【ドイツ・レーゲンスブルク 旅の最新事情】中世の歴史が香る美しい世界遺産の街の様子を在住者がレポート

公開日 : 2021年08月02日
最終更新 :
世界遺産都市レーゲンスブルク。中世の面影が残る街
世界遺産都市レーゲンスブルク。中世の面影が残る街

街そのものの美しさもそうですが、地理的な美しさも忘れてはいけません。文豪ゲーテも「ここに、街が作られたのは当然のことだ」と評価しているのですから。

ドイツのコロナ対策は、現状とてもうまく行っているようです。2回の予防接種を受けた人は、7月19日現在、ドイツ全体で46.7%、バイエルン州だけを見ると44.4%(ロバート・コッホ研究所)に上ります。

かつては200以上、地区によっては500程度の数値を示していた、過去7日間の人口10万人あたり平均感染者数が、現在では20弱と安定していますが、お店などでのマスク着用義務は続きます。これは、成人の85%が2回のワクチン接種を終了した時点で、初めて解除されるという見通しです。

コロナ禍のルールとしては、店内はマスク着用、しかも、FFP2というマスクが必要となります。日本で事前に入手する場合、ネット販売でN95マスクと検索してみると、見つかります。ドイツ国内では、どこのスーパーやドラッグストアでも取り扱っているので、日本でたくさん用意する必要はありません。

マスク以外には、レジに並ぶ時など他の人との間隔を1.5mから2m開けるというのが基本です。また、お店の入り口には大概、消毒液が設置されているので、それらを使うとよいでしょう。

2000年の歴史、ローマの壁

2000年の歴史、ローマの壁
エアンスト・ロイター広場。西暦179年に建てられた城壁の一部が見られます

レーゲンスブルクにはいろいろな顔があります。そのひとつが、「ローマの遺跡が残る街」です。エアンスト・ロイター広場では、450m x 550m の長方形で建てられたローマの軍事拠点の南東の角に当たる部分が見られます。保険会社がここに事務所を建築しようとしたところ、遺跡が出現したのだそうです。

このローマの遺跡は、2000年もの歴史を持つのですが、単に古いということに加え、これだけすばらしい状態で現在にまで残っていることの価値をぜひ考えてみてください。雨風にさらされると、雑草が生えます。崩壊の恐れから、コンクリートで隙間を埋めて、見苦しくなることもあります。

イタリアの最北端の拠点として築かれた軍事拠点カストラレギーナ。それが、レーゲンスブルクの原点です。

この他にも、ドナウからほど近い場所に主要門が残っていますし、北東の角も、東側の壁も現存しています。東の壁はダッハウ広場にある立体駐車場の地下に取り込まれていますが、鳩の被害がひどいため、現在は閉鎖されています。

レーゲンスブルク歴史博物館には、東門の上に掲げられていた巨大な石碑のオリジナルが保存されています。いつ誰がここにこの城壁を造ったか、という歴史情報が刻み込まれたもので、圧巻です。

(旧市街内の人の出入りは、石橋付近や大きな広場、飲食店付近に集中しています。)

■ローマの壁
・住所 : Ernst-Reuter-Platz
・営業時間 :  野外スペースなので、1年中24時間アクセス可能
(野外のため、マスク着用義務はありません)

都市型公園でゆったりひととき

都市型公園でゆったりひととき
旧市街の西に位置するシュタットパーク

このシュタットパークは、16世紀に起源を持ち、広さはなんと8.5ヘクタールもあります。噴水もあれば、子供のための遊具がある場所もある、なかなか贅沢なスペースです。軽食を持参して、こんな場所でゆったりピクニック気分を味わってはいかがでしょうか。

ほかにもいくつもの公園があります。すぐ近くのドゥルンベルグ公園や、ヘアーツォーク公園。いずれもシュタットパークに比べると規模は小さいですが、合わせて近辺の住宅を見学したりするのもおすすめ。このあたりの住宅は、近代的な造り(19世紀後半から1930年代ごろの建造物)で、レーゲンスブルクの特徴であるゴシック建築と雰囲気が異なります。観光スポットというわけではありませんが、そんな風景を楽しむゆとりもあってよいのではないでしょうか。

(これらの公園は、コロナが落ち着いた現在では、ジョギングやヨガをする人が利用しています。または、自転車で通り抜ける人や、子供連れなど散歩を楽しむ人も見かけますが、混雑はしません。)

■シュタットパーク
・住所 : Pruefninger Strasse
・営業時間 :  1年中24時間(但し子供が遊べるスペースは8時〜20時)
(野外のため、マスク着用義務はありません)

