海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP >ニュース&レポート >旅の情報 >ヨーロッパ >イタリア >ローマ >クリスマスの飾りが町を彩るイタリア・ローマの美しき観光地の今

クリスマスの飾りが町を彩るイタリア・ローマの美しき観光地の今

2021年12月06日

横から見たトレビの泉。聞こえて来る言語は、フランス語、スペイン語、英語など

ユネスコ世界遺産登録数世界一を誇る国、イタリア。新型コロナウイルス感染症がイタリアで拡大を見せ始めた2020年初頭以来、度重なるロックダウンや、海外からの入国の制限などにより、イタリアを旅行で訪れる人はほとんどおらず、この2年間は、首都ローマでも、どの観光スポットに行っても人がいないがらがらな寂しい状態でした。しかし、2021年11月に入ってからは観光客が増えて来ています。場所によっては、コロナ禍以前より人の出があるところもあるほどです。今回はローマの今の様子について、イタリアの公認観光通訳としても活動する地球の歩き方 ローマWeb特派員の阿部がレポートします。(※オミクロン株のニュースの前、2021年11月下旬時点の情報です)

にぎわいを取り戻すローマ定番の観光スポット

2020年3月にイタリアで新型コロナウイルス感染症が見つかって以来の観光客の多さ

こちらは、スペイン階段です。原宿の竹下通りのような混み具合で、次から次へとどんどん人が横切って来て、真っ直ぐ歩くのにも苦労をする状態です。スペイン階段の正面あたりは、完全に渋滞をしていて、前に進めず立ち止まってしまうほどでした。こんなに人が多いスペイン広場とスペイン階段を見たのはずいぶん久しぶりです。11月に入ってから、ローマを訪れる観光客が激増しています。

気候的には、典型的な地中海性気候のローマは、冬は雨が多く温暖です。通常は、霜が降りたり雪が降ることはありません。極楽鳥花やバナナの木なども地植えで年を越しています。ローマ風にいうと、30年に1回のペースで白い悪魔がやって来ることになります。近年初めて雪が降ったのは2012年2月のことで、27年ぶりの雪の舞いを見ることができました。その前の1985年1月の雪は、ローマで最も被害が出た降雪で、中心部で15センチ積もりローマっ子も発狂したそうです。(歓喜の)

冬でも凍るほど寒くなく、人々は明るく陽気で、楽しく観光することのできるローマは、ヨーロッパでもおすすめの訪問都市です。

こちらも観光客が戻って来ている。11月の秋の時期にしては人が多い

続いて、トレヴィの泉です。イタリアでは、2021年6月28日より、マスクの屋外での着用義務はなくなりました。そのため、トレヴィの泉のような開かれた場所では(この写真のように)マスクをしていない人も見られますが、ソーシャルディスタンスをとって観光することが定められています。

あまり他の人とくっつき過ぎたり騒いだりしていると、観光スポットの前で見張りをしているお巡りさんが飛んで来ることもしばしばあります。イタリアでは、ソーシャルディスタンスとして、人と人との間の距離は2メートルをとるようにと指示が出されています。
(注意:オミクロン株が国内で初確認された数日前より、状況は日々刻刻と変わって来ています。この記事のお写真を撮影した11月下旬は、まだオミクロン株のニュースはありませんでした。例えば、11月27日より、オミクロン株の拡大防止のため、ミラノ、ボローニャなどの都市は、屋外でのマスクは着用義務となってしまいました。今のところ、都市ごとの判断で決定されています。今後は、着用の義務はイタリア全土に渡るようになるかもしれません)

団体ツアーのグループも見られる

円形闘技場のコロッセオの様子です。この日も、海外からのツアー客の団体が何組かいました。コロッセオの前には、市警がいて、常に見回りをしています。コロッセオの入場チケットは、現在は窓口では購入することができません。コロナウイルス拡大防止対策として、一回に見学できる施設への収容人数を決めていることから、事前にオンラインで希望の日時、時間を指定した切符を購入します。

コロッセオのチケット売り場

コロッセオ前の切符売り場には、ネット経由でチケットを購入するように注意書きの紙が貼ってあります。

世界最大の石造りの遺構、2000年の時を経たパンテオンの大きさが感じられる

こちらは、世界最大の石造り建築の遺構、パンテオンです。パンテオンとは、ギリシア語のPan(パン)、意味は"すべての"、theos(テオス)の"神"より由来し、"すべての神々の神殿"という意味でさまざまな神々を祀る万神殿でした。2000年前の建築物がほぼ完全な形で残っているのは、世界でもローマだけかもしれません。こういったものが入場無料なのも嬉しいですね!     

