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湖の上の秘境駅「奥大井湖上」駅を目指して、絶景の大井川鐵道トロッコ列車の旅

2019年10月03日

大井川鐵道のトロッコ列車、井川線の奥大井湖上駅

 紅葉に彩られた山々の中に、静かに水をたたえるダム湖と赤い鉄橋・・・・・・。何ともフォトジェニックな風景に憧れて、秘境駅として名高い「奥大井湖上」駅に行きました。絶景・・・・・・。大井川鐵道井川線の奥大井湖上駅へは、JR東海道線の金谷駅から大井川鐵道本線で千頭駅へ、さらにトロッコ列車の井川線に乗り換えとなります。この記事は、1泊2日の旅の2日目のもので、前日に千頭駅から路線バスで行く寸又峡温泉に泊まりましたので、そこからのスタートとなりました。この絶景へのアクセス方法などを紹介します。

トロッコ列車(井川線)に乗車!

トロッコ列車井川線の奥泉駅

 寸又峡温泉の「美人づくりの湯」を楽しんだ翌日は、大井川のさらなる奥地へ。寸又峡温泉から路線バスの千頭駅行きに乗車します。これから乗車するトロッコ列車の井川線は、千頭駅が始発ですが、井川線の途中駅・奥泉駅でも千頭駅と寸又峡温泉を結ぶ路線バスから井川線に乗換えが可能なため、奥泉駅からトロッコ列車に乗車することにしました。千頭駅まで行かず、奥泉駅で乗り換える「ショートカット」は覚えておきたいポイントです。もちろん、金谷駅などから直接来られる方は、始発の千頭駅から井川線に乗車ください。

 山間に佇む奥泉駅は、これから井川駅方面へ向かう乗客が列車の到着を待っていました。筆者と同じように、寸又峡温泉を利用した観光客のようです。

天井が低く、遊園地の乗り物のようなトロッコ列車の車内

 赤くて小さなトロッコ列車が奥泉駅に到着し、車内へ。車内は1+2列のクロスシートの椅子があるものの天井が低く、遊園地の乗り物のようです。全車自由席です。できれば、進行方向の右側に陣取りましょう。進行方向右側に大井川が流れ、絶景の車窓が広がるからです。
 
 奥泉駅を出ると、右に左にカーブを切ったり、トンネルをくぐったり、鉄橋を渡ったり・・・・・・。目まぐるしく変わる車窓とカーブで車輪が悲鳴を上げているような音、レールから車両に伝わる振動などがあいまって、少しスリリングな列車旅となります。見どころでは、乗務員のアナウンスによる案内放送もありますので、飽きることがありません。

「鉄道日本一の急勾配」を行くトロッコ列車!

アプトいちしろ駅で急勾配専用の電気機関車を連結する

 千頭駅と井川駅の25.5kmを結ぶ大井川鐵道井川線は、大井川上流のダム、水力発電所建設の資材運搬用トロッコとして建設されたものを旅客化したものです。

 奥泉駅から約10分で、次の駅のアプトいちしろ駅に到着となります。到着したらホームへ下りて、列車の後方へ向かいましょう。それは、あるイベントを見るためで、他の乗客の姿もチラホラ。

 そのイベントとは、この駅の出発後に控える「日本一の急勾配」を上るための専用電気機関車の連結が見られるというものです。

ラックレールと強力電気機関車で急勾配へ挑む

 上の画像のように、線路と線路の間に、もう1本の「ラックレール」があるのが分かります。このラックレールのギザギザの部分に、電気機関車の車体下にある歯車を噛み合わせて急勾配を上っていくのです。このラックレールがなく、通常の2本のレールだけでは列車が滑って上れないほどの急勾配なのです。

 電気機関車を列車の最後部に連結し、ゆっくりと走り出します。

急勾配を上るトロッコ列車

 アプトいちしろ駅と次の長島ダム駅の間は、「アプト区間」といわれる「日本で唯一」の場所です。「90‰(パーミル)」つまり、1000m進む間に90mの高さを上る「鉄道日本一の急勾配」区間なのです。列車の後方に専用の「アプト式電気機関車」を連結し、ゆっくりと上っていきます。

長島ダム駅に到着

 急勾配を上り切り、長島ダム駅に到着です。標高が高くなって、周囲の山々の紅葉もさらに色づいていました。

巨大な長島ダムが目の前に

 長島ダム駅の目の前には、巨大な長島ダムがあります。高さ109m、長さ308m、総貯水容量7,800万㎥の重力式コンクリートダムです
 
 この長島ダム駅で、「アプト式電気機関車」を切り離し、さらに大井川の奥地へと進んでいきます。

 長島ダム駅を出発した列車は、 大井川をさらに上流に進み、湖底からの高さ70mの「奥大井レインボーブリッジ」という赤い鉄橋を渡ると、目指す奥大井湖上駅に到着です。ちなみに、東京・台場の「レインボーブリッジ」より、コチラの橋の方が先に命名されたのだとか。

周囲に人家のない無人駅、秘境「奥大井湖上」駅!

