【オーストリア・ウィーン 旅の最新事情】チョコレートケーキの王様ザッハートルテの人気再び!ウィーン老舗カフェハウスの今を在住者がレポート

公開日 : 2021年09月06日
最終更新 :
人気が舞い戻る「カフェザッハー」のザッハートルテ
人気が舞い戻る「カフェザッハー」のザッハートルテ

9月に入り、朝夕はめっきりと肌寒くなってきたウィーン。日本のような残暑が存在しないオーストリアでは、8月が過ぎればすぐに秋模様、もうジャケットが手放せません。寒くなると新型コロナウィルス感染者数の増加が懸念され、ワクチンの予防効果の低下が指摘される中、世界中でワクチンの追加接種が始められようとしています。オーストリアでは10月から3回目のワクチン接種が開始される予定で、その効果が期待されます。

さてウィーンの夏は過ぎ去り寒くなりましたが、今度は温かい飲み物と美味しいスイーツをおともにカフェでゆっくり過ごしたくなる季節がやってきました。数世紀も前からウィーンに根付いたカフェ文化のおかげで、至る所で特別なコーヒータイムを楽しむことができます。
コロナ禍でも、宮廷のように煌びやかな雰囲気に包まれながらウィーンの銘菓を味わえる老舗カフェの様子を、ウィーン在住の筆者がお伝えします。

コロナ禍でも待ちたい!行列復活の老舗「カフェザッハー」

コロナ禍でも待ちたい!行列復活の老舗「カフェザッハー」
名物のザッハートルテを求めて並ぶ旅行者の再来

主にヨーロッパ圏からの旅行者が増えてきた8月に比べ、行列が徐々に長くなるカフェザッハー。ウィーンと言えばザッハートルテ!これを食べずにウィーンを去る人はいないと言っても過言ではないチョコレートケーキの王様を求め、遥々やって来る人々の姿をまた目にできる時がやってきました。前回の記事(2021年8月 オーストリア・ウィーン 旅の最新事情)で紹介した「3-Gルール」は現在もオーストリア国内で施行中。飲食店を利用する際にも未だ適用されています。利用時のルールのうち「陰性証明書」は有効期限が変更され、「接種証明書」については、8月15日より、必要回数のワクチン接種が完了していることが条件になり、それがわかる証明書の提出が必須となっています。

午前中の早い時間は列に並ばずに入店可能
午前中の早い時間は列に並ばずに入店可能
朝日が差し込み温かいテラス席
朝日が差し込み温かいテラス席

今回カフェを訪れたのは午前9時半頃。入店時に3-Gルールの証明書提示を求められます。この時間の利用客は、陽の当たるテラス席や豪華な店内でゆっくりと朝食を楽しむホテルザッハーの宿泊客が主ですが、もちろんコーヒーとケーキのみのオーダーも可能。空いているこの時間帯はゆっくりと過ごすのに特にお勧めです。

宮廷にいるかのような豪華な内装のカフェ
宮廷にいるかのような豪華な内装のカフェ

3-Gルールの証明が済み、案内された席に着くまではマスクを着用。この時間はカフェ店内もまだ十分空席があり、仕事について話すビジネスマンや子連れの家族旅行者等の宿泊客がほとんど。席でオーダーしてから運ばれてくるまでのひと時も、異国情緒あふれる煌びやかな雰囲気が利用客を退屈させません。

チョコレートケーキの王様とウィーンのコーヒー「メランジェ」
チョコレートケーキの王様とウィーンのコーヒー「メランジェ」

今やウィーン中のカフェやレストランでもお馴染みのザッハートルテですが、カフェザッハーの「オリジナル」という文字を見ると、その長い歴史に感慨深い気持ちになります。旅行者のみならず、長年ウィーンに住んだ人をも魅了する煌びやかなカフェハウス。実は今回筆者がカフェザッハーを利用したのは12年ぶり。当時は、次回はマスクを着けてコロナ禍に再訪するなんて思ってもいませんでした。

