【フランス・パリ 旅の最新事情】観光客で賑わうフランスだが日本人観光客の渡航はまだ先か、パリの現状をレポート

公開日 : 2022年04月21日
最終更新 :
パリの町並みとエッフェル塔
パリの町並みとエッフェル塔

初夏へ向けて気候が良くなってきたことに加えて、以前よりのフランス政府の新型コロナ対策についての制限緩和が重なり、パリの町中にはさらに観光客が増えています。現在のパリの状況と日仏間の渡航について最新情報をお知らせします。

パリのオペラ通りとオペラ座(オペラ・ガルニエ)
パリのオペラ通りとオペラ座(オペラ・ガルニエ)

2022年4月後半時点で、フランス全体における新型コロナウイルスの新規感染者は2万人前後で推移しています。パリ市内は公共交通機関に乗る際以外はマスクの着用義務は解かれているため、それ以外の場所ではマスクをせず行動している人は多いです。飲食店など含め社会活動はほぼ通常通り。生活に窮屈さを感じることは無くなっています。

前回2022年3月にニュース&レポートでお伝えした時と比べて、パリはさらに観光客が戻ってきたような印象を受けます。多くはEU圏内から訪れる旅行者で、そこに中国や韓国といったアジアの国からの観光客も、以前より高い頻度で見かけるようになりました。

日本からのフランス渡航については、2022年4月1日に外務省が感染症危険情報を、これまでずっと維持していたレベル3「渡航中止勧告」からレベル2「不要不急の渡航はやめてください」に引き下げました。今後、状況が一層落ち着けば、さらにレベルが下がることも考えられます。

ロシアのウクライナ侵攻による影響

ロシアのウクライナ侵攻による影響
成田行きのフライトの搭乗を待つ旅客の長い列

ロシアのウクライナ侵攻に関連し、ロシア空域を日本の航空会社が飛べないため、日仏を直行便で繋いでいた航空3社について依然影響が続いています。

2022年4月19日時点では、エールフランスが成田空港または関西国際空港とパリ・シャルル・ド・ゴール空港を繋ぐ直行便を、JALが羽田空港とパリを結ぶ便(JALの欧州便は他に羽田/ロンドン便および羽田/ヘルシンキ便)を運行しています。

エールフランスの場合、日本からパリへの往路は16時間、パリから日本への復路は13時間です。パリから成田へ向かう便に私も実際に乗ってみましたが、特に同便はコロナ禍の日本発着国際線とは思えないような高い搭乗率になっています。同社によると、利用客の多くはパリから成田乗り継ぎでニューカレドニアへ行く旅客とのことでした。成田/パリ便の頻度も2022年4月より週4便から週5便と増便されています。

ANAはパリ便に関しては、日仏を結ぶ直行便をまだ再開していません。羽田からオーストリア・ウィーン経由でドイツ・フランクフルト、または成田とベルギー・ブリュッセルを飛ぶ便が唯一の欧州便となっています。

日本からのフランス旅行が本格化するのはいつか?

日本からのフランス旅行が本格化するのはいつか?
モンマルトルの丘とサクレクール聖堂

日本からの海外旅行が本格化するのはいつ頃でしょうか。2022年3月にフランス西部のナントで開かれた旅行産業の見本市「ランデブー・アン・フランス」を訪れた日本の旅行各社に聞いてみると、ウクライナとロシアの問題次第ですが、早くて今秋以降だろうとの予測が多いです。まずは定番で安心感ある渡航先が選ばれ、海外慣れしている旅行客がある程度渡航した後に、それら情報や雰囲気を見て、一般的な旅行者が海外を検討し始めるのではないかと言います。

日本の水際対策に関しては、2022年3月からフランスから日本へ入国する際の制限が大きく緩和変更され、新型コロナのワクチンを3回接種済みであれば入国後の自宅等待機が免除になりました。またファストトラックと呼ばれる入国書類の事前ウェブ手続システム(質問票の記入、誓約書の記入、ワクチン接種証明書の有効性の確認、出国前72時間以内の検査証明書の有効性の確認)により、空港を出るまでの時間が短縮されています。

ただし、日本帰国(入国)の際の新型コロナに関する空港検査で「陽性」が出た場合、その後は隔離となります。仕事の合間に休みを取って渡航する場合は、スケジュールが読めない部分がまだ多くあるため、多くの人にとって海外へ行くことを躊躇する状況は依然続いていきそうです。

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

※当記事は、2022年4月19日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。