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湖の上の秘境駅「奥大井湖上」駅を目指して、絶景の大井川鐵道トロッコ列車の旅

2017年11月16日

大井川鐵道のトロッコ列車、井川線の「奥大井湖上」駅

 紅葉に彩られた山々の中に、静かに水をたたえるダム湖と赤い鉄橋という何ともフォトジェニックな風景に憧れて、秘境駅として名高い「奥大井湖上」駅に行きました。確かに、絶景でした。 大井川鐵道井川線の「奥大井湖上駅」へは、JR東海道線の金谷駅から、大井川鐵道本線で千頭駅へ、さらにトロッコ列車の井川線に乗り換えて行きます。今回は、1泊2日の旅の2日目で、前日に千頭駅から路線バスで行ける寸又峡温泉に泊まったので、そこからのスタートとなりました。この絶景へ出会う方法をご紹介します。

トロッコ列車(井川線)に乗車!

トロッコ列車井川線の奥泉駅

 寸又峡温泉の「美女づくりの湯」を楽しんだ翌日は、大井川のさらなる奥地へ参ります。

 寸又峡温泉から、路線バスで千頭駅行きに乗車します。これから乗車するトロッコ列車の井川線は千頭駅が始発となりますが、井川線の途中駅、「奥泉駅」でも寸又峡温泉とを結ぶ路線バスに乗換えが可能なため、奥泉駅から乗車することにしました。千頭駅まで行かず、奥泉駅で乗り換える、この「ショートカット」は覚えておいていいところかと思います。もちろん、金谷駅などから直接来られる方は、千頭駅から井川線に乗車ください。

 山間に佇む小さな奥泉駅は、これから井川駅方面へ向かう乗客が列車の到着を待っていました。筆者と同じように、寸又峡温泉を利用した観光客のようです。

天井も低く、遊園地の乗り物のようなトロッコ列車の車内

 赤くて小さなトロッコ列車が奥泉駅に到着し、車内へ。車内は1+2列のクロスシートの椅子があるものの、天井も低く、遊園地の乗り物のようです。全車自由席となっています。できれば、進行方向右側に陣取りたいところです。進行方向右側に大井川が流れ、絶景の車窓が広がるからです。
 
 奥泉駅を出ると、右に左にカーブを切ったり、トンネルをくぐったり、鉄橋を渡ったり・・。目まぐるしく変わる車窓と、カーブで車輪が悲鳴を上げているような音やレールから車両に伝わる振動などもあいまって、少しスリリングな列車旅となります。見所では、乗務員のアナウンスによる案内もありますので、飽きることがありません。

「鉄道日本一の急勾配」を行くトロッコ列車!

「アプトいちしろ」駅で急勾配専用の電気機関車を連結する

 千頭駅と井川駅の25.5kmを結ぶ大井川鐵道井川線は、大井川上流のダム、水力発電所建設の資材運搬用トロッコとして建設されたものを旅客化したものです。

 奥泉駅から約10分で、次の駅の「アプトいちしろ」駅に到着となります。到着したら、ホームに一旦下りて、後方へ向かいたいところです。それは、ある「イベント」を見るためで、他の乗客の姿もチラホラ。

 この駅の後に控える「日本一の急勾配」を上るための専用電気機関車の連結が行われるからです。

ラックレールと強力電気機関車で急勾配へ挑む

 線路と線路の間に、もう1本の「ラックレール」があるのが分かります。このラックレールのギザギザ部分に、電気機関車の車体下にある歯車を噛み合わせて、急勾配を登っていくのです。このラックレールがなく、通常の2本のレールだけでは列車が滑って上れないほどの急勾配なのです。

 電気機関車を連結し、ゆっくりと列車は走り出します。

急勾配を上るトロッコ列車

 「アプトいちしろ」駅と次の「長島ダム」駅の間は、「アプト区間」といわれ「日本で唯一」の場所でもあります。「90‰(パーミル)」つまり、1000m進む間に90mの高さを登る「鉄道日本一の急勾配」区間なのです。列車の後方に専用の「アプト式電気機関車」を連結し、ゆっくりと上っていきます。

