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トルコ伝統の手工芸、宮殿や陶器に見られる魅惑のイズニックタイル

2020年06月26日

セリミエモスクのドーム ©iStock

世界最古の手工芸のひとつとして世界中の人々から愛されるトルコ伝承のタイル装飾、「イズニックタイル」。宮殿の装飾に使われるタイルやお土産用の陶器など、トルコのそこかしこにある伝統美の歴史とその魅力をご紹介します。

イズニックタイルの歴史

思わず目を奪われてしまうイズニックタイル ©iStock

独自の技法で粘土を形成し、さまざまなモチーフを描く「イズニックタイル」は15世紀初めに花開き、トルコで最も重要な手工芸として確立し普及していきました。古くは955年頃を起源とするカラハン時代の建築物にも見つかっており、千年以上もの長い歴史を誇るトルコを代表する伝統美のひとつとして知られています。

独特の色鮮やかさ

ウイグル、アナトリア=ベイリク、セルジューク朝時代に誕生したトルコのタイル作りは、オスマン帝国時代になると建築装飾として最盛期を迎えました。代表的なカラーはレッド、ターコイズブルー、コバルトブルー、ダークパープル、ブラックの5色。また、素材に使われる鉱物の石英(せきえい)によって、鮮やかな色合いが色あせることなく何世紀にもわたり輝き続けているのが特徴です。

宮殿におけるイズニックタイル

スレイマニエモスク ©iStock

「イズニックタイル」による最も初期の代表的な建築には、ブルサの「イェシル・ジャーミィ(グリーンモスク)」や「ムラディエモスク」などがあります。トルコが誇るこの伝統芸術は16世紀以降、オスマン帝国による手厚い保護と支援のもとでさらに発展していきました。
オスマン帝国時代に建てられた「スレイマニエモスク」や「セリミエモスク」を彩る一面のタイルはその絵柄や色彩、技術においてまさに芸術と呼ぶにふさわしく、ひとたび足を踏み入れれば圧倒されてしまう美しさです。

トプカプ宮殿の謁見の間 ©iStock

イスタンブール周辺では、「トプカプ宮殿」でその美しいタイルを堪能できます。ここに多くみられるカラーはホワイトやブルー、グリーン、ダークブルー、ターコイズ、レッド。モチーフには葉やロゼット、チューリップ、カーネーション、ハターイ、幾何学模様などの文様、ルーミー、糸杉などが用いられています。
宮殿内の「ハレム宦官長の間」や「ハレム警護のための部屋」「母后の間」「皇子たちの間」もまた、16世紀~17世紀のオスマン朝を代表する模様の「イズニックタイル」が彩りを添えています。

ブルーモスクとも呼ばれるスルタンアフメト・モスク

「イズニックタイル」について深く知りたい方には陶器やタイルが勢揃いする「装飾タイル博物館」がおすすめ。トルコで最初の博物館であるイスタンブール考古学博物館群の一角に位置する、同博物館群最古の建物としても知られるのが「装飾タイル博物館」です。オスマン帝国時代の民間建築のひとつとしても必見の博物館で、「イズニックタイル」の歴史を学ぶことができます。

■装飾タイル博物館(イスタンブール考古学博物館)
・URL: https://muze.gov.tr/

トルコ土産の定番、イズニック陶器

いくつも欲しくなってしまうイズニック陶器 ©iStock

17世紀には建築装飾として使われる「イズニックタイル」だけではなく、「イズニック陶器」として食器類やオイルランプにも使用されるようになりました。イズニックの職人たちは巧みな技術で多彩なフォルムを生み出し、日常の社会生活や信仰を表すモチーフを採用しながら陶器に命を吹き込みました。
トルコの人々にとって陶器は古くから愛と平和の象徴と考えられてきましたが、今ではその創造性豊かな絵柄は世界の人々に知られるようになりました。

美しい鍋敷きが人気 ©iStock

「イズニックタイル」の制作技法を伝える文献は残っていませんが、その芸術は現代にいたるまで脈々と受け継がれてきました。陶器の絵付けは、まず絵柄を決めることからスタートします。次にその絵柄を紙にトレースし、絵柄部分にピンで穴を空けていきます。その上を炭でなぞることによって、陶器の表面に絵柄を写し取ることができます。さらに、黒の染料で輪郭を描き、色付けをしたあと、艶出しをしてから釜で焼きます。伝統的な方法で現在も多くの製品が作られています。
お土産店では手頃なものは日本円で500〜1000円程度で購入でき、職人技が光る精巧な製品になると高価なものも。色柄の種類が豊富なので、お気に入りの1枚を探す楽しみがあります。

■トルコ共和国大使館 文化広報参事官室
・URL: http://www.tourismturkey.jp/

トルコの奥深い「イズニックタイル」いかがでしたか。

※当記事は、2020年6月22日現在のものです

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