駅から対岸には線路沿いの歩道橋で

 憧れの秘境駅、奥大井湖上駅に到着しました。ダム湖の上にある駅で、ホーム付近に神社があるものの、周囲に人家もありません。

 列車が走り去る方向に、対岸へ続く歩道橋がありますので、絶景スポットを目指して進みましょう。トンネル部分で、道路に行ける遊歩道につながる階段がありますので上っていきます。

ひと一人が通れる幅の歩道がついた鉄道橋

 トンネルの上部分から、駅方向を撮影しました。駅以外、何もないことがお分かりいただけるでしょう。

 ここから、さらに徒歩5分ほどで駅の対岸を走る道路に出ます。途中に、かなり急な階段があり、運動不足の身にはつらいかもしれませんが、その先に目指す絶景ポイントが・・・・・・。

たまに通る車の音しか聞こえない、静寂の絶景スポット

 憧れの絶景を前に、息を飲みます。女性の観光客もいらっしゃって、シャッターを切っています。何ともフォトジェニックな光景です。
 
 なお、この井川線、列車本数が極めて少ないので注意が必要です。列車と絶景を絡めての撮影の場合、列車が通る時刻をよく確認しておきましょう(帰路の列車も含めて)。

 井川方面の列車は、乗車してきた列車の10:17に加え、11:23、13:34、14:41、15:48発のみ。千頭方面は、11:04、12:11、13:15、15:31、16:36発の1日5本しかありません。訪問には、入念なプランニングが必要です。決して利便性が良いところではありませんが、ダム湖に浮かぶ駅と紅葉の絶景は、鉄道ファンでなくても楽しめることでしょう。なお、近年は、この絶景を求めて外国人観光客の訪問も増えているそうです。

奥大井湖上駅に到着するトロッコ列車

 列車を絡めてパチリ。静寂の中、鉄橋をゆっくり列車が渡る音だけがしてきますので、列車の到着を見過ごすことはないでしょう。

井川線の終点へ! 私鉄日本一の高さ「関の沢鉄橋」も

急カーブを何度も曲がり、終点の井川駅へ

 奥大井湖上駅の絶景を見て、11:23発の井川方面行き列車に乗車し、終点の井川駅へ。私鉄日本一の高さを誇る「関の沢鉄橋」を通るなど、トロッコ列車の旅を大満喫しました。

 なお、「関の沢鉄橋」は、井川線の尾盛駅と閑蔵駅間にある鉄橋です。鉄橋の長さが114m、河床からの高さが70.8mもあります。列車は、鉄橋を渡る際に徐行運転をしてくれますので、絶景を車内から楽しむことができます。

紅葉の井川ダムを散策

 終点の井川駅では、駅から徒歩10分ほどの「井川ダム」で少し散策し、ランチなどをとって帰路につきました。

 秋の大井川。一味違った日本の秋を満喫できる旅へ、出かけてみてはいかがでしょうか。例年、11月中旬に紅葉の見ごろを迎えます。

絶景を巡る井川線モデルルート

大井川鐵道アクセスイメージ図

 では、寸又峡温泉を出発して、井川線を楽しむモデルルートを2つ紹介します。以下の≪1≫≪2≫を参考にしてみてください。なお、以下の各ダイヤ・料金は、2019年10月現在のものです。

■≪1≫「井川線の終点まで行く!」

【A】寸又峡温泉(8:47発)
↓路線バス千頭駅行
【B】(9:15着)奥泉駅(9:41発)
↓井川線
【C】(10:17着)奥大井湖上駅
↓徒歩で絶景スポットへ(約10分)
【D】千頭行の列車(11:04発)と湖と鉄橋の絶景を撮影
↓徒歩で駅へ(約10分)
【E】奥大井湖上駅(11:23発)
↓井川線井川行
【F】(12:06着)井川駅
↓徒歩(約10分)
【G】井川ダム散策
↓徒歩(約10分)
【H】井川駅(14:49発)
↓井川線千頭行
【I】(16:34着)千頭駅(16:51発)
↓大井川本線普通金谷行
【J】(18:02着)金谷駅(18:11発)
↓東海道線普通熱海行
【K】(18:43着)静岡駅(18:53発)
↓東海道新幹線「こだま672号」東京行
【L】(20:16着)東京駅

■≪2≫「井川線+SLビューの温泉を楽しむ!」

~ 上記≪1≫の【A】~【D】と同じ ~

【M】奥大井湖上駅(11:23発)
↓井川線井川行
【N】(11:47着)閑蔵駅(11:50発)
↓路線バス「閑蔵線」千頭駅前行
【O】(12:20着)千頭駅(12:45発)
↓大井川本線普通金谷行
【P】(13:21着)川根温泉笹間渡駅
↓徒歩約5分
【Q】「川根温泉ふれあいの泉」で、大井川鐵道のSLが見える露天風呂で日帰り入浴&ランチ
↓徒歩約5分
【R】川根温泉笹間渡駅(17:25発)
↓大井川本線普通金谷行

~ 上記≪1≫の【J】~【L】と同じ ~

■川根温泉ふれあいの泉
・住所:〒428-0101 静岡県島田市川根町笹間渡220
・URL: http://kawaneonsen.jp/

大井川鐵道「大井川周遊きっぷ」がおすすめ!

大阪の南海電鉄からやってきた車両も走る ©iStock

 なお、大井川鐵道を利用した旅には、「大井川周遊きっぷ」がおすすめです。大井川鐵道本線と井川線、路線バス(千頭駅前・寸又峡温泉間、千頭駅前・閑蔵駅前間)の全区間が乗り降り自由となっています。「2日間(大人:4,900円、子供半額)」と「3日間(大人:5,900円、子供半額)」有効の2種類があります。

 たとえば、1日目に金谷駅から千頭駅を経由して寸又峡温泉までは、通常料金で2,740円です。2日目は、上記「モデルコース」の≪1≫の場合で、4,810円となります。2日間合計で、通常料金が7,550円ですが、「大井川周遊きっぷ(2日間有効)」を使えば、2,650円もおトクになるのです。きっぷを都度購入する手間も省けますので、便利です。なお、SLの乗車には、SL急行券が別途必要となります。

 いかがでしたか。大井川鐵道を利用して、大井川の旅へ出かけてみませんか。

■大井川鐵道
・URL: http://oigawa-railway.co.jp/


*初回掲載: 2017年11月16日

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