長島ダム駅に到着

 急勾配を上り切り、長島ダム駅に到着です。標高がさらに高くなって、周囲の山々の紅葉もさらに色づいています。

巨大な長島ダムが目の前に

 長島ダム駅の目の前に、その名の通り、巨大なダムがあります。高さ109m、長さ308m、総貯水容量7,800万立方メートルの重力式コンクリートダムです
 
 この長島ダム駅で、「アプト式電気機関車」を切り離し、さらに大井川の奥地へと進んでいきます。

 長島ダム駅を出発した列車は、 大井川をさらに上流に進み、湖底からの高さ70mの「奥大井レインボーブリッジ」という赤い鉄橋を渡ると、目指す奥大井湖上駅に到着です。ちなみに、東京・台場の「レインボーブリッジ」より、コチラの橋の方が先に命名されたのだとか。

周囲に人家のない無人駅、秘境「奥大井湖上駅」!

駅から対岸には線路沿いの歩道橋で

 憧れの秘境駅に到着しました。ダム湖の上にある駅で、駅の周りには、ダム湖しかなく、ホームには神社があるものの、人家もありません。

 列車が走り去る方向に、対岸へ続く歩道橋がありますので、絶景スポットを目指して進みましょう。トンネル部分で、道路に行ける遊歩道につながる階段がありますので登っていきます。

ひと一人分の幅の歩道がある鉄橋

 トンネルの上部分から、駅方向を撮影しました。駅以外、何もないことがお分かりいただけると思います。

 ここから、さらに徒歩5分ほどで駅の対岸を走る道路に出ることができます。途中に、かなり急な階段があり、運動不足の身にはつらいかもしれませんが、その先に目指す絶景ポイントがあります!

たまに通る車の音しか聞こえない、静寂の絶景スポット

 憧れの絶景を前に、息を飲みます。女性の観光客らしき方もいらっしゃって、シャッターを切っています。何ともフォトジェニックな光景です。
 
 なお、この井川線、列車本数が極めて少ないので注意が必要です。列車と絶景を絡めての撮影の場合、列車が通る時刻をよく確認しておきましょう(帰路の列車も含めて)。

 井川方面の列車は、乗車してきた列車の10:17に加え、11:23、13:34、14:41、15:48発のみ。千頭方面は、11:04、12:11、13:15、15:31、16:36発の1日5本程度しかありません。入念なプランニングが必要ですが、ダム湖に浮かぶ駅と紅葉という絶景は、鉄道ファンでなくても楽しめることでしょう。

奥大井湖上駅に到着するトロッコ列車

 列車を絡めてパチリ。静寂の中を鉄橋をゆっくり列車が渡る音だけがしてきますので、列車の到着を見過ごすことはないでしょう。

絶景を巡る井川線モデルルート

急カーブを何度も曲がり、終点の井川駅へ

 奥大井湖上駅の絶景を見て、取材時は、11:23発の井川方面行き列車に乗車して、終点の井川駅へ。私鉄日本一の高さを誇る「関の沢鉄橋」などを通るなどトロッコ列車の旅を大満喫しました。

紅葉の井川ダム

 終点の井川駅では、徒歩10分ほどの「井川ダム」を少し散策し、ランチなどをとって帰路につきました。

 秋の大井川。一味違った日本の秋を満喫できる旅へ、出かけてみてはいかがでしょうか。11月中旬が紅葉の見ごろを迎えます。

■井川線モデルルート(2017年11月現在)
寸又峡温泉(8:45発)→路線バス千頭駅行→(9:15着)奥泉駅(9:41発)→井川線→
(10:17着)奥大井湖上駅→徒歩で絶景スポットへ→奥大井湖上駅(11:23発)→井川線→(12:06着)井川駅→井川ダム散策・ランチ→井川駅(14:49発)→井川線→(16:34着)千頭(16:51発)→大井川本線金谷行→(18:02着)金谷駅(18:11発)→東海道線普通熱海行→(18:43着)静岡(18:52発)→東海道新幹線「こだま672号」東京行→(20:16着)東京


■DATA
・大井川鐵道
公式サイト

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