噴水が映えるビスマルク広場

噴水が映えるビスマルク広場
南の噴水。背景は19世紀初頭の新古典主義の建物。現在は音楽学校

ビスマルク広場は、ふたつの広場がつながった形になっています。南と北に噴水がそれぞれひとつずつあり、その間を道路が走っています。北には劇場が、南には音楽学校がありますが、それぞれ1803年、1804年に建てられた新古典主義の建物で、共にカール・フォン・ダールベルクの指示により建設されました。

噴水は、夏場は22時まで水が噴き上がっています。水の音が心地よく、おすすめ。日中は子供連れが休憩がてら立ち寄り、夕方以降は若者がたわむれる場所。近辺にはアイスクリーム屋さんやカフェ、クナイぺ(居酒屋さんの類)もあるので、ゆったりくつろぐのによい場所です。

(時間帯にもよりますが、コロナが落ち着いた今は、かなりの人でにぎわいます。月曜日の夜でさえも含め、飲食スペースが満席になることも珍しくありません。)

■ビスマルク広場
・住所: Ernst-Reuter-Platz
・営業時間 :: 野外スペースなので、1年中24時間アクセス可能
(野外ですが、喫茶スペースでの移動はFFP2マスク着用のこと、またその際、連絡先を記入する用紙を渡されます。グループの場合は代表者のみ記入のこと)

南ドイツを代表するロマネスク建築、聖ヤコブ教会

南ドイツを代表するロマネスク建築、聖ヤコブ教会
聖ヤコブ教会の入り口。ロマネスク様式の美しいアーチ

聖ヤコブ教会は、別名をショッテン教会と言います。ショッテンとは、アイルランドからやってきたベネディクト会の僧侶たちのことを言うのですが、11世紀の初頭にここレーゲンスブルクに来たショッテンが建てた教会だからです。
内部はシンプルですが、床やベンチなど、一つひとつを取ってみても、なかなか見応えがあります。レーゲンスブルクを象徴する大聖堂よりもさらに古い教会です。15年ほど前までは風雨にさらされていましたが、現在入り口部のみ、ガラスで覆われています。

レーゲンスブルクには、たくさんの教会や修道院があります。ゲーテがこの街に来た時、教会また教会、修道院また修道院、と表現したくらいですから、そのすごさは想像ができるでしょうか。

(現在観光客はドイツ国内またはヨーロッパ圏内からに限定されているので、ひっそりとしています。)

■聖ヤコブ教会
・住所: Jakobstrasse 3
・営業時間: 8:00-18:00
(教会内部ではFFP2マスクの着用が義務付けられています)
・URL: https://www.schottenkirche.de

高い塔から街を見下ろせる場所

高い塔から街を見下ろせる場所
三位一体教会

意外と知られていないのは、塔の上から眺めるレーゲンスブルクの風景。三位一体教会の塔に上ると、街を一望することができます。ドイツの街、と言うイメージを覆さない、すてきな眺めです。
この記事を書いている7月中旬は、コロナの影響で塔へ上ることはできませんが、普段は1日あたり6時間程度、春から秋にかけて塔に上ることができます。未完成の南の塔とは対照的に、北の塔は、窮屈な157段の階段を上ると、高さおよそ34mの展望台に出る事ができます。上ってみる価値大です。詳細情報は、公式ページでご確認ください。

三位一体教会そのものは、プロテスタントの教会として、30年戦争の最中建築されました。外見は、シンプルですが、実は、南ドイツで「最初」の新築で建てられたプロテスタント教会です。
新築、とあえて言うのは、当時、カトリックの教会を改築してプロテスタントの教会としていたからです。そして、さらに凄いのは、机やベンチが17世紀のオリジナルだということ。

内部には、トゥルン・ウント・タクシス公爵一家のための席も設けられています。ここ数年かけて、内装、及び外装と、大掛かりな修復工事が行われました。今年になって念願の新しいパイプオルガンが設置されました。9月下旬から8日間にわたって毎日、オルガンのお披露目コンサートが予定されています。また、教会の南東には、17、18世紀のお墓が今でも残っています。

(残念ながら閉鎖中です。内装の改装が一旦終わった後に、外装に問題があったため、結果的に長期閉鎖をしていました。現状は中に入れる状態にはなっていますが、近々公開されるものと見込まれます。)

■三位一体教会
・住所: Am Oelberg 1
・営業時間: 8:00-18:00
(2021年7月21日時点では閉鎖していますが、FFP2マスク着用義務の対象となります。)
・料金: 教会そのものは無料ですが、塔に上るためには2€
・URL: https://www.dreieinigkeitskirche.de

≫≫≫(関連記事)【2021年7月 ドイツ・フランクフルト 旅の最新事情】活気を取り戻しつつあるレーマー広場やアイゼルナー橋の様子を在住者がレポートの記事はこちら

※当記事は、2021年7月19日現在のものです

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◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
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