冬から春までの限定! 現地在住者が教えるアルカトラズ島の歩き方(アメリカ・サンフランシスコ)
アメリカ・サンフランシスコのアルカトラズ島の歩き方を紹介します。年間を通じて多くの観光客が訪れるアルカトラズ島は、1775年スペインの探検家らによって発見されました。ペリカンがいっぱいいたことから「ペリカン島」と命名されました。ペリカンは、スペイン語でアルカトラズ(Alcatraz)といいます。そんなアルカトラズ島の冬から春までの期間のみに楽しめる登山道「アガベトレイル」を紹介します。
サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島とは!?
サンフランシスコ湾にある8ヘクタールに満たない小さな島、アルカトラズ島は、泳いではなかなかたどり着けないため、空を飛べる鳥たちの楽園でもあります。毎年、春から夏までは鳥達の産卵場所になり、立ち入ることができない場所があります。しかし、その前の冬から春までの期間には、地元の人のみぞ知るアルカトラズ島のもうひとつの楽しみ方、登山道「アガベトレイル」を散策することができます。
通常のアルカトラズ島ツアーでは観ることのできない絶景を探しに、アルカトラズ島を探検してみましょう。
いざ、フェリーでアルカトラズ島へ
まずは、ピア33からアルカトラズ島フェリーに乗りましょう。約15分でアルカトラズ島桟橋に到着します。
一般的な観光コースに参加する人は、桟橋から右側の坂道を300メートルくらい上がり、セルハウス(牢獄)オーディオツアーの入り口に向かいます。今回は、一般的な観光コースではなく、左側(桟橋南側)のフェンスに向かいましょう。
初心者でも楽に歩ける登山道「アガベトレイル」
この先が、日本語で「竜舌蘭(リュウゼツラン)」といわれている「アガベ(Agave)」を観ることができる「アガベトレイル(Agave Trail)」の入り口です。「アガベトレイル」は、約1キロメートルの初心者でも楽に歩ける登山道です。
野鳥の楽園でもあるアルカトラズ島は、カモメの産卵、および雛を育てる場所として保護地域に指定されています。しかし、産卵時期を外した10月頃から春2月までは、期間限定でアルカトラズ島のさまざま所を探検することができます。
「センチュリープラント」から「パレードグラウンド」へ
こちら(上の写真)が、アガベ(Agave)の「センチュリープラント(Century Plant)」です。ツンツンと立った姿が特徴的で、雨季の頃には花が咲きます。
島の脇に沿うように歩いていくと、遠くには、ゴールデン海峡とゴールデンゲートブリッジを観ることができます。波打ち際の岩が濡れているのは、この時が引潮であったためです。取り残された海の生き物達が慌てて波に乗って海に戻ろうとしています。この辺りは、小さな海洋生物がたくさん生息しているそうです。
島を約半周すると、上手く組み合わされている日干しレンガの階段が現れます。昔は潮風で錆びて崩れそうな手すりだったのですが、今ではきれいな敷石とピカピカの手すりが設置されています。階段を昇って行くと、カモメのコロニーになる「パレードグラウンド(Parade Ground:練兵場)」に到着です。
高さ約25メートルの「灯台」と「刑務所長邸」
道になっている所があり、その先には、瓦礫の山がいくつかあります。ゼラニウム(Geranium)やヘン&チックス(hens & chicks)、ネーキッドレディー(naked lady)など、多肉植物が瓦礫を覆い隠すように生えており、人の手があまり加わっていないのが感じられます。普段の観光ツアーでは、決して目にすることができる場所ではありません。
さらにその先には、1854年6月1日に灯りがつき、以来、島のすべてを見守ってきた「灯台」があります。今ある高さ約25メートルの「灯台」は、1909年に再建されたものです。横には、壁と少しの柱だけが残る「刑務所長邸(Warden's House)」を観ることができます。
帰りはアルカトラズ島フェリーでピア33へ
普段は目にすることができないアルカトラズ島を堪能した後は、17:15発のアルカトラズ島フェリーでピア33へ戻ります。
連邦刑務所だった頃には、この島に住んでいた家族もあったと聞きます。島の自然や北側の作業小屋周辺は、子供達にとって絶好の遊び場だったようです。サンフランシスコ湾に浮かぶ要塞に端を発し、連邦刑務所、そして先住民族たちの一時的占拠の時代もあったアルカトラズ島。数奇な運命を辿ってきたこの島で、カモメや野鳥たちは、今と変わらない営みを続けてきたのかもしれません。
いかがでしたか。アメリカ・サンフランシスコのアルカトラズ島の歩き方を紹介しました。冬から春までの期間のみに楽しめる登山道「アガベトレイル」を探検してみてはいかがでしょうか。
筆者
アメリカ・カリフォルニア州特派員
美丸(Mimaru)
サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。
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