最近のパンテオンの前には、このように入場のための長い列ができていることがあります。この日は、300~400人は並んでいました。本当にたくさんのお客さんでいっぱいです。ここまで多くの人が並ぶことは、新型コロナウイルス感染症拡大以前でもめったになかった現象です。

レストランも満席、観光スポットも行列が見られる

広場の両脇にずらりと並ぶレストランのテラス席も灯りがともり、お客さんが入っている

ローマっ子の憩いの場、ナヴォーナ広場は、もともとは皇帝の競技場の遺構だったため、南北に細長いおもしろい形の広場になっています。こちらの広場も、コロナ禍になってから、いつもはちょろりと通行する地元の人がいるくらいで、噴水などのモニュメントの写真を撮っている人はあまり見ませんでしたが、多くの人が訪れています。

広場の両脇に軒を連ねるカフェやレストランも明かりを灯して営業中です。ローマっ子の夕食の一般的な時間帯は19~20時くらいですので、それよりも早い18時~18時半頃に店内に入ると、まだ混んでおらず、ゆっくりとお食事をとることができるのでよいです。イタリア人や、外国の方には、店の外で食べることのできるテラス席がとても人気です。冬でも寒くてもいつでも外の席が人気です。2021年11月30日現在は、ローマでは、レストランなどの飲食店では、屋外の席に座ってお食事をする場合は、ワクチンの接種またはPCR検査におけるCovid-19の陰性を証明するCOVID-19グリーン証明書(通称グリーンパス)の掲示は必要ありません。建物の内部で飲食をする場合は、COVID-19グリーン証明書の所持が必要となっています。

入り口から右側の方向に入場のための列ができている。きわめて稀

サンタンジェロ城です。イタリア語でサント(聖)とアンジェロ(天使)からなり、聖天使城とも呼ばれます。もともとは、五賢帝の一人ハドリアヌス帝が、お墓(霊廟)として造らせたため、お城といっても普通のお城とは形がだいぶ違っています。こちらも、入口の外まで入場のための列が伸びているのを久しぶりに見ました。楽しい顔で観光スポットの前でお話をするたくさんのお客さんが戻って来て、とても嬉しくなります。

フォーリ・インペリアーリの遺跡、トラヤヌス帝のマーケット

フォーリ・インペリアーリの遺跡のトラヤヌス帝のマーケット(市場)を見ている観光客です。今まで誰もいなかった場所に、現在は人の姿があり、なんだか不思議な思いです。

観光客を乗せて一生懸命に走る観光馬車。2台稼働中

フォーリ・インペリアーリ通りを、観光客を乗せた観光馬車のお馬さんが一生懸命に走ります。長い間、たくさんのお馬さんも出番がなく、厩舎でくつろいで出勤できる日が来るのを待っていました。

日に日に高まるクリスマスムード

ローマ観光のマストスポット

フォロ・ロマーノの遺跡です。古代の政治や経済、宗教の中心地であったフォロ・ロマーノは、秋からの観光もおすすめです。夏の日射しがとても厳しいローマは、日陰のない広い遺跡内での観光はかなり大変で、しっかりとした暑さ対策が必要となります。乾燥した夏は、遺跡内でしばしば砂ぼこりが舞うこともあります。気温が下がって歩きやすい秋からは、屋外にある広大な遺跡の観光は、じっくりと立ち止まってよく見ることができます。遺跡の左手の森の部分(パラティーノの丘のフォロ・ロマーノを見下ろすテラス)にもお客さんがたくさんいました。

