【フランス最新情報】新型コロナのルールが大幅緩和、いよいよ本格化するアフターコロナのパリ

公開日 : 2022年03月08日
最終更新 :
パリの共和国広場に立つマリアンヌ像
パリの共和国広場に立つマリアンヌ像

フランスでは2022年3月14日から新型コロナの大きなルール変更が予定されています。ワクチンパス提示の解除と屋内マスク着用義務の解除です。一方でフランスからの日本入国についても、2022年3月から水際対策が大幅に緩和されました。パリより現地の最新事情をお伝えします。

ワクチンパスと屋内マスク着用の義務が解除

ワクチンパスと屋内マスク着用の義務が解除
週末で混み合うパリ中心部の商店街モントルグイユ通り

これまでフランスでは、レストラン、バー、ディスコ、映画館、劇場、ホール、競技場、見本市、展示会、地域間移動列車などで、新型コロナウイルスについてのワクチンパスの提示を義務付けられてきました。それが2022年3月14日より一旦解除されます。

理由は、集中治療室の入院患者数や人口10万人あたりの新規感染者数など、フランス政府が定めた項目での感染状況が、基準の範囲内に収まる見通しであるためです。解除されれば、ワクチン接種をしていない(ワクチンパスを持っていない)人でも、レストランやバーで飲食ができるようになります。

ただし例外もあります。病院、高齢者施設、障害者施設など、身体が弱い人がいる場所においては、引き続き衛生パス(ワクチンパスではなく)の提示が必要です。衛生パスとは、ワクチン接種証明、陰性証明、回復証明のいずれかの証明のことです。

並行して同3月14日から、屋内でのマスク着用義務も、公共交通機関を除いて解除されます。今パリの町なかでは、外では多くの人がマスクをせずに出歩いていますが、それが屋内にも拡大されます。

日本の水際対策が緩和され帰国時の負担が減少

日本の水際対策が緩和され帰国時の負担が減少
パリ・シャルル・ド・ゴール空港の到着階

日仏間を往復する際の入国制限の緩和も進んでいます。日本からフランスへ渡航する際には、2022年2月12日よりワクチン接種済みの場合は、今まで取得が求められていた出発前48時間以内の陰性証明(PCRまたは抗原検査)が不要になりました。ただし、ワクチン接種済みでない人は出発前48時間以内の陰性証明が引き続き必要です。

一方で、フランスから日本へ入国する際も、2022年3月から日本政府の水際対策が大きく変更されました。ワクチンを3回接種済みであれば、今は入国後の自宅等待機が免除となっています。以前のように、入国したらすぐ自由に動くことができるようになりました。

ワクチンを3回接種済みでない場合は、原則7日間の自宅等待機が求められます。しかしながら入国後3日目以降に、自主的に受けた検査結果が陰性であれば、自宅等待機を継続が不要になっています。また空港検疫での検査(検体採取)後24時間以内は、入国後の自宅等待機のために、待機場所である自宅などへの移動手段として、公共交通機関の利用ができるようになりました。

ロシアのウクライナ侵攻が欧州便に与えた影響

ロシアのウクライナ侵攻が欧州便に与えた影響
共和国広場のマリアンヌ像に貼られた「ストップ ロシア」の横断幕

フランス国内での新型コロナについて制限がほぼ無くなり、また日仏の往来がしやすい状況になってきましたが、ロシアのウクライナ侵攻が今度はヨーロッパにまた影を落としています。ヨーロッパを中心としたロシアに対する空域閉鎖とそれに対抗するロシアの空域閉鎖で、各国の航空会社がロシア上空を飛行できなくなったからです。特に、日本や韓国、そして中国の北京からヨーロッパへ向かう場合、ロシア上空を通るルートが最短でした。

日系航空会社より先にロシア上空を避ける航路を設定したエールフランスは、パリから南東へ向かい、旧ユーゴスラビア諸国、トルコのイスタンブール、カザフスタン、中国を経て日本を結ぶ、南回りのルートを採用しています。

日系航空会社は、未だ多くが調整中(2022年3月6日時点)ですが、ANAは欧州便のうち、まず羽田/フランクフルト線と成田/ブリュッセル線から再開し、南回りのルートを採用しています。JALは、最初に羽田/ロンドン線を再開し、日本から太平洋を北上してアラスカ、グリーンランドの上空を経て、ヨーロッパへ到達するルートを取っています。

現時点(2022年3月6日時点)では、日系航空会社のパリ便については、まだ発表がありませんが、順次発表される予定です。

新型コロナに加えてこれらの影響はありますが、現在パリの町なかは前回(2022年2月)のニュース&レポート執筆時と比べて、さらに観光客が戻ってきている印象です。主にヨーロッパ内からの観光客ですが、今後ウクライナ情勢がヨーロッパ西部に波及したり、新型コロナの深刻な変異株が出現しない限りは、観光拡大の流れが大きくなっていきそうです。

・参照: 在フランス日本国大使館、外務省、厚生労働省、在日フランス大使館、エールフランス、ANA、JAL

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック
『地球の歩き方 ガイドブック A07 パリ&近郊の町 2021年~2022年版』

2021~22年度版では、パリの最旬トピックスや、賢くお得に旅するためのモデルプラン、ますます進化中のパンなどを大特集! エリア別ガイドでは、観光名所だけでなく治安情報やフォトジェニックスポットもわかりやすくご紹介。ヴェルサイユやモン・サン・ミッシェルなど郊外への旅はページを増やしてさらに詳しく!

『地球の歩き方 ガイドブック A07 パリ&近郊の町 2021年~2022年版』
■URL: https://hon.gakken.jp/book/2080127200

※当記事は、2022年3月6日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年3月6日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

≫≫≫(関連記事)
各国の海外旅行最新事情はこちら

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。