ケーキの種類なら負けない!コロナ禍を忘れさせる「デーメル」の人気ぶり

ケーキの種類なら負けない!コロナ禍を忘れさせる「デーメル」の人気ぶり
カフェザッハーに負けず、人で賑わうデーメルの入り口

宮廷御用達の老舗カフェ「デーメル」も賑わっています。こちらは予約を受け付けていないため、午後のコーヒータイムに訪れると行列は当たり前。煌びやかで豪華な雰囲気の中、ウィーンの銘菓を味わうのはほぼ旅行者で、コロナ禍でもホリデー気分を満喫している様子が伺えます。

入店してすぐ左にあるベーカリー
入店してすぐ左にあるベーカリー
美麗な装飾が施された店内奥はカフェとショップ
美麗な装飾が施された店内奥はカフェとショップ

席まで案内してくれるウェイターはもちろん、パン職人や菓子職人たちもマスクを着用しています。

オリジナルに負けないデーメルのザッハートルテ
オリジナルに負けないデーメルのザッハートルテ
ザッハートルテに限らず人気のある種類豊富なデーメルのケーキ
ザッハートルテに限らず人気のある種類豊富なデーメルのケーキ

メニューに記載されている名称を見ても味や姿の想像がつかないケーキは、パティスリー内にあるショーケースで確認してから注文できます。ザッハーオリジナルと、ここデーメルのザッハートルテを食べ比べるのもよいですが、デーメルのものは日本でも味わうことができるため、せっかくなのでその他のウィーン伝統ケーキを味わうのがお勧め。どれも魅力的です。

豪華でありながら可愛さもたっぷりのお菓子が並ぶショップ。マスク着用をお忘れなく
豪華でありながら可愛さもたっぷりのお菓子が並ぶショップ。マスク着用をお忘れなく

華麗なデーメル店内は複数の小部屋のようになっており、ベーカリーやパティスリー、そしてお土産選びに最適なショップもあります。3-Gルールの証明が済み、着席中はマスクをつける必要はありませんが、ショーケースのケーキを選ぶ際や、お土産物を見たい時、そしてもちろんお手洗いへ行く時にも、立ち上がる際はマスクの着用をお忘れなく。

こちらも人気復活!その他のウィーン伝統カフェハウス

こちらも人気復活!その他のウィーン伝統カフェハウス
ウィーン旧市街に3店舗ある1875年創業の老舗カフェ「ディグラス」

お洒落なブティックやインテリアショップが軒を連ね、日々観光客で賑わうWollzeileにあるディグラスの中でも人気店の朝は、まだ人がまばらです。ウィーンの伝統料理が充実したランチメニューが出るお昼前後にはほぼ満席になります。

アルベルティーナ美術館の向かいにあるカフェ「モーツァルト」
アルベルティーナ美術館の向かいにあるカフェ「モーツァルト」

観光客のみならず、地元民も買い物がてらに利用することが多いカフェモーツァルトは、広々としたテラス席が、特にコロナ禍は人気スポットです。

淡いグリーンの外観が目印のカフェ「ゲルストナー」
淡いグリーンの外観が目印のカフェ「ゲルストナー」

宮廷御用達のカフェハウス、ゲルストナーは、夏季の間閉まっていた2階席も9月からは再営業。迫力ある国立歌劇場を眺めることのできるお洒落なソファ席はゆっくりするのにとてもお勧めです。特にコロナ禍は予約をお忘れなく。

安全に、楽しくウィーンでコーヒータイムを
安全に、楽しくウィーンでコーヒータイムを

食欲の秋が始まりつつあり、オーストリアではこれから秋の味覚が楽しめる季節です。
まだまだ落ち着いて外食できるご時世ではありませんが、寒くて冴えない天気の日が多くなるウィーンで、家にばかりこもっているのも心身に良くありません。今年の秋は3-Gルールを守り、カフェハウスでゆっくりと過ごしたいものです。適切な予防を行い、各国のルールを守りながらコロナ禍でも工夫して楽しく過ごせますように。

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

※当記事は、2021年9月5日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

オーストリア特派員

雅碧 Léontine

大学卒業後は外務省に勤務した後、ドイツ・オーストリアに拠点を移し始める。現在はウィーンで翻訳業等に勤しみながら、オーストリア人の夫、愛娘たちとアクティブに暮らす。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。