紅葉の穴場多し! ゆったり味わえる滋賀のおすすめ紅葉スポット3選

公開日 : 2018年10月26日
最終更新 :
胡宮神社の参道 画像提供:多賀観光協会
胡宮神社の参道 画像提供:多賀観光協会

木々が色づき始める季節、古都・京都をはじめ、近畿の有名紅葉スポットはどこも多くの観光客でにぎわいます。そこで今回は、ゆったりと紅葉を満喫できる滋賀県の紅葉の穴場スポットを紹介します。実は滋賀県は、人口10万人あたりの寺院数が全国1位。国指定の名勝(特別名勝含)の指定件数も京都府に次いで全国2位という隠れた実力を持っている県なのです。2018年秋は、滋賀県で静かな秋をしみじみと味わってみてはいかがでしょうか。

参道の紅葉トンネルが美しい長寿寺

参道の紅葉トンネルが美しい長寿寺
紅色のカエデと黄金色のイチョウのコントラストが美しい

滋賀県の紅葉スポットとしては、石山寺や日吉大社といった大津エリア、百済寺や金剛輪寺といった湖東三山エリア、永源寺といった場所が有名です。紅葉の名所、京都府に比べれば、割合ゆったりと観ることができる滋賀県の紅葉スポットではありますが、それでも観光バスなどで大勢の観光客が訪れるところばかりです。

そこで、紹介するひとつ目の穴場スポットが、「長寿寺(ちょうじゅじ)」です。長寿寺は、湖南市の国宝三寺院で構成された湖南三山のひとつで、参道から続く紅葉のトンネルがたいへん美しく、秋を代表するすばらしい景観が楽しめます。

国宝の本堂
国宝の本堂

長寿寺の創建は奈良時代にまで遡り、国宝に指定されたのも全国で17番目という由緒あるお寺。聖武天皇の勅願で建てられた長寿寺には、元々三重塔がありましたが、織田信長によって安土城へと移築されたという歴史も。また、黄金に輝く「丈六阿弥陀如来坐像」も見ごたえあります。なお、紅葉まつりが、2018年11月10日(土)~12月2日(日)に開催され、地元の方々の手作りの路面店などが楽しめます。

回遊式庭園の紅葉が美しい清瀧寺徳源院

回遊式庭園の紅葉が美しい清瀧寺徳源院
紅葉に包まれる三重塔 画像提供:びわこビジターズビューロー

湖北の紅葉スポットとしては鶏足寺(けいそくじ)が有名ですが、関ケ原にほど近い米原市清滝に知る人ぞ知るスポットがあります。ふたつ目に紹介する「清瀧寺徳源院(せいりゅうじとくげんいん)」は、近江守護・佐々木氏の分家、京極氏の墓所となっているお寺で、バサラ大名と呼ばれた佐々木道誉(京極高氏)らが眠ります。

屋内から観た本堂庭園 画像提供:びわこビジターズビューロー
屋内から観た本堂庭園 画像提供:びわこビジターズビューロー

こちらの本堂裏手には、山を囲み入れたような回遊式庭園があります。拝観は予約制ではありますが、その分時間の流れを止めて、周りを気にせず、じっくりと観ることができます。

赤と黄のコントラストが美しい本堂庭園 画像提供:びわこビジターズビューロー
赤と黄のコントラストが美しい本堂庭園 画像提供:びわこビジターズビューロー

清瀧寺徳源院付近には、ほかにも紅葉スポットが点在し、すぐ近くには中山道「柏原宿(かしわばらしゅく)」があります。宿場街らしい街道沿いを紅葉が色づけ、味わい深い景色を眺めながら散策を楽しむことができます。さらにその先には「醒井宿(さめがいしゅく)」があり、清流と紅葉が織りなす魅力的な風景が広がります。この辺り一帯は、米原市のなかでも特に紅葉の見どころが多い地域です。

「血染めのもみじ」が美しい胡宮神社

「血染めのもみじ」が美しい胡宮神社
ライトアップされた胡宮神社参道 画像提供:多賀観光協会

最後に紹介するのは、「お多賀さん」で有名な多賀大社と同じ多賀町にある「胡宮神社(このみやじんじゃ)」です。胡宮神社がある辺りは、敏満寺(びんまんじ)という地名で、敏満寺とは聖徳太子が開祖した天台宗の寺院として湖東三山に並ぶほどの規模でした。しかし、織田信長や浅井長政らが戦った際の戦火によって、焼失してしまいました。胡宮神社は、そんな敏満寺の鎮守社で、後にこの神社だけが再建されたといいます。

胡宮神社の参道 画像提供:多賀観光協会
胡宮神社の参道 画像提供:多賀観光協会

胡宮神社は、多賀大社からわずか1キロメートルほどの距離にあり、車でも5分程度の移動で到着します。こちらの神社の参道は、知る人ぞ知る紅葉の回廊となっており、秋の風情を感じる景色が広がります。しかも、観光客の多く集まる多賀大社からは少し離れていることもあり、人けも少なく、ひっそりとした佇まいです。ゆったりとした気分で紅葉の美しさにしみじみと浸ることができます。

真っ赤に染まる「血染めのもみじ」 画像提供:多賀観光協会
真っ赤に染まる「血染めのもみじ」 画像提供:多賀観光協会

胡宮神社には、「血染めのもみじ」といわれる、ちょっと恐ろしい名前の付いたモミジがあります。織田信長と浅井長政の戦いによって、武士達の血で真っ赤に染まったといういい伝えからその名が付きました。名前の通り、鮮烈な赤に染まった見事な紅葉です。

「神あかり」でさらに神秘的に

「神あかり」でさらに神秘的に
ライトアップされた参道 画像提供:多賀観光協会

胡宮神社を含む、多賀大社、高源寺、大瀧神社の四社では、「神あかり」というライトアップイベントを開催中です。2018年11月30日(金)までの期間、色づく木々が闇夜に浮かびあがる幻想的な景色を、個性的なそれぞれの社で楽しめます。

そして、2018年11月23日(金)から11月25日(日)までの期間は、「神あかりスペシャルデイ」と題して、ナイトツアーや演奏会などが実施されます。ライトアップされた紅葉と共に、音楽や狂言を楽しみましょう。

名神多賀SAから行ける紅葉巡り

名神多賀SAから行ける紅葉巡り
赤い紅葉のじゅうたん 画像提供:多賀観光協会

胡宮神社へは、近江鉄道多賀大社前駅から徒歩(約15分)で行くのが一般的ですが、ちょっと変わったアクセス方法があります。神社のすぐそばには、名神高速道路が走っており、名神多賀SA(サービスエリア)から歩いて行くことができます。

名神多賀SAの下りに車を停めて、ガソリンスタンドの裏手から300メートルほど歩くと到着です(上りの場合、歩道橋で下りへ移動することが可能です)。どこかへ行った帰りに寄り道なんて感じで、気軽に足を運んでみてもよいかもしれません。

いかがでしたか。たくさんの観光客でにぎわう有名スポットもよいですが、やはり紅葉はしみじみと秋の深まりを味わえる場所で楽しみたいものです。滋賀県には、ほかにもまだまだ隠れた紅葉の穴場がたくさんあります。あなただけの秘密の秋を、滋賀県で探してみてください。

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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