鬼殺隊がマルセイユに登場、『鬼滅の刃』ラッピングトラムが市内を運行中

公開日 : 2021年12月23日
最終更新 :

南仏の中心都市マルセイユでアニメ『鬼滅の刃』(フランス語タイトル『デーモンスレイヤー』)のラッピングが施されたトラムが2021年12月15日〜28日の2週間限定で運行されています。現地での様子と鬼滅トラムで行けるマルセイユの観光スポットをご紹介します。

炭治郎はじめ仲間たちと柱が並ぶ壮観のラッピング

炭治郎はじめ仲間たちと柱が並ぶ壮観のラッピング
車庫を出る鬼滅トラム

マルセイユ市内を東西にS字に走るトラムT2線。12月5日朝5時台から、同路線では1時間に1本程度の割合で『鬼滅の刃』に登場する各キャラクターが窓全面にラッピングされた車両が走っています。アニメやドラマのストリーミング配信サイト「クランチロール」が、フランスでの「遊郭編」配信開始に合わせて行ったイベントで、「遊郭編」の一つ前のシリーズ「無限列車編」にもかけたものとなっています。

車体にラッピングされる善逸
車体にラッピングされる善逸

炭治郎、禰?豆子、善逸、伊之助といった中心メンバーの他に、「遊郭編」で中心的な役割を果たす宇髄天元、「無限列車編」の煉獄杏寿郎だけではなく、胡蝶しのぶ、悲鳴嶼行冥、甘露寺蜜璃といった「柱」と呼ばれるメンバーが車体に貼られています。

登場キャラクターがずらりと並ぶ
登場キャラクターがずらりと並ぶ

日本では大きな社会現象を起こした『鬼滅の刃』ですが、フランスでもその人気は高く、本屋の漫画コーナーに行くと、各巻がよく見える位置に平積みされている光景を見ることができます。元々フランスは、ヨーロッパの中でも日本へ関心を持つ人の割合が高く、日本のポップカルチャーに対する興味も強いですが、そのなかでも『鬼滅の刃』は特に注目されている作品のうちの一つです。

パリ・ジュンク堂書店での陳列の様子
パリ・ジュンク堂書店での陳列の様子

クランチロールによると、『鬼滅の刃』は2019年の配信開始以降、急速に人気を上げ、サイマル配信中(日本の放送直後に行う配信)は常に視聴数第一位を記録しているそうです。劇場版『鬼滅の刃』無限列車編はフランスでも公開。2021年に70万を越える観客を動員し、フランスで公開されたアニメ映画の中でも最大のヒット作品(興行収入の面では史上10位)となりました。

なぜマルセイユで鬼滅ラッピング列車が

なぜマルセイユで鬼滅ラッピング列車が
甘露寺蜜璃を挟んで左に時透無一郎と右に煉獄杏寿郎

今回の『鬼滅の刃』ラッピング列車ですが、なぜパリではなくマルセイユだったのでしょうか。イベントを企画したクランチロールによると、理由は3つあるそうです。

1つ目は、マルセイユの人口は30歳未満が多く、クランチロールがターゲットとする層に合致していること。2つ目はマルセイユでは「ジャパンエキスポ・シュード」などのイベントが開催されており、すでにアニメファンが多くいること。3つ目は、パリ以外のアニメファンにも楽しんでもらいたかったことが理由です。

マルセイユ市内を走っている様子
マルセイユ市内を走っている様子

毎年パリで開かれるジャパンエキスポは、日本でも報道されるなど有名です。フランスでは、パリに限らず日本の漫画やアニメ、ゲームなどをテーマにしたイベントが各地で開かれています。上述したマルセイユで毎年2月に開かれる「ジャパンエキスポ・シュード」以外にも、パリから高速列車TGVで1時間ほどの距離にあるトゥールでは毎年2月に「ジャパン・トゥール・フェスティバル」、フランス南西部トゥールーズでは毎年11月に「トゥールーズゲームショー」、フランス中央部リヨンでも同じく11月に「ジャパン・タッチ」などが開催されます。

鬼滅トラムで行けるマルセイユの観光スポット

鬼滅トラムで行けるマルセイユの観光スポット
マルセイユの旧港 ©iStock

T2線沿いにあるマルセイユの観光スポットを紹介します。まず訪れておきたい場所がマルセイユの中心部に位置する「旧港」です。無数のヨットが停泊する様は、同市の代名詞とでも言える景色です。マルセイユの港は、紀元前600年ごろに建設されたと言われ、時代を追うごとに賑わいが増していきました。ルイ14世の治世には、港の入口にサン・ニコラ要塞とサン・ジャン要塞が建てられ、さらに発展しました。

■マルセイユの旧港(Vieux Port)
・住所: Vieux Port 13001
・最寄り駅: トラムT2線Canebière Capucins/地下鉄M1線Vieux Port

マルセイユ歴史博物館 ©iStock
マルセイユ歴史博物館 ©iStock

旧港の近くにあるマルセイユ歴史博物館は、1万5500平方メートルの広さを持つ、ヨーロッパ有数の規模の歴史博物館です。フランス最古の都市であるマルセイユの生い立ちから現在までの流れ、地中海を介した交易、そして占拠者たちの歴史を学ぶことができます。敷地内には発掘された古代遺跡が露天で展示されているスペースもあります。

■マルセイユ歴史博物館(Musée d'Histoire de Marseille)
・住所: 2 rue Henri-Barbusse 13001
・最寄り駅: トラムT2線Belsunce-Alcazar
・営業時間: 9:00〜18:00
・定休日: 月曜日
・URL: http://musee-histoire-marseille-voie-historique.fr/

マルセイユ美術館があるロンシャン宮 ©iStock
マルセイユ美術館があるロンシャン宮 ©iStock

旧港から東に走っていくと、南仏ニーム出身の建築家アンリ・エスペランデューによって建てられたロンシャン宮があります。そのなかに建つのがマルセイユ美術館です。プロヴァンス地方で活躍した「エコール・ド・プロヴァンス」と呼ばれた画家たちの作品を中心に展示されています。ロンシャン宮にはマルセイユ自然史博物館もあります。

■マルセイユ美術館(Musée des Beaux Arts de la Ville de Marseille)
・住所: 9 Rue Edouard Stephan 13004
・最寄り駅: トラムT2線Longchamp
・営業時間: 9:00〜18:00
・定休日: 月曜日
・URL: https://musees.marseille.fr/musee-des-beaux-arts-mba

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

地球の歩き方のパリ版ガイドブックは最旬トピックスや、賢くお得に旅するためのモデルプラン、ますます進化中のパンなどを大特集! エリア別ガイドでは、観光名所だけでなく治安情報やフォトジェニックスポットもわかりやすくご紹介。ヴェルサイユやモン・サン・ミッシェルなど郊外への旅はページを増やしてさらに詳しく紹介しています。

■地球の歩き方 ガイドブック A07 パリ&近郊の町 2021年~2022年版
・URL: https://hon.gakken.jp/book/2080127200

※当記事は、2021年12月23日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年12月23日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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