カナダからアメリカへ車で国境を越えてみる

公開日 : 2016年05月31日
最終更新 :
アメリカからカナダへ
アメリカからカナダへ

私がまだ海外を知らなかった20年以上前の映画の何気ないシーンを今でもはっきり覚えている。

ショーシャンクの空に(1994年公開)のラストパートでレッド(モーガン・フリーマン)が友人のアンディ(ティム・ロビンス)に会うため、陸路でアメリカから国境を越えメキシコに向かう。その途中でレッドは「無事に国境を越えられるだろうか」と独白するシーンがある。レッドは仮釈放中の身のため一般の旅行者とは違うというのは分かっているものの、私は車で国境に近づくと、このフレーズがいつも頭の中でリフレインする。

カナダからアメリカへ。ゲートで長い列ができています。
カナダからアメリカへ。ゲートで長い列ができています。

冒頭気取った書き方になってしまいましたが、ここからは普通に書きます。つまり、早い話国境を越えるのは、悪いことしていないのにいつも緊張するということです。

私はこれまで3つルートで国境を越えました。1つはBC州-アイダホ州のキングスゲート(Kingsgate)。もう1つはアルバータ州-モンタナ州のクーツ(Coutts)。最後は同じくアルバータ州-モンタナ州のカーウェイ(Carway)です。

共通して言えるのは、アメリカ、カナダ側も入国審査が厳しいということです。まずゲートの信号が青になるまで待ちます。私はチキンですからこの時心臓が張り裂けそうになっています。青になるとブースまでゆっくり車を走らせ、審査官とのやり取りが始まります。

飛んでくる質問は入国の目的、どこまで行くのか、どこにどのくらい滞在するのかという基本的な質問から、車に何人乗っているか、柑橘類をもっているか、アルコールを持っているかという質問も飛んできます。余計なことを喋らず、聞かれたことだけをきちんと答えられればまず大丈夫です。


入国審査を行う建物(アメリカ側)
入国審査を行う建物(アメリカ側)

質問が一通り終わるとパスポートを取られ、建物の中に入るよう指示されます。ここで指紋採取と写真を撮られ、手数料6ドル払い、ようやくI-94(アメリカ入国、滞在手形みたいな白い紙。この紙がくせもの)をパスポートにくっつけられ、入国許可のスタンプを押してもらえます。

あとは90日以内ならどこへ行こうが自由。

山の中の国境
山の中の国境

1度だけ真冬にBC州-アイダホ州の国境を越えました。真冬に凍結した山道を行くのはお勧めできません。

免税店でお買い物
免税店でお買い物

国境手前には必ずと言っていいほど免税店があります。カナダはアメリカに比べて物価が高いので、カナダに戻る前にお酒なんか買っておくとお得です。但し、カナダへ持ち込める量が決まっています。また、アメリカ側の免税店で買ったものをアメリカに戻れないよう、お店の人が国境手前まで購入したものを運びます。


カナダ側の国境ゲート
カナダ側の国境ゲート

カナダに戻る際、アメリカのゲートはありません。出るもの拒まずなのでしょう。でもこれがトリッキーです。アメリカ入国の際パスポートに付けられたI-94を返す機会がないのです。通常I-94の有効期限は入国日から90日。つまり、このI-94の有効期限内であれば何度でもアメリカに再入国ができるのです(もちろん例外もあります)。

90日以内に再入国の予定がない人は必ずI-94をアメリカに返しましょう。90日過ぎてもパスポートにI-94が付いている人はアメリカに入国したままの状態です。こういう人結構います。次回忘れたころアメリカに入国しようとした時入国拒否されかねません。

注意:今回は私の経験から書かせてもらいましたが、入国の一切の権限はアメリカおよびカナダに委ねられます。個々によって事例が違う場合がありますのでご了承ください。


【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。