【360°】那覇からフェリーで行ける離島旅。「粟国島」(あぐにじま)体験レポートその1

公開日 : 2018年11月29日
最終更新 :
泊ふ頭「とまりん」からフェリーで2時間の粟国島
泊ふ頭「とまりん」からフェリーで2時間の粟国島

地球の歩き方公式サイトで毎年おこなっている、「この夏or来年ドコ行く?」調査でも国内編で常に上位をキープする沖縄離島。石垣島、宮古島といった直行便も就航している有名な島から、竹富島や座間味島など新たな魅力が注目されている離島まで、有人離島の数は40を超えるといわれています。中でも、これから観光スポットとして人気が出るかもしれない、那覇からフェリーで2時間弱の「粟国島」(あぐにじま)にフォーカスした体験レポートをお届けします。映画『ナビィの恋』(1999年)の舞台にもなった島の魅力とは?

「粟国島」(あぐにじま)ってどんなトコ?

「粟国島」(あぐにじま)ってどんなトコ?
粟国島の航空写真
マップで見る粟国島
マップで見る粟国島

粟国島は、沖縄本島の那覇から北西約60kmの海上に位置する、面積7.65km、周囲12.8kmの小さな島です。島の南側には、ダイビングスポットとして海外からの観光客にも話題の慶良間諸島、島の海岸から天気が良ければ見える距離には、渡名喜島(となきじま)があります。島の主な産業は農業で、サトウキビやもちきびなどの生産のほか、製塩業、黒毛和種牛(子牛)の生産も盛んです。かつて粟国島の由来にもなった、”粟”(あわ)の産地として知られ、また、過去に植えられた染料にもなるソテツが多く残っているため、「ソテツの島」という別名もあります。

泊ふ頭旅客ターミナル「とまりん」から粟国島へ

泊ふ頭旅客ターミナル「とまりん」から粟国島へ
旅客ターミナル「とまりん」

粟国島へは、専用のフェリーに乗船します。那覇市内の主要なスポットを結ぶ沖縄都市モノレール「ゆいレール」の美栄橋駅から徒歩約10分の大通り沿いにある旅客ターミナル「とまりん」より毎日出港している『フェリー粟国』に乗船します。価格は往復6,480円(大人1名)、青くきらめくサンゴ礁の海を眺めながら、2時間弱で到着します。

粟国村公式サイト:交通アクセス

■泊ふ頭旅客ターミナルビル「とまりん」
住所:沖縄県那覇市 前島3-25-1
電話:098-861-3341
URL:https://www.tomarin.com/

フェリー粟国は、1階の座敷席と2階のリクライニング付き椅子席のほか、甲板のベンチ席など定員270人が乗船可能な中型船です。1F座敷席は仕切りがなく、毛布、マクラも用意されているので、乗客が思い思いにくつろいでいる姿をみかけます。

『フェリー粟国』2階のリクライニング席
『フェリー粟国』2階のリクライニング席

船内には自動販売機や多目的トイレなども設置があります。また、泊ふ頭から粟国島までの航路上ではほとんどのエリアでスマホの電波(4G)が入るので、退屈することのない船旅を楽しむことができます。出港して数分、泊大橋の下をくぐる瞬間の360度全天球画像を以下よりご覧ください。

粟国村の食堂「なびぃー」

粟国村の食堂「なびぃー」
粟国島の「豆腐チャンプルー」定食(650円)

粟国村全体で数店舗しかない食堂「なびぃー」から粟国島の滞在はスタートします。10月の後半とは思えない真夏のような日差しと青い空の下、「なびぃー」へ。壁にかかるメニューには、カツ丼、チャーハン、しょうが焼き定食など、見慣れた文字が躍っていました。

”沖縄感”を演出するため選んだメニューは、豆腐チャンプルー。ここ粟国島では、”ゆし豆腐”も一つの名物で、にがりを入れて固まりはじめのふわっとした豆腐のことを指します。この豆腐を型に入れたものを、”島豆腐”といいます。この伝統的な豆腐でつくられた豆腐チャンプルーは格別。暑い中でも食が進みます。

みそ汁がメインの定食(600円)
みそ汁がメインの定食(600円)

普通の定食のイメージでは、お椀に注がれたみそ汁もついてくるものですが、メニューに一際異彩を放つ「みそ汁」を発見。ここ粟国島では「みそ汁」は画像のようにどんぶりいっぱいの島豆腐を使ったみそ汁が定食として定着していました。

■お食事処「なびぃー」
住所:沖縄県島尻郡粟国村字東2004-1
電話:098-988-2992
営業時間:11:30-14:00/17:30-23:00
※日曜定休日