バチカン市国サン・ピエトロ広場のクリスマスツリー

バチカン市国のサン・ピエトロ広場の様子です。サン・ピエトロ大聖堂前の広場に、11月23日にクリスマスツリーが到着しました。モミの木は、毎年異なる場所よりやって来ます。今年は、北イタリアのトレント自治県の東アルプスのドロミティの森から運んでこられました。遠いアルプスを出発し、何日もの長旅を経てローマに到着した赤モミの木の樹齢は113歳です。

このバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ(丸屋根)は、直径が43メートルあり、遠い昔よりローマの大きな帽子として知られてきました。近代化する前は、ローマの郊外の野原で羊を放牧する羊飼いたちが、ローマの方向を確かめるために帽子を目印にしていたというのも納得する大きさです。ローマにいる限りどこからでも見ることができる大きな帽子ですので、観光中にもし方角が分からなくったり、迷子になった場合は、帽子を探してみて下さい。これほど大きなものはローマの中心部にはひとつもありませんので、必ず見つかります!

クリスマスツリーの据え付けが終わった直後

世界一大きな大聖堂、ローマのサン・ピエトロ大聖堂は、内部には普通の教会が何個もすっぽりと入ってしまう驚きの大きさです。そんな世界一大きな大聖堂の前に建つクリスマスツリーは巨大で、上の方でもモミの木の幹の太さが、普通の人のお腹くらいの幅があります。毎年、クリスマスツリーへの飾り付けは、数人がかりで大きなクレーンに乗って数時間をかけて行います。
サン・ピエトロ大聖堂の最初の教会が建立されたのは300年代の前半です。1700年近い歴史を持ちます。初めて内部に入った時は、その美しさに本当にびっくりしました。あれから20年以上を経て、いろいろな聖堂に入ってきた今でも、その思いは変わっていません。その威厳と美しさでは右に出るものがいない唯一無二の聖堂です。
(その他の関連情報)
クリスマスツリーの点灯式は、2021年12月10日 金曜日の17時に、隣に置かれたプレゼピオ(キリスト降誕の場面を人形で表現した模型)のお披露目とともに行われます。今年はペルーのプレゼピオです。
クリスマスツリーとプレゼピオは、来年の2022年1月9日 日曜日までイルミネーションをされていますので、機会がある方は立ち寄ってみて下さい!

コロナの収束を願いつつ…

スペイン階段近くの通り。クリスマスの飾りつけがされている

つい最近までは、ローマは人も少なく哀愁が漂っていましたが、最近突然観光客が増えてきました。急に増えたため、住民としてはびっくりしており、少し前のようにゆったりとのびのびと町を歩けた時期が懐かしく感じます。とはいえ、早く新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着き、皆さんがイタリアのすばらしいユネスコ世界遺産の数々を見に来てくれることを願っています!

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

地球の歩き方 ガイドブック A09 イタリア 2020年~2021年版

イタリア全土をカバーするガイドブック。人気の五大都市(ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ヴェネツィア、ナポリ)は巻頭にまとめました。魅力あふれるイタリアの地方は州ごとにまとめ、訪ねるべき町々を選び紹介しています。巻頭16ページの特集は年度ごとに新しく取材。新登録の世界遺産をはじめ、旬のディスティネーションや食べ物、日本ではまだ知られていない地域をご紹介。美食の地パルマの食材、人気のワイン プロセッコ、イタリアのパワースポットなど盛りだくさんです。

■地球の歩き方 ガイドブック A09 イタリア 2020年~2021年版
・URL: https://hon.gakken.jp/book/2080127400

※当記事は、2021年11月26日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年11月26日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

≫≫≫(関連記事)各国の海外旅行最新事情はこちら

お気に入り

※この記事が気に入った方はクリック

関連書籍

地球の歩き方 ガイドブック A09 イタリア 2020年~2021年版

地球の歩き方 ガイドブック A09 イタリア 2020年~2021年版

地球の歩き方編集室
定価:1,870円(税込)
発行年月: 2019年12月
判型/造本:A5変並製
頁数:616
ISBN:978-4-05-801274-1

詳細はこちら

このニュースに関連する他のニュース