広がるランタンの輪 奈良・宇陀市 3人の挑戦を機に

公開日 : 2019年03月25日
最終更新 :
来場者が一丸となり、500個のランタンで会場を彩った=奈良県宇陀市で2018年7月、イベント実行委員の小西康貴さん撮影
来場者が一丸となり、500個のランタンで会場を彩った=奈良県宇陀市で2018年7月、イベント実行委員の小西康貴さん撮影

 「女人高野」として知られる室生寺など歴史ある観光名所や、豊かな自然に恵まれた奈良県宇陀市。しかし、他の地方都市と同様に、人口減と高齢化に直面しています。2018年7月、ランタンを打ち上げるイベントを開催した3人を核に、「地元を盛り上げよう」という意識が市民に芽生えつつあります。

 イベントを開催したのは、市内で飲食店を営む桶谷一成さん(44)と美容師の松村哲也さん(44)、コンビニ店オーナーの小西康貴さん(40)です。たくさんのランタンを夜空に一斉に飛ばすことで地域を活性化させようと、17年10月に向けて準備を進めました。しかし台風の影響で断念し、翌年再挑戦しました。

 当日は会場の総合運動場に3000人以上の家族連れらが訪れ、500個のランタンはすぐに売り切れました。願いなどを書き込んだ和紙のランタンを参加者が一斉に飛ばすと、ランタンの中に仕込んだLED(発光ダイオード)の明かりが夜空を幻想的に彩りました。

 1年目の「挫折」を乗り越え計画を進める3人の姿に、80を超える企業や事業者から支援の申し出があり、市の補助金も得られました。当日は高校生から70代まで120人を超えるボランティアが協力し、運営を支えました。

 ボランティアとして場内整理を担当した田中実さん(68)は「タイで見たスカイランタンに感激したので、協力したかった。みんなが一丸となり、ランタンが空に上がった時は涙が出ました」と振り返りました。小西さんは「地元を元気にしたいと思っている人たちとさらに交流を深め、民間の力で宇陀の魅力を発信していきたいです」と話します。次回のイベント開催に向け新たな支援団体が加わるなど、3人を支援する輪が広がっています。

 この記事は、全国商工会連合会が地域活性化のキーマンとなる若手経営者育成のため開催した「次世代地域リーダー塾」プログラムの中で、毎日新聞記者の指導を受けて作成されたもので、「地球の歩き方ニュース&レポート」でも掲載しました。
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