海路で国境越えってどんな感じ? アメリカ・シアトルとカナダ・ビクトリアを繋ぐフェリー「クリッパー」

公開日 : 2018年08月03日
最終更新 :
筆者 : 東リカ
シアトルとビクトリアを繋ぐフェリー「クリッパー」
シアトルとビクトリアを繋ぐフェリー「クリッパー」

旅に国境越えは付き物。ボートやフェリーなどを使って、海路で国境越えをした経験がありますか。アメリカ北西部の都市シアトルとカナダのバンクーバー島にある州都ビクトリアは、地図で見ると実はそんなに離れていません。今回は、2都市を隔つ海峡を、高速フェリー「クリッパー」で渡る海の旅を紹介します。フェリーを使った海路での国境越えは、旅人なら必見です。

海沿いの美しい都市、シアトルとビクトリア

海沿いの美しい都市、シアトルとビクトリア
自然とアートにあふれる街、シアトル

アメリカ・シアトルは、カナダと接するワシントン州の海峡に面した街。海と緑に囲まれた美しさから「エメラルドシティ」とも呼ばれています。

英国の影響が色濃く残るビクトリア
英国の影響が色濃く残るビクトリア

一方、カナダ・ビクトリアは、カナダのビクトリア島南部にあるブリティッシュ・コロンビア州の州都。こちらも、海沿いの街並みには花が溢れ、「ガーデンシティ」とも呼ばれる美しい観光都市です。

フェリーから眺めるシアトルの街並み
フェリーから眺めるシアトルの街並み

そんな魅力的なアメリカとカナダの2都市。実は街の中心地が、高速フェリーで繋がれています。船を降りれば、目の前がダウンタウン。わざわざ郊外の空港や長距離バスターミナルへ出かける必要がなくて便利です。それに、ドリンクを片手に、海風を浴びながらの国境越えは、移動時間さえも思い出に残ります。

2都市を繋ぐ高速フェリー「クリッパー」

2都市を繋ぐ高速フェリー「クリッパー」
シアトルの桟橋に停留中の「クリッパー」

シアトルとビクトリアの2都市をつなぐのは、クリッパー・ヴァケーションズが運営する「クリッパー(Clipper)」と呼ばれる旅客専用の高速フェリー。ユニオンジャックが描かれた双胴船で、定員数は440人(Clipper V)。最高速度は36ノット(時速約67キロメートル)にも達し、シアトル・ビクトリア間の所要時間は、通常3時間ほどです(季節による)。

シアトルは、オリンピック彫像公園に近い「ピア69」に、ビクトリアは、歴史的建造物の並ぶ華やかな「インナーハーバー」に、それぞれ乗り場があります。

フェリーは年間を通して運行されていますが、季節や曜日によって便数や価格が変わりますので、公式サイトで確認してください。おおよそ片道100米ドルほどですが、先行予約割引やお得なホテルとのパッケージもあります。

海路で国境越えってどんな感じ?

海路で国境越えってどんな感じ?
シアトルの「クリッパー」専用桟橋

出入国手続きについて説明しましょう。海路で国境を越えるため、日本人は、パスポート、およびESTA(アメリカ入国の場合)が必要です。

筆者は、ビクトリアからシアトルへ向かう時に「クリッパー」を利用したのですが、ビクトリアで乗船する際、つまりカナダ出国の際、カナダで米国移民局の入国審査がありました。空港とは違い、乗船者専用の審査ですから、比較的簡単なものです。それでもカナダから乗船する時は、出航時間の1時間前には乗り場に着いておくように推奨されています。

シアトルの乗船手続きカウンター
シアトルの乗船手続きカウンター

シアトルで乗船する際に必要なのは、アメリカの出国手続きのみですが、45分前には着いておいてくださいとのこと。カナダへの入国審査は、ビクトリアで行われます。なお、日本のパスポートを所有していれば、海路での入国のため、カナダのeTAは免除されます。

事前にオンライン・チェックインをして、持ち込み荷物を手荷物だけにすれば、乗船時にかなりの時間を節約できます。なお、出航時刻の15分前を過ぎると、払い戻しもなく、フェリーにも乗せてくれないそうです。くれぐれも出航時刻には、気を付けてください。

ドリンクを片手に楽しいフェリーの旅

ドリンクを片手に楽しいフェリーの旅
明るく快適な船内

「クリッパー」に乗り込んでしまえば、後の3時間は快適なもの。ただし、もしも6人以上のグループで一緒に座りたいのなら、できるだけ早くチケットを購入することをおすすめします。なぜなら、乗船の順番は、チケットの購入順に割り振られているからです。ちなみに、筆者は、ビクトリアのインフォメーションセンターで、前日にチケットを購入したため、乗船は最後でした……。

フレンドリーなカフェのスタッフ
フレンドリーなカフェのスタッフ

飛行機や乗用車での移動と違い、船内を自由に歩きまわれますし、大きなトイレやカフェも完備されているため、小さなお子さんのいる方も気が楽です。テーブル席もありますので、カードゲームやお絵かきもできます。さらにうれしいことに、デューティーフリー・ショッピングもできます。

船内で販売しているクラフトビール
船内で販売しているクラフトビール

「クリッパー」での過ごし方はいろいろありますが、人気の過ごし方は、やっぱりお酒を飲んでおしゃべりすること! フェリー内で販売されているオリジナルカクテルを飲みながら、おしゃべりに興じていた女子4人組が、とっても楽しそうで印象的でした。考えてみれば、2都市とも女子旅にピッタリの街です。

「クリッパー」の外部デッキ
「クリッパー」の外部デッキ

「クリッパー」の外部デッキに出れば、海風を浴びることができます。船上から、だんだん近づいてくる目的の街を眺めるのは、ワクワクする船旅の醍醐味。素敵な記念写真もたくさん撮れるはずです。

いかがでしたか。高速フェリー「クリッパー」で渡る海の旅を紹介しました。今度の北米旅行の参考にしてみてください。

筆者

ポルトガル特派員

東リカ

ポルトガル、リスボン在住のフリーライターです。

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