梅酒まつりで街を元気に 徳島・吉野川市 人口4倍の吸引力

公開日 : 2019年03月06日
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梅酒で地域おこしの取り組みとは? ©iStock
梅酒で地域おこしの取り組みとは? ©iStock

 日本三大暴れ川の一つで四国三郎の異名を持つ吉野川。徳島県を東西に流れる中流域に位置する吉野川市美郷は、「カミソリ後藤田」と評された政治家、故・後藤田正晴の出身地でもあります。昭和30年代には人口6000人に迫った美郷でしたが、今では1000人を切ります。古くからの梅の産地で、梅酒で地域起こしを図ろうとしています。

大勢の来場者でにぎわった昨年の梅酒まつり。中央右の帽子の男性が東野宏一さん
大勢の来場者でにぎわった昨年の梅酒まつり。中央右の帽子の男性が東野宏一さん

 きっかけは2008年、全国で初めて梅酒特区に認定されたことでした。少量生産の小規模事業者でも酒類製造免許を取得できるようになり、地区内の酒蔵所は5業者を数えます。最大のイベントが、毎年11月の最終土曜、日曜に開催される梅酒まつり。各製造所への無料シャトルバスが運行され、来場者は製造所をめぐって郷土料理を食しながら梅酒を楽しむという趣向です。

 実行委員長を長年務めている東野リキュール製造所の東野宏一さん(77)は京都で技術者として定年を迎え、夫婦で故郷の美郷へ帰ってきました。美郷商工会(当時)が梅酒特区の認定を目指して開いていた勉強会にたまたま参加し、梅酒の魅力に取りつかれました。美郷を活性化させたいと、09年から梅酒づくりに取り組んでいます。

 東野さんは話します。「梅酒の味わいは、梅の種類や蔵によって異なります。梅酒まつりは18年で10回目を数えました。来場者からは『いろいろな種類の梅酒を味わえる』と好評です。おかげさまで、美郷は梅酒のふるさととして知られるようになってきました」

 事実、当初延べ700人前後にすぎなかった来場者も、最近は4000人を数えるといいます。また、梅酒づくりのため移住してくる若い世代も出てきたといいます。

 「もっともっと美郷を元気なまちにしたい」
 東野さんの願いです。

 この記事は、全国商工会連合会が地域活性化のキーマンとなる若手経営者育成のため開催した「次世代地域リーダー塾」プログラムの中で、毎日新聞記者の指導を受けて作成されたもので、「地球の歩き方ニュース&レポート」でも掲載しました。
 商工会は、全国1,653カ所の市町村にあり、中小企業の経営支援と地域活性化に取り組んでいる団体であり、全国商工会連合会はその全国団体です。

■全国商工会連合会
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