観光の拠点は「ビジターセンター」から

観光の拠点は「ビジターセンター」から
粟国島のビジターセンター

粟国島での観光は基本的にビジターセンター経由で予約を入れる必要があります。沖縄の伝統音楽でもある三線体験、フクギを使った染物体験など、ビジターセンターで手配ができるアクティビティは多く、現地での滞在に必要なものはすべてここに揃っています。

染物体験
染物体験

体験できる内容は、集落散策、海岸散策、物作体験、自然体験、料理体験、染物体験、芸能体験、ダイビングの8種類。(2018年11月現在)全て事前予約制ですが、少人数の場合は当日実施が可能な体験メニューもありますので、那覇でふと思い立って粟国島に訪れた方は、まずはビジターセンターへ。

■ビジターセンター島あしび館(粟国村観光協会)
住所:島尻郡 粟国村 東1142
電話:098-896-5151(粟国村観光協会)
営業時間:8:30~18:00 ※夏季19:00まで
URL:http://aguni-kankou.jp/
※体験メニューに各種料金あり

村営バス「アニー号」
村営バス「アニー号」

また、さまざまな移動手段が確保できるのもビジターセンター経由で手配をおこないます。粟国島では徒歩移動以外の手段として利用できるものが、以下となります。

1.村営バス「アニー号」
※100円で乗れる、1日7便運航しているバス。バス停「浜コミュニティー」から出発し、粟国港や役場、ビジターセンターなど島内の主要施設を廻る環状線です。

村営バス「アニー号」時刻表・ルートマップ等はこちら

2.乗合タクシー「りかりか号」
※バスが走らない時間帯をカバーする目的で運行されている乗合型のタクシーで、200円で乗車することができます。

すげ傘もビジターセンターで借りられる
すげ傘もビジターセンターで借りられる

3.レンタカー(電気自動車)
※6台限定のEVカー。利用希望日の2ヵ月前から予約することができます。料金は、3時間未満2,000円、6時間未満3,000円、24時間未満5,000円。台数が限られるため、お早目のご予約をおすすめします。
▷問い合わせ先:098-896-5151(粟国村観光協会)

4.レンタサイクル(電動アシスト自転車)
※3時間以内800円、6時間以内1,500円、10時間以内2,000円で借りることができる、電動アシスト付き自転車。
▷問い合わせ先:098-896-5151(粟国村観光協会)

粟国村の名所「東ヤマトゥガー」

粟国村の名所「東ヤマトゥガー」
粟国村の名所「東ヤマトゥガー」

電動アシスト付きのレンタサイクルを借りた一行は、島の南西部、海岸近辺にある大きな岩が縦に裂けたような「東(あがり)ヤマトゥガー」へ。人がやっとすれ違えるほどの狭い幅の道がつくられていて、筆ん崎へ抜けることができます。Instagram等で#粟国島ハッシュで検索すると、この場所が多いことからフォトジェニックなスポットであることもうかがえます。

ギンガメアジの大トルネード
ギンガメアジの大トルネード

この場所は、ダイビングスポットとしても人気で、イソマグロやカツオなどの回遊魚のほか、ジンベイザメ、ナポレオンフィッシュにも遇うことができます。また、特に春先から初夏にかけては数千匹ものギンガメアジの大トルネードを見ることができるので、ダイバー必見スポットともいわれています。

天井一面のつらら石「洞寺」(てら)

天井一面のつらら石「洞寺」(てら)
鍾乳洞の「洞寺」(てら)
壁一面のつらら石
壁一面のつらら石

島の北側に位置する「洞寺」とかいて”てら”と読む洞寺公園。石筍や石柱、ヘリクタイトなど変化に富んだ地形が特徴の地底鍾乳洞です。奥行60メートルの空間は、ライトアップが施され、幻想的な雰囲気を放っています。石灰分の水の成分が変わり赤い部分ができた色の着いた石筍、密度の高い、壁一面のつらら石など、粟国島の大自然が育んだ鍾乳洞をぜひご覧ください。

粟国島で遭遇!ヤシガニ

粟国島で遭遇!ヤシガニ
ヤシガニに遭遇

繁華街などが存在しない粟国島の夜は早く、19時にもなれば深夜を彷彿とするような静寂と星明りに包まれます。この日、街灯の薄明りに照らされた粟国島のメインストリートを歩いていると、道の真ん中に大きめな何かが。石かと思ったそれは、両手大のヤシガニ。普段、見ることのできない生物をふとした瞬間に垣間見ることができる、これもまた離島旅の醍醐味かもしれません。

粟国島航空写真:Paipateroma [GFDL or CC BY 3.0], from Wikimedia Commons

筆者

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