル機関車[*]

ほかには、「ブルートレイン」の14系客車はJR四国やJR北海道から譲り受けたり、車掌車はJR貨物やJR西日本から、客車の後ろからSLの動力を補助するディーゼル機関車はJR東日本から譲受されるなど鉄道各社の全面協力があったことが注目でしょう。

また、SL・車両の検修や乗務員の養成では、JR北海道、秩父鉄道(埼玉県)、大井川鐵道(静岡県)、真岡鐵道(栃木・茨城県)の4社が協力しています。

SL大樹は土休日を中心に、2往復4本が運行されています。全列車とも下今市駅で東京方面発着の特急列車と接続。乗車には乗車券のほかに、座席指定券(大人760円、 小児380円)が必要です。

昭和の懐かしい雰囲気が楽しめる客車内では、SL観光アテンダントによる観光案内や記念乗車証の配布、「SL大樹 黒いアイス(チーズケーキ)」、キーホルダーなどのオリジナルグッズなどの車内販売があります。発車直後に流れる車内チャイム「♪ハイケンスのセレナーデ」のオルゴールが鳴ったら、オールドファンは感涙ものではないでしょうか。また、SLを知らない若い世代には、昭和の雰囲気が新鮮に感じられることでしょう。

鬼怒川温泉駅前にある転車台ではSLを間近に見られる[*]
ライトアップ時の転車台と機関庫(下今市駅構内)[*]

さらに、SL大樹の楽しみは、列車の外にも。発着する下今市駅と鬼怒川温泉駅には、SLの進行方向を転換させるための転車台が備えられていて、目の前でSLが180度回転する迫力の光景が人気を集めています。

ちなみに、転車台は旧国鉄で使用され、JR西日本が所有していたものが東武鉄道に譲渡されたものです。

・下今市駅: 山口県長門市駅の転車台
・鬼怒川温泉駅: 広島県三次駅の転車台

SL大樹の発車シーンや鬼怒川温泉駅前の転車台の「機まわし」、懐かしい車内チャイム「♪ハイケンスのセレナーデ(4:50頃)」などの動画[*]を以下にて。


SL大樹は、福島・会津若松へ乗り入れるのか!?

終点ではSLを進行方向の先頭へ入れ替え(鬼怒川温泉駅)[*]

2020年10月に運行を開始するSL大樹「ふたら」号。東武日光線の下今市駅と東武日光駅間の7.1kmを約17~23分かけて運行される予定です。乗車時間は短いですが、新たな旅の楽しみが広がり、運行開始が待ち遠しいところです。

桜と菜の花、真岡鐵道の絶景区間を走るC11形325号機[*]

ところで、現在はSLが1機(C11形207号機)体制となっているSL大樹。レトロなSLは整備や点検に手間暇がかかるので、1機体制となると長期の運休が発生してしまうことがありました。そこで東武鉄道は、真岡鐡道から「SLもおか」号として運行されていた「C11形325号機」を2020年7月30日に譲り受けました。2020年12月からSL大樹として運用開始予定で、東武鉄道のSLは2機体制となります。
さらに、北海道江別市で静態保存されていたC11形と同型の「C111」を日本鉄道保存協会から譲り受け、動けるように復元作業を行っているとのこと。これが実現すれば、2021年の冬頃に運用が開始され、東武鉄道のSLは3機体制となります。

SL大樹の福島県会津若松への乗り入れを期待![*]

東武鉄道のSLが3機体制となれば、SLの毎日運行や運行区間の拡大などに期待が広がります。2020年8月5日の東武日光駅でのSL大樹「ふたら」号のお披露目会では、吉野利哉東武鉄道常務が「ゆくゆくは鉄道でつながっている福島の会津地方へもSL運転を実現していければ」と路線拡大に意欲を見せたとの報道も。
これが実現すれば、下今市駅から鬼怒川温泉駅を通り過ぎ、その先に線路がつながっている野岩(やがん)鉄道、会津鉄道(東武鉄道の特急電車「リバティー会津」号は、会津鉄道の会津田島駅まで乗り入れ中)に東武鉄道のSLが乗り入れ、福島県の会津若松駅まで行くことができれば……。現在は約35分の乗車時間ですが、下今市駅から会津若松駅まで約3時間のSLの旅が楽しめるようになるかもしれません。
さらに、会津若松駅ではJR東日本の観光列車「SLばんえつ物語」号(新潟県新津駅と会津若松駅を結ぶ)と並ぶ姿も見られるようになるかもしれません。夢は膨らみます。

長距離区間のSLの運行となれば、多くの困難がともなうことが考えられますが、SL大樹は「鉄道産業文化遺産の保存と活用」「日光・鬼怒川エリアの活性化」「栃木・福島エリアにおける観光活力創出による地域活性化に貢献」を目的として運行が開始されたので、東武鉄道のさらなる挑戦に期待したいところです。

「It’s SLOW time –SLOWにいこう。SLでいこう。日光・鬼怒川の旅。–」へ。コロナ禍が早く収束してくれることを祈るばかりです。

■SL大樹(東武鉄道)
・URL: https://www.tobu.co.jp/sl/

[*]:筆者撮影

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