【タイ・バンコク 旅の最新事情】二度目のロックダウンとなったスクンビット地区の様子を在住者がレポート

公開日 : 2021年08月04日
最終更新 :
筆者 : Taeko
人の出入りが減少したショッピングモール「エンポリアム」入口前
人の出入りが減少したショッピングモール「エンポリアム」入口前

2021年7月12日からロックダウンになったタイ・バンコク。今回は、日本人在住者が多く暮らすスクンビット地区(スクンビット地区という行政区分はありませんが、一般的に、BTSアソーク駅~エカマイ駅周辺エリアのことを指します)、なかでも、日本人観光客の多くが滞在するアソーク駅およびプロンポン駅周辺の様子を中心にレポートします。

規制が強化された7月のタイ・バンコクの状況

規制が強化された7月のタイ・バンコクの状況
一時閉鎖前日の7月22日、多くの人が散歩やジョギング目的で集まったベンジャシリ公園

タイでは、2021年7月9日から、1日あたりの新型コロナウイルス感染症新規感染者数が9000人を超えるようになり、2021年7月12日、特に感染者数の多かったタイ・バンコク首都圏は「ロックダウン」となりました。一部業種を除き、22:00~翌4:00の外出禁止や100%の在宅勤務の実施、危険地域の閉鎖が要請されました。
にもかかわらず新規感染者数は急増。7月17日以降、1日あたりの新規感染者数は1万人を超えるようになり、7月20日、タイ政府は規制対象地域を拡大するとともに、不要不急の外出禁止など、各種活動および人の移動の制限等を強化する「非常事態令第9条に基づく決定事項(第28号)」を発出しました。これを受けて、7月下旬から8月上旬の期間中、バンコク首都圏では公園や屋外の運動施設、理容店など、10もの業種の施設が追加で閉鎖されることになりました。

変化する営業形態と急増する一時閉鎖

変化する営業形態と急増する一時閉鎖
BTSアソーク駅直結シェラトンホテル前

ロックダウンが宣言される前から、バンコクでは、飲食店内での「飲酒禁止」、「飲食禁止」の順番で規制が強化されていました。そのため、飲食店の店頭販売やデリバリー、さらには、他店とのコラボ販売が以前より多くなっています。
例えば、ホテルのレストランや飲食店等が、ホテル前の通りや店舗前等で、パンやスイーツ、料理を売り出している光景もごく当たり前になっています。

日系フジスーパー1号店入り口
日系フジスーパー1号店入り口

バンコクでは、食品や医薬品等の日用品を取り扱う店舗(スーパー、コンビニエンスストア、食材店、薬局等)はほぼ通常通り営業可能です。
新型コロナウイルス感染症対策措置の一環で、入店前に、検温とアルコール消毒とチェックイン(名前と電話番号の記入またはQRコードの読み込み)が求められます。店舗によって多少異なるかもしれませんが、37.5度以上の熱がある場合は、熱が下がるまで入店できません。
また、店舗の従業員で新型コロナウイルス感染症陽性者がいた場合、従業員全員のPCR検査や隔離が行われたり、消毒のために数日間閉鎖となったりします。感染者数急増とともに、一時閉鎖のお知らせをよく目にするようになりました。

日系フジスーパー1号店店内のデリコーナーの一部(平日午前11時半頃)
日系フジスーパー1号店店内のデリコーナーの一部(平日午前11時半頃)

一時的に品薄になる商品もたまにありますが、日常生活に困るほどのことは起きていません。ロックダウン期間中も、スクンビット地区にあるスーパー、特に、日系スーパーやショッピングモール内のスーパーは、いつもたいへんありがたい品ぞろえ。ショッピングモール内のスーパーでは、規制強化により営業できなくなったベーカリーの商品を購入できるスペースが一時的に設置されるなどの工夫もなされています。

都市化が進む一方で、治安の悪化も心配に

都市化が進む一方で、治安の悪化も心配に
建設中のエムスフィア

ロックダウン期間中も、プロンポン駅近くでは、エンポリアム、エムクオーティエと合わせて、3つの大型ショッピングモールとして注目を集める「Emsphere(エムスフィア)」が建設継続中で、バンコクの都市化の勢いは止まっていないように感じられます。
そのほかにも商業施設の入口等、いたる所に自動検温器が設置されたり、施設内の扉が手動から自動で開閉ができるようになったりと、便利になってきたなと感じます。
ロックダウンでショッピングモール内店舗の多くが一時閉鎖になりましたが、インターネットショッピング情報も豊富にあり、タイ語以外の言語でも対応可能なサービスが増えてきて、使い勝手もよくなり、数ヵ月間、一歩も外出しなくても生活できるという人もいるほど、バンコクでの生活は快適になってきています。
その一方、「治安が悪くなっているのでは?」とささやかれるようになりました。7月上旬、BTSアソーク駅からプロンポン駅までの1駅の距離を徒歩で約17分間歩くと、これまでとは異なるホームレス風の人が歩道の脇で寝込んでいる姿をよく目にしました。7月下旬になり、その数は減少しましたが、不測の事態に備えて、外出する際、常に周囲には十分に気を付けておく必要があるといえるでしょう。

生き残りをかけて奮闘する人々

生き残りをかけて奮闘する人々
スクンビット・ソイ23、ソイ・カウボーイ周辺の風景

スクンビット地区にある歓楽街のひとつとして、日本のテレビドラマ『嘘の戦争』の撮影スポットとしても知られるソイ・カウボーイの周辺は、長い間、規制で静まりかえっていましたが、今回のロックダウン前位から、別の形で、活気を取り戻してきたように感じます。比較的リーズナブルな果物・野菜販売所や屋台が集まるようになり、近くで暮らす人や働く人にとってありがたい存在となっています。
休業や閉店のお知らせを見聞きすると、心が痛くなりますが、新型コロナウイルス感染症感染拡大による規制強化をきっかけに、新たな道を模索し、歩み出している人も少なくありません。新型コロナウイルス感染症の問題が収束すれば、以前同様の事業が再開されるかもしれませんが、度重なる規制で、以前とは異なる事業が生み出され、新たな価値観やライフスタイルが形成されることは間違いないでしょう。

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※当記事は、2021年7月17日~30日のものです。

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筆者

タイ特派員

Taeko